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2023年音楽活動振り返り

概要

初めましての方は初めまして。普段はボカロPとして活動しているゆうよと申します。実はもうボカロを聴き始めて12年、ボカロを初めて買ってから5年の時が経とうとしているらしいのですが(ヤバすぎる話!)、これまでボカロPゆうよとしての文章をちゃんと書いたことがなかったので、第一弾として今年の活動を振り返りつつ、製作した曲のリファレンスとか作りながら考えてたこととか色々脱線した話もしていこうかと思います(2024年はこういうの月1ぐらいでやりたい)。自分としてもnoteを通じて創作や周辺の事柄への言語化能力を高めていき、同時に皆さんにも自分のことを少しでもより知ってもらえればなと思います。

2022年度から京都大学の作曲サークル吉田音楽製作所(吉音)に所属しており、今回は既に外部にも公開している曲はniconico動画のリンクなどを貼り、吉音としてのアルバムからのみのリリースとなっている曲等に関しては吉音YouTubeチャンネルに上がっているXFDのURLを貼らせていただきます。(本当に他の方々の曲も良曲揃いなので是非お買い求めください)

マジでもっとちゃんと動画として世にしっかり出したいね。頑張ります。
日時に関してはリリース時だったり完成時だったりバラバラなので参考程度にお願いします。


①2023/03 counterfeit feat. 可不

counterfeit 歌詞

ボカコレ2023春参加曲
”誰の偽者でもない存在になれたなら___。”


リファレンス

Σ / ラスト・エーリュシオン feat. 初音ミク・v flower・可不
ああああ & Aoi / Dahlia
あんふぃに / 氷華


Artcoreと呼ばれる、日本の音ゲーシーン等で盛んなジャンルを取り入れつつ「儚さ」、「アイデンティティ」みたいなところをテーマにして使った曲です。ドロップではGrowl Bassを取り入れDubstepっぽいサウンドに仕上げてみました。

背景としては大学に入ってからというものの、勉強だとかそれこそ作曲能力だとか、自分のアイデンティティとして縋っていたものがどれも脆弱になっていって、自分の必要性だとか生きる意味とかそういうことに思い悩んでいたところがあります。
そこで、2022年秋ごろに購入した「CeVIO AI 音楽的同位体 可不」をボーカルとして採用し作りました。「初音ミク」とか「重音テト」のように、おそらく以前までの合成音声は新たなキャラクターに新たな声を吹き込んだものが多かったはずなのですが(声優色やらはあれど一応合成音声キャラクターとして独立して存在している状態)、その一方でこの「可不」は実際の既存のキャラクターや声を超明確に模して作った合成音声で、アイデンティティという曲のテーマからしてもピッタリだしなという気持ちがありました。

そんな感じの曲なのですが、表現意図を良い感じに反映しつつサウンド面もかなりうまく作り込めたと自負しており、周りの人からも良いね~と言ってもらえる機会が圧倒的に多く、自分自身としても非常に好きな曲になりました。具体的に周りからはメロディー部分を褒められることが多い気がするのですが、メロディーに関しては「儚さ」の気持ちになりながらリフレインを意識して作ってたらこうなりました。メロディーメイクに関しては自分の中では一番自信のある部分なのですが、一方で全然言語化できていないのでその辺も今後理論的に学んでいけたらなと思っています。後から分析してみた感じ、コードのルート音に対して7度とか9度の響きがうまく使えていそうな気がする。(他にも何かあればいつでも教えてほしい!)

そして、自曲初のRemixをしてくれた人たちがいたり、同大学内の他サークルで製作されている音ゲー(後述)にも収録してもらい学祭で様々な人に遊んでいただき、色々な意味で人との繋がりも生んでくれて、自分を何者かにしてくれた曲だなあと思っています。

↓Good Remix……(動画作ったのでそちらもよろしくお願いします)

↓音ゲー「HARCA」、是非買ってね

音ゲー用に描いていただいたgood jacket……
絵:なずしろ(@nazushiro)
https://twitter.com/nazushiro/status/1727520040138973309

