7/7 深夜料金

二十二時半、やっと山形に帰ってきた。

この前できたジョリーパスタへ夫と行ってみる。

パスタだけじゃなくて、ピザもあった。

「ピザも頼もう。ミニサイズのピザにドリンクバーついてるセットだとお得だよ」

夫にそう言われ、クワトロフォルマッジを選ぶ。 

パスタはカルボナーラにした。

お腹に優しそうだったから。

ピザは、ぱりっぱりに薄くて小さくて、これは二切食べれた。
 
チーズとはちみつの組み合わせを考えた人、すごいよな。

チーベル賞(チーズノーベル賞)をあげたい。

パスタの味はよくわからなかった。

先生によると、うつの症状かもしれないらしい。

ごはんを食べなくては、とは自分でも思っているんだけど、少し食べただけで吐きそうになってしまう。

生きるのを拒否しているみたいで、私の気持ちとはリンクしているなと思う。

結局、パスタも三口くらいで気持ち悪くなっちゃって、あとは全部夫にたくした。

デザートも夫が二つ頼んでいたので少しだけ食べてみる。夫はカッサータの皿を自分の方へよせる。

クレームダンジュ。

私の方に寄せてくれたデザート。

見た目は、丸めたティッシュみたいで少しだけ不安になる。

でも、まわりの薄い羽衣をはがしたら、クレームチーズみたいなかたまりがあらわれた。

そこにベリーソースをたらす。

色がきれい。

ぴかぴかだ。

スプーンですくって口へ運ぶ。 

生クリームとクリームチーズの間のやつ、みたいな味だ。

既に吐きそうなくらいお腹がいっぱいなので、夫の方へ皿を動かす。

「なんか食べたことあるな……」

そう言われ、私もなにか似たようなものを食べたことがあるような気がしてきた。

「……あっ、だがしのやつ？」
と私。

「それだ！ それ！」
と夫。

「モロッコヨーグルト！」
と私が言うと、二人とも謎が解明されて安心した顔になった。

ぐぐったら、モロッコヨーグルトじゃなくて、「モロッコヨーグル」だったのにも二人で笑った。