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ブラック企業を渡り歩いた日々②

前回の記事では、新卒最初に入った会社のブラックぶりをご紹介させてもらいました。


先輩や上司よりも先に退社させてもらえないという内容と、就業時間後の強制飲み会の話だったかと思います。

何より長時間労働と休日出勤がしんどかったのですが、労働時間で言うと、多くて月に300時間、平均すると260時間程度は毎月拘束されていました。
「それだけ働くと収入もすごかったでしょ?」と思われるかもしれませんが、
入社初日に総務部長から言われていました。

「うちの会社は残業代というものがありません」

大卒初任給で24万円もらえてましたので一般企業の大卒初任給が20万円前後だったことを考えると差額の4万円は「みなし残業代?」みたいな感じだったのかもしれません。まあ、それでも月に100時間以上残業しているのですから安いですよね。

これだけ酷いと誰かが労基署に言わないのか?と思われるでしょうけど、皆さん新卒生え抜きの社員ばかりでしたので「これが普通の会社」と思ってるんです。
皆さんきつい労働環境を共有していますので社内の若手中心に団結しているんですよね。
これまでブラックな面ばかり書かせてもらいましたが、退職時、私泣いたんですよ。団結している先輩方が後輩である私を可愛がってくれていたので。苦しい中でも幸せを感じていた場面もあったんでしょうね。
最後に餞別なのか、総務の部長が私に「これ、みんなから!」ということで封筒を渡してきました。中身は現金8万円が入っていました。

この後、私にも色々あり、あちこち転々としてしまうのですが、この会社ほど暖かい会社は無かったですね。

退職後数年が経ち、飲酒運転の罰則が強化されました。
その直後、飲酒運転で捕まった先輩がいると噂で聞きましたが、無茶苦茶な飲み方をしていたのは相変わらずだったようです。

転職後の会社でも飲み会があり、車で店に来ていた私は「付き合わないとダメなのかな」とビールを頼もうとしたのですが、上司は私を叱りつけました。

「お前、何飲もうとしてんだ!車だろ!」

「あー!これが普通なんだよね?」と感動したのを覚えています。

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