②2023/03 セイクリッドガール feat.音街ウナ

セイクリッドガール 歌詞


↓リファレンス


高3の3月、卒業して新しい環境にそれぞれ散り散りになっていくことへの不安感を音街ウナちゃんの歌声で良い感じに昇華しようとしたボカロックです。

元々は22年7月に開催された「無色透名祭」にshort ver.として投稿した曲だったのですが、個人的にこれも特にサビにおいて切なさとかやっていくぞ!の気持ちが入り混じった感情をうまくキャッチ―に反映できたな~と思っていて大好きな曲で、なんとしてでもフルバージョンで出したかった気持ちがありました。というわけで春休みにフル尺で曲を作り、ギターも大学の先輩であるところのしもぞの(@fortissimo_zono)さんにお願いし、絵も頑張って全身描いて投稿しました。昔の頃に比べればすごくウナちゃんを可愛く描けるようになって純粋に嬉しいです。サウンド面もギターの力もあり無色透名祭verと比べればかなり良くなりましたね。感謝。

この曲で一番好きなのってサビなので、サビの話をします。冒頭の「セイクリッド|ガ~~ル」というBメロの最後の小節終わりに食い込んだフレーズがあるのですが、ここがまず最初に思いついたフレーズです。あとは「この一瞬の感情」、「見落とさないように前いて」のスケール外の音に切なさの気持ちを込めています。それから、「一人は怖(こ)いけど」でちょうどめちゃ高音に跳躍して未来への不安を吹っ飛ばそうとした感じになってるのが好きです。

セイクリッドガール この一瞬の感情を
見落とさないように前向いて笑え
メイクイットアップ 一人は怖いけど
それでいい ゆっくり生きていけよ

セイクリッドガール feat. 音街ウナ 1番サビ

歌詞に関しては、自分は「頑張れ!!!オラオラ!!!」みたいな真っ直ぐすぎるメッセージを送るのに本当に抵抗があるので(鬱病の人に頑張れって言うなってのと似た話かもしれない)、割と「お前のペースでいいから一歩ずつやれ!!」という方向性に持って行きがちで、この曲のサビの歌詞も「それでいい ゆっくり生きていけよ」とか言ってあげてます(ところで今見たら2番サビ割とオラオラしてて全部嘘の話な気がしてきた)
あとは「セイクリッドガール」と「メイクイットアップ」と「シェイクイットアップ(2番サビ)」という韻踏みが存在しており、無色ver投稿後Full verの2番以降を作っていく上で特にシェイクイットアップを発想するのがマジでむずかったのですが、1番でこんだけやった以上2番で引き返せなくなって、頑張って韻踏み抜きました。めでたしめでたし。

一方で自分自身ロックへの解像度がまだまだ低く、これはそもそもの編曲の問題ですがギターもしっかり全体を通して活かしきれなかったところが反省点です。大学入って以降EDMとか変な音まみれのポップスばっかり作ってるので、ちゃんとまともなロックも作っていければなと思います。とはいえ、めちゃくちゃ大好きな曲です。あと本当にJKって神聖な存在すぎる。眩しい。

③2023/04 スプリングガール feat. 初音ミク(合作)

吉田音楽製作所「きっちょんるーきーず vol.1」Tr.02
↓試聴はこちらから。


↓リファレンス

*Luna / Tell Me feat.Macne Nana


2023春M3でのリリースに向け、吉田音楽製作所の新入会員だけで作るコンピアルバム「きっちょんるーきーず」というものが企画され、そちらからリリースした曲となります。

大学同期のすずきみなも(@mnm_1211_)くん(当時はみなみ名義)を22年11月頃に誘い作詞作曲をお願いし、自分が編曲をやりました。春といえばちょうど別れもあれば出会いもあるようなシーズンですが、先ほどのセイクリッドガールがどちらかというと「別れ」の曲だったので、それに対比して「出会い」、「始まり」、「バネ(飛び出していき、spring)」の気持ちでKawaii future bassっぽく仕上げました。

\スプリンスプリン!/

すずきみなもくんは同期の中ではやってる根本の曲想が自分のそれと割と一番い気がしていて(彼はバンドサウンド中心にやってはいますが)、どこかの機会で何かしら一緒にやれたらなあとずっと思ってたので、やれて良かったな~という気持ちです。彼の曲の個人的に好きなところは、一つはあどけなさと良い意味での踏み切れなさが共存したようなメロディーライン(特にBメロ部分、ところでサビはどれもキャッチー)や調声で、彼自身明るい曲もしっとりとした曲も書いているのですが、それがどちらの曲想にも興奮/躍動感はたまた閉塞感/不安感といったところへ反映されている気がして良いな~と思います。あとはただただ歌詞が良いです。自分はこんなに詩的な歌詞を書けないので非常に羨ましいです。一方で全然別のところに魅力があることもあり、そこ含めて良いな~と思います。

