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個人的な教育の話18 信州産ソルガム(モロコシ)から見る人生の「黄金時代」

テレビを観る
 朝は7時に起きて8時半頃まで、ルーチンワークしながらNHKを観ている。この時、好き嫌いもなく雑多な日常の情報が飛び込んでくる。
無駄なようだが、この雑多な情報の中にたまに面白い話がある。

 昔、転職し起業した会社で働いていた頃。そのワンマン社長が
「経済新聞ばかり読んでいるより、外回りした方が仕事になる」と言っていた。
偏った鳥瞰図より、現場で人の本音や雑多な情報を直に掴む事が重要。そんな事を言っていたのだろう。

情報の多用性
 社長は、昭和そのももの営業マンだったが、その通りだと今は思う。
カタカナで、大型モニターの前で、綺麗に並べられたビジネスメソッドより、心に残っている。そこには長年(数十年)の経験値が入っているからだと思う。 

 この歳になって思うのだが、ネット、YouTubeなどで好きなものばかり観ていると、相当偏った思想回路にっていく。
その結果、ステレオタイプの頭になっていく。

 多様性が重要と言いつつ、偏った情報ばかり見て、偏った人付き合いをする。そんなパラドックスが起こる。

 こうなると、情報供給側の洗脳は簡単になる。昔は恣意的なセミナーなどで、囲い込みして洗脳していたが、今は自ら染まってくれる。

 自分もネットを見過ぎて、そんな状況に陥っていた。今思うと病気に近い。
しかし、まったく仕事に無関係な趣味、損得、コスパなど入り込む余地のない趣味がそこから助け出してくれた。

 自然と向き合うアウトドア・スポーツで、自然と対峙する人々と会って、話していると、その呪縛が溶けた。

 音楽のバンド活動も同じ効果があった。
メンバーが大学病院の医師、大学教授、開業医、看護師、外資系医薬品メーカ、NPOでの子供劇団、私は情報、設備システム、学校システムの設計。
常識が違う世界がいたる所にある。

「はて?」「何か違うぞ」となる。 

ネット広告
 ここ10年程だが、ネットもテレビも神経に障るステレオタイプの広告が多い。それにウンザリしている。

 おそらく膨大なデータで最も効果的なパターンで作られていくのだろう。
コスパのいい広告、注意を引こうとする広告。金太郎アメのように作り出される。

 特にネット広告は異常さを増している。同じメソッドから同じ様なインチキ、つり広告などが垂れ流しだ。規制もない。

 最近流行のAIの描く、存在感の全くない美男美女の顔と同じで、特別なパラメーターを入れない汎用のビックデータからは最終的に中央域のものしか出てこない。
稀少価値のあるものは簡単には出てこない。 

 そんな時代、たまにNHKのネイチャー系のドキュメンタリーなどを観ると落ち着く。
「いい番組やっているなぁ」今更ながら思う、儲け度外視で作っている。

 ここNoteも異様な広告がないので、使っていて疲れない。
でもプラットフォームの提供側として、何かで利益を得ているはずで、そこが少し気になる。

信州産ソルガム(モロコシ)
 NHKの朝の報道番組。そこでの特集で、「信州産ソルガム」が紹介されていた。

​信州産ソルガム「人と地域に優しい穀物」^^^^^

 栄養価が高く、グルテンフリーのアレルギー対応食材として注目され始めています。
特別な機械も使用せず、農薬も使用せず、信州の山間地域でも立派にたくましく育ちます。
田んぼをやめたおじいちゃん、おばあちゃん。
週末農家にチャレンジするサラリーマン。
家庭菜園と家事を頑張るママさん。
多くの生産者の皆さんが丹精込めて育てています。
^^^^^^

移住者
 その特集の中で、ソルガムの専門農家として生活しようと、長野県へ移住した商社マンが紹介されていた。
実はその家族の子供の一人が小麦アレルギーで、その対策として会社を辞め、ソルガムを作ろうと長野へ移住したのだ。

 親は子供のためには思い切った行動をする。人は自分の為だけだと思い切った行動はなかなか出来ない。つくづくそう思った。

黄金時代
 私も家族の為に、大手企業と言われる会社を辞めて、転職した。教育環境を変える為に引っ越しもした。家族は原動力となる。
一人だと絶対に、だらだらと好きな事を続けて人生終わっていたと思う。

 お袋が87才の頃だ。癌治療で通院していた。既に歩けない。そんなお袋と、病院のロビーでタクシーを待っていたときだ。
近所に保育園があるのか、窓から子供を自転車に乗せて送り迎えする母親達が見える。

 「懐かしいねぇ、あの頃は」と独り言。顔には笑みがある。私の顔を見ているのだが、目が遠くをみている。きっと、あの時代に記憶が飛んでいたのだろう。その2年後にお袋は亡くなった。

 私も子育てのピークは過ぎている。今振り返れば、あの時代、生活は厳しいけど、人生の「黄金時代」だと言える。
家族の為に無償で尽くし頑張れる時代。「100%パワー全開生活」
それは得がたい喜びだった。

 戦後、家制度がなくなり、核家族化、個人主義、市場主義となり、戦後80年となる。
教育は「百年の計」その言葉通り、人の価値感が知らぬ間に大きく変化している。

 この時点で、もう少子化は止まらないだろう。いい歳した裕福なばあさんが「孤独は素敵」と言う本を書く時代だ。
それを言ったら終わりだろう。誰だってお金があれば1人が楽だ。家族はコスパ的には最悪だ、でもね、そこには「何かあるよ」
「愛」とも言う。

シフティング・ベースライン・シフト
 これも、私の中に常にある考えだ。家族を作るということの意味が徐々に劣化している。私は劣化だと感じるが、つまり違う考え方にシフトしている。

「it's too late」
「シフティング・ベースライン・シンドローム」という言葉がある。
 日本語では(移り変わる基準に左右される症候群)と言う意味だ。
この言葉を耳にしたとき、家族のあり方において、私が漠然と考えていたことに合致ている点に気づいた。

 なんだかんだ言って、結婚しない、子供を作らない、コスパ重視の世の中、アトムの子供、それを80年かけて親と社会で作ってきた。

 少子化対策だけど、今更、制度の変更や補助金程度を配っても、おそらく抜本的な解決は出来ないだろう。家族<個人の価値観。老人が「孤独が素敵」と言うまでになっている。

 一つの番組からさらに妄想 バタフライ・エフェクト
 長野県、山梨県でも使わない田畑にソーラーパネルが広がっている。30年近く八ヶ岳方面へ通っているが、最近は特に多い。異様な光景だと思う。
そう思わないのは、自然環境のあり方のベースラインがシフトしているのだろう。 

 私は、その代替え策として信州産ソルガム、このような活動にCO2削減ポイントを付与する。そんなアイデアを提案している。

 しかし、市場主義へシフティングしている時代の中で、実現にはほど遠いだろう。CO2削減の為にモノを作る。売る。捨てる。
マッチポンプビジネスが常識となっている。実際これが一番儲かる。ダイエット、健康グッズと同じだ。

 だから農地、園芸、庭、土が食材に替わるシステムを作っても、いいのではと思ったりする。


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