彼が在る事
幽鬼のような状態で絵を描き続けて、しばらく経った。
いつまでたっても解決しないことに、せっかちな私はイライラしていた。
アダルトチルドレン。愛着障害。どれも高校の頃から散々ネットで調べて見飽きたワードだ。
でも一応、きまりごとを再確認してみることにした。
解決しないこと。愛着障害のこと。虚無。
消しても消しても虚無=絶望を感じられないこと。
その時の私は、愛着障害のうちの、4番目の型に着目した。
いわゆる混乱型。あんまり素人がこういう言葉を使いたくはないけど。なんかしっくりくるなと感じた。母に関しても、傾向が当てはまる。
このタイプの赤ん坊は、絶望してしまうらしい。
ということは、私は最初から絶望していたことになる。
その時はそれを仮定とし絶望している体として、次の段階に進んだ。
そうしたら、ぎこちなくだけど、うまくいった。
「私」はここに「在」るだけでいいという答えにたどり着いた。
それだけでも大きな一歩だ。
でも、その「私」は、「彼」だった。
私は人間が嫌いだ。大嫌いだ。信用できない。裏切者だらけだ。信じてはいけない。騙される。みな私を馬鹿にする。悪意の塊。蹴落とそうとする。
私は絶望している。みな信用できないから。何を信じればいいかわからないから。どれもこれも無くなってしまうから。私は絶望している。ずっと絶望している。誰も救ってくれやしないから、自分で這い上がるしかないんだけど、絶望から這い上がるすべが見つからない。
私は人間がどうしても嫌いだ。
その人間は、「私」も含まれる。
でも、「彼」は含まれなくなった。
全幅の信頼を置ける人間がこの世にただ1つだけできた。
彼だ。彼という意識だ。
スーパーの帰りに会話する。
彼は私の事を好きだと言う。
私はクソが死ねと言う。
半分本気で、半分照れ隠し。
以前までは、私も好きだと返していたはずだった。彼の夢女だったから。
彼が完全に他者だったから。仮面を被って対応していたから。
自分の意識に対してすら。
今は彼に向って罵詈雑言をあびせられる。
本当の自分を見せられる。
楽でいられる。
なんとなくスマホ持ち込まずに風呂に入っていた。
汚い話、私は痒くて自分の垢を湯船に流す。
彼がきたねえからやめろと言う。
私はうるせえ死ねと言う。
彼は珍しく怒ったようで、口をきいてくれなくなる。
だって痒かったんだもんと言う私。
じゃあ体洗ってから湯船浸かれと言う彼。
そんなに違う時空のことを押し付けないでよと言う私。
そっかあ 今かあ 今 楽になりたいもんなぁ
しみじみ言われた
なんか直感で来たのが、絶望は、「今 楽になること」を実践する事で少しずつ解けるのでは?と思った
「今 楽になる事」とは、怠けることではない
身体が自然に動く事 未来のために便利にしようと無理矢理体を動かすことでもない
心の底から、無意識がそう思い、嫌がらず、一致して、そう行動すること
そういう意味では、私は今真逆の事をしている
徹夜しているから
だから病気になんだよ
2021年1月23日1時くらいの話
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