「スプリングガール」もまさしくバネのように緊張とトキメキが交差した曲で、彼の作品のもつ良いところをしっかり活かせたように思います。自分としてもドロップ部分を割とうまく組めた気がするので満足です。みなもくんとはまた今後も色々やれたら良いですね。

そろそろ春もまた一周して近づいてきたことですし、ちゃんとMIX等をやり直して誰かに絵も依頼しこれも動画で出せたらなと思います。やれるか分からんけど。

↓一番好きな曲を貼っておく(もっと幅広く聴かれてくれ~)


④2023/04 月に落ちる feat. 音街ウナ(合作)

吉田音楽製作所「きっちょんるーきーず vol.1」Tr.08
↓試聴はこちらから。


↓リファレンス
忘却 / 作者不明 feat. 洛天依


同じく吉田音楽製作所「きっちょんるーきーず vol.1」からリリースされた曲となります。

こちらも同期の繰括(@itklkkl)くん(リリースは糸繰括名義)と春休み頃に進めてた合作で、彼の提唱している「夢曲(超簡単に言うと儚さを帯びた歌モノみたいな説明になると思う)」をやろうということで作った曲です。自分は主に作曲、調声部分と少し編曲を担当しました。

既にできている歌詞にメロディーをつけるといういわゆる「詞先」という自分にとっては初めてのアプローチで作った作品なのですが、ちょっとでも型から外れたときに展開としてまとめるのがなかなか難しくて、非常に苦戦しました。とはいえ洛天依の代わりに採用した音街ウナsugarも儚さの演出に結構ハマってて、結果的に最大限夢曲としてやれたのではないかと思います。

彼は普段はklkkl名義でノイズ、アンビエント的なベースミュージックを中心に製作していて、この分野に関して自分は知見があまりにも無さ過ぎるのですが、とにかく音作りや空間へのしっかりとした拘りがあって、それが新しい曲が出る度により洗練されたクオリティに反映されていて、すごいな~と思います。普段やってることは自分と全然違うのですが、よりクオリティを高めていくことへの貪欲さというか、そういう創作への態度全般も含めてめちゃめちゃリスペクトしています。

秋にはklkkl名義の1st EPも出ました。どの曲もめちゃくちゃ良いので皆買おう。

お互いもっと実力をつけて"夢"概念にさらに近づいたもの、そうでなくても何かしらいつかまたやれたら良いなと思います。

⑤2023/05 プラトニック・トレイン

プラトニック・トレイン 歌詞

大阪大学感傷マゾ研究会 『青春ヘラver.7 「VTuber新時代」』特装版限定CD
1st Single 「Virtual Mirage Seaside Girl」Tr.02
↓試聴はこちらから。


↓リファレンス


続いて大阪大学感傷マゾ研究会さんの会誌『青春ヘラver.7「VTuber新時代」』特装版への提供曲です。自身初の提供曲となりました。

今年の冬頃に竹馬あお(@B2_54cmU)さん経由で話を頂き、あの大阪大学感傷マゾ研究会さんのコンテンツに漏れが……!?という気持ちでウキウキで春休み中に曲の製作を進めていました。感傷マゾって何?という方は以下の記事を読んでもらえればと思います。

もちろん自分も完璧にこの概念を理解できている訳ではないですが、とりあえず簡単に言えば感傷マゾとは、「手に入らなかった/失われた青年期のイデアへの郷愁から生じる苦しみ」と自分の中では解釈しています。

この特装版CDには他にも2曲収録されており、それがすずきみなもくん(リリースはみなみ名義)の「Like a 蜃気楼」と竹馬あおさんの「絵空とうたかた」というようにVTuberという存在の性質に接続したような作品になっているのですが、結果的にそれに対して自曲は感傷マゾ(&青春ヘラ)を中心に掘り下げたものとなりました。制作中は先述のnote内で感傷マゾ作品と位置付けられている作品に触れるなどしてそこから曲の着想を得た部分もありました。

そして、当曲は特装版CDの他2曲と共に京都を中心に活動されているシンガーソングライターのosakana(@osakana_0305_)氏に歌っていただきました。人間の歌声が乗った自分の曲を聴くことでまた人間だけにある魅力みたいなところも再認識できました。今まで合成音声に歌わせることを想定した曲しか作ったことのなかった自分にとってはこれまた非常に刺激的な経験でした。

関係者の皆様、既に手に取ってくださった皆様にはここでお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

↓青春ヘラver.7「VTuber新時代」はこちらからお買い求めいただけますのでよろしくお願いします。(2023年12月28日現在、特装版は在庫がない状況のようです。)


⑥2023/05 なんでもねいしょん!!! feat.可不

なんでもねいしょん!!! 歌詞

吉田音楽製作所「月刊吉音190号」 Tr.21
↓試聴はこちらから。


↓リファレンス


ジャンルとか歌詞とか色々ハチャメチャなのがやりたくて作った電波曲です。ユーロビートとかドラムンベースとかジャズっぽいのとかなんか色々混ぜてます。特にサビは4536でしっかりとキャッチーにハマっている感じがして気に入っています。なんかこの曲だけあまり話すことなくてワロタ!

きびしい世界を生きる人たちに、頭空っぽにしても摂取できて元気になってもらえるおかゆみたいな曲を目指していましたが、無事そんな曲に仕上げられたのではないかな~と思います。この曲に関する話だけやたら短いのも中身がありそうでそこまでないからです。お疲れいしょん!!!

⑦2023/08 アイマイ・ディファレンシエート feat.可不&花隈千冬

アイマイ・ディファレンシエート 歌詞

ボカコレ2023夏参加曲
”―創作主体、価値、嗜好― その全てが微小化し、曖昧になっている。”


↓リファレンス

Σ / Decider feat. 初音ミク・v flower


夏頃に購入したSpireというソフトシンセをベース部分を中心に存分に活用してRussian Hardbassの要素も取り入れながら、近年頻繁に取り沙汰されている生成AIとそれとの向き合い方や、創作物の消費傾向といったところをテーマに作った曲です。ボカコレ2021春投稿の、積分をテーマとした「インテグラル・ディエフェクト」に対するカップリング的な位置づけの曲でもあります。(integrate↔differentiate)

テーマがテーマだったのと、メタ的な話ですが制作期間の都合上初めて動画部分にStable diffusionを用いてみました。ボカコレのMVでも最近Stable diffusionを始めとした生成AIによる1枚絵の使用が目立ってきていて、実際に最近の生成AIの出力のクオリティとカスタマイズ性の高さには驚く一方なのですが、主に自分の知り得ない作品の要素を吸収した画像を自分の手で選択する過程で個人的に強い違和感を覚えたので、自分としてはMVに使うことはもうないか、やるにしても使い方は大きく変えると思います。

この曲のメッセージの根幹に関わる部分でもありますが、生成AIの進化や利用も、それに伴う創作物のハードルの低下の流れも止められるものではないので、個人としてはそれに抗える強い創作者になるかうまいこと共存の道を探るしかないよなと思います(一体どうなる?)。

新しいものは音楽に取り込めた一方、サウンドの質や映像面、メッセージ性ともに詰め切れてない感は自分でも否めず正直なところ後から個人的にはあまり好きじゃなくなってきたのですが、記事の最後にも言うように自分の創作スタンスについて方針を見直す良い転機となった作品なので、そういった点では作る意味のあった作品だとは思います。というわけで一応今のところネット上に残すつもりではあります。(とはいえ気に入ってくれた人がもしいたらそれはそれで本当にありがとうございます。)

⑧2023/08 テッタッテ・プリンシプル feat.音街ウナ&初音ミク(合作)

テッタッテ・プリンシプル 歌詞

ボカコレ2023夏参加曲


↓リファレンス


春に製作した「スプリングガール」の時と役割を入れ替え、作詞作曲ゆうよ、編曲すずきみなもで行った合作です。動画部分も自分が担当してます。

元々はプロセカ ULTIMATE公募に出すことを目指していた曲だったのもありBPM200だったりサビで三拍子っぽいのが挟まったりなかなか忙しい曲なのですが、本当にみなもくんが上手くまとめてくれておりBIG感謝です。メロディー投げたら確か5時間ぐらいで結構出来上がったデモが返って来て怖かった。

先ほど紹介した「アイマイ・ディファレンシエート」との同時投稿だったのですが、あちらは創作物の大量生産/消費とかの話をしていたのに対して、この曲は身の回りの人間一人一人に対して真っ直ぐ向き合うような曲です。めちゃくちゃ簡単に言うと「お前の代わりなんていくらでもいる!」「お前じゃなきゃだめなんだ!」っていう違いです。だからなんだという感じではあるかもですが、一応そういうテーマの対比が裏であったりします。

今SNSを見れば勉強も絵も音楽も上位互換がゴロゴロでてきて、それでいて自分だけには何もないように覚えるからしまいにはなんとなーく孤独感や疎外感が生まれて苦しい~ってなってる人、少なくないと思います。

自分もその一人なのですが、ちゃんと胸に手を当てて考えれば特にすごく秀でたところがない自分のことだって愛してくれる人はいるし、逆に別に何もないけどとりあえずただただ大好きな人もいっぱいいるだろうし、人間関係って実際そんなものなはずです(ビジネスとか絡んで来たら別だけど)。好きなものとか考え方が近いから好き~とか、優しくしてくれるから好き~とか、普通に所属が近かったから気づいたら好き~とか、血が繋がってるから愛~とか……。

そういう人間との普段の向き合いの根源的なところも作品に落とし込んで向き合ってみたい気持ちがずっとあります。先ほど話した「セイクリッドガール」のBメロの歌詞とかも割と人間との根源的向き合いの話をしてるかも。

お前がそこに居るだけで愛なんだよ!

世界の広さはよく分からないままでいる
このカバンに詰め込めても溢れ出してもいいから
どうせ君しか勝たんから

セイクリッドガール 1番Bメロ

なんかこう、成長って確かに楽しいけどそれだけに囚われると何かと毒になる部分も多いですからね。もっといい塩梅に目を逸らせたらいいな。

2022年秋にもミクウナの組み合わせで「ソルティ☆ドロー」という曲を投稿したのですが、個人的にこの二人の組み合わせには勝手に可能性を感じています。

2曲とも音街ウナのSpicyの声を使用しているのですが、picco氏とAdomiori氏の「Eternally idol」みたいな初音ミク&音街ウナ(Sugar)の路線もいつかやれたらなと思います。

⑨2023/09 Chase the Lights(合作)

吉田音楽製作所「きっちょんぱーてぃ! ~combination-compilation~ vol.3」Tr.05
↓試聴はこちらから。

吉田音楽製作所では毎年恒例となりつつあるのですが、会員を4人前後のいくつかのグループに振り分け合作をしてもらい各グループでできあがった曲が集められたコンピアルバム、通称「合作コンピ」の第三弾です。

一応会員の得意だったりやりたいジャンルを考慮してグループは編成されるのですが、自分は合作の面白さを「元々一人で作れそうなものを人とやる」というより「一人では作り得なかった予想外のものが他人との化学反応で生まれること」自体に見出しているところがあるため、編成されてから何やるか考えるか~みたいな気持ちで臨みました。

結局変拍子ロックをやることになり、自分は調声・編曲担当だったのですが、作曲部分はメンバーのにとろ(@NitoroTheDragon)くんが天才的なメロディーラインを組んでくれ、7Azくん(@7Az97)がそのメロディーの複雑なリズムを汲んだ良い歌詞をつけてくれ、しもぞのさんが最凶のギターフレーズも最強に仕上げてくれて、私が申し訳程度にコネコネした結果、最終的にめちゃくちゃすごい曲になりました。自分マジで何もしてない気がするのですが、何はともあれ良い曲になったので良いと思います。

ちなみに第三弾にしてジャケット部分も合作するという試みが初めて行われ、自分は左側から2番目の女の子を描かせてもらってます。こちらは6人での合作となりましたが、かなり良い感じにまとまってて良いですね。

今回の合作メンバーの曲も1つずつ紹介しておきます。

「濁る / にとろ feat.シェリングフォード」
まじでこれ本当にどうなってる????天才すぎる。無色透名祭の曲でかなり伸びてましたが、本当に至ってそれが真っ当な評価だと思います(むしろまだ足りないかも)。もっと他の曲も幅広く聴かれてほし~~

「空色晴歌 / 7Az feat. 双葉湊音」
作曲歴1年とちょっとだったと思いますが、歌詞は毎度完成度が高かったうえで毎回メロディーの組み方、詰め方が着実に上手くなっててすごい。2024年1st albumが出るとか出ないとかいう話らしいので、皆買おう!


⑩2023/09 未熟demoミュージック feat. 夏色花梨

吉田音楽製作所「概念アニメコンピ」Tr.02


↓リファレンス


秋M3での頒布に向け吉田音楽製作所内で先ほどの合作コンピと同時並行して行われていた概念アニメコンピに寄せた曲です。今回もギターをしもぞのさんにお願いしています。

この作品でついに初めてSynthVを導入しました。まだ夏色花梨しか持っていないのですが、しゃくりとかビブラートとか基本的な調声がすごく簡単にできたので驚きました。それでいて安定して歌も上手すぎる。

王道アニソンとかアイドルソングとか、作編曲共にめちゃくちゃ自分の苦手な分野なのですが、この曲に関しては作曲部分はかなり上手く行った気がしています。

そして、「コンファメ進行」と呼ばれるアニソンなどで頻出のコード進行を初めてサビで使ってます。コンファメ進行に関しては正直まだまだ自分の中でメロディーに幅を持たせられていないので(特にセカンダリードミナント部分とかどうしても9483209483番煎じのメロディーになる)、今後も色々聴いて勉強したいなと思います。

あとは「未熟demoミュージック」というタイトルですが、「demo」には「デモ版」と逆接の接続詞「でも」が掛けられていて、「未熟」と「ミュージック」の響きが近いのもポイントです。
実際この曲の内容も「まだまだ未熟な曲しか作れないけど、頑張るよ~!」みたいな感じの話でタイトルと対応しています。作詞は苦手なのに言葉遊びは大好きなのでしょっちゅうこういうタイトルが生まれます。

アニソンコンピなのを言い訳に1番で終わらせてしまったのですが、元々フルで製作するつもりでいたので、ゆくゆくは雪乃イトさんみたいな感じのキラキラとした動画を出せたら良いな~と思います。(いつになるやら。)

⑪2023/10 絶えぬfuture(合作)

絶えぬfuture 歌詞

第65回京都大学11月祭テーマソング

11月に行われる京都大学の学祭、通称「NF」と呼ばれるものがあるのですが、2021年度から毎年運営がNFのためのテーマソングを京大生から募集しており、そこに応募した曲です。結果的にめでたくテーマソングに選んで頂きました。ありがたすぎる話。

夏ごろに同期から「一緒に作って応募しないか」と声をかけてもらい、自分は作詞を担当することになり、結果的に同期5人による盛大な合作となりました。

自分は歌詞しか作ってないので、歌詞の話をしたいと思います。最初に作編曲のすずきみなもくんから送られてきたデモがHyperpopみたいなえげつない歪み方してて(結局意図してない感じに書き出されてたらしい?)、でも自分は耳が悪いので、普通にエネルギッシュでぶっ壊れててサイコ~~~!!!と思い、このサウンドを活かしてこちらとしても強いメッセージ性を込めねばという気持ちになり、多分今までで一番深く歌詞を考えました。(あとタイトルも)

2022年度のNFは厳しい入構制限の影響もあり、他所と比べてとても大学の学祭とは思えないほどにかなり酷く閑散とした状況でした。自分としては、これで学生文化の復活!!みたいな感じで来年以降もこのまま続いていったら非常にまずくない?と思っていて、今後数十年どうなっていくかで考えると実は今年が一番大事なんじゃね?と思っていました。ということで、そんな学祭の状況とかはたまた現代の政治とか社会的な世相とか諸々込めた現状打破みたいなメッセージを、歪みサウンドに乗せて適度な攻撃力をもたせつつも、良い感じにオブラートに包んだつもりで書いたのがこの曲の歌詞です。

毎年変なものが選ばれて世間を賑わせている(?)ことで知られるNFテーマですが、今年も例に漏れず「ぬ」なんてものになり、ありがたくタイトルでも歌詞でもふんだんに使わせてもらいました。「ぬ」のおかげで適度な緩さが出せた気がするので感謝しています。ありがとう、ぬ。

2年前のNFテーマソングの「リスティラ」もコロナ禍の情勢を汲んだ作品だと思うのですが、今回特にメッセージや歌詞の部分でこの作品もかなりリスペクトしており、「リスティラ」を「再会(/開)、歩み出し」として位置付けるなら、「絶えぬfuture」はその先の「完全復活へ」みたいな気持ちがあります。

↓良い曲すぎるので、聴いてみてください。

結果的に2023年度のNFは特に入構制限もなく、殆どコロナ前の盛り上がりを取り戻していたらしいです。自分はコロナ前のNFを知らないのですが、少なくとも昨年に比べれば全然盛り上がってたのは確かなので、本当に良かったな~と思いました。NFの最終日の夜には締めとして4年ぶりに「FIRE」という行事も行われ、この時も人がいっぱいいました。この光景見たときは普通に今年一番涙でかけてたかもしれない。

NF最終日の「FIRE」

おれが見たかったのは、これだったんだよなあ?

今回の合作メンバー(の内、まだ紹介してない人達)の曲も紹介しておきます。
歌唱担当:Salica(@salica396)
「006のカナリア / Salica feat.星界」
自分でMVも全部作ってるタイプの人です。自分は諦めた路線なので、是非とも彼にはその路線で今後も継続してほしいです。近年は無色透名祭曲も含めて切り刻みに力を入れている様子で、他にも色んなサウンドに挑戦していることも含め本当に偉いと思う。

MIX&Mastering担当:oshinko(@oshinko_music)
「Night Assault / oshinko」
EDMやしっとりとしたロックを作っている人です。MIXやマスタリング面の知見と楽曲のクオリティの高さにはいつも脱帽するばかりです。そして早くボカロオリジナル曲でもネットに進出してほしい。(漏れも早くPhonk作りたすぎる!)

⑫2023/10 生命線がちぢんでる! feat. 初音ミク

生命線がちぢんでる! 歌詞

無色透名祭Ⅱ参加曲


↓リファレンス


サウンド的にはもちうつね氏をバリバリに意識した曲です。一体どんなジャンルを名乗れば良いのか分からないのですが、ひとまず瀕死系ボカロということにしておきます。

昨年に引き続き無事2年連続で無色透名祭に参加できたのですが、当曲は現時点でマイリス、いいね共に自己最高を記録しており、まだまだ至らない点はいっぱいある中で、最大限良い評価をしていただいたと受け取っています。本当にありがとうございます。

自分はサビのキーフレーズから新しい曲を発想することが多いのですが、今回も例に漏れずそのパターンで、春休み、帰省に向かう夜行バスの中で「生命線がちぢんでる~」を思いつきました。

あまりこの曲に関しては他に特に話すことが無いのですが、私の生命線は縮んでるというか、ほとんどないです。以上。

助けて!

最後に そして2024年の展望

今年は12作中5作が合作、他に2作でギターをお手伝いしていただき、1作が楽曲提供ということで、今までと比較して何かしらで他の人と関わってる作品が格段に多かったな~と思います。全部一人でやって一人で済ませるのもそれはそれで良いのですが、他の人と取り組む創作も予想できない可能性の塊で楽しいので、そういう意味では良かったな~と思います。

一方で2023年は一応その都度やりたいことをやっていたつもりではありますが、振り返ってみると作風とか根幹部分のメッセージ性とか色々迷走してたなという感想が強く、ここは一つ大きな反省点ではあります。ただ、これまでの作品群を見返したことで、そして夏のボカコレ辺りを転機に自分のやりたいことが段々明確になってきつつあるので2024年以降は単調にならない程度に突っ走っていければと思います。

2024年は学部3回生となり、自分は理系なので主に学生実験の影響で創作時間の確保に関してかなり危機的な状態なのですが、体力とパッションで立ち向かってなんとか創作活動も精力的に継続していきたいと思います。というか学部4回以降も人生的な意味で休めないので、2024年こそが自分にとっては正念場だと思ってます。そんなわけで現在実は裏で一つデカプロジェクトをこそこそ進めていたりします。お楽しみに。頑張ります。

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