見出し画像

バタフライ・エフェクト 最後にCO2の固定化プロジェクトとなる 

 最終的に「バタフライ・エフェクト・プロジェクト CO2の固定化プロジェクト」の提案となる。
でも題目はバタフライ・エフェクト、ますは私の事象から始まる。

バタフライ・エフェクト1
21世紀 所属した部の業績悪化
 私の所属していた半導体プラント事業部。その業績が21世紀に入ると、急激に悪化し、ついに事業部が解散した。
親会社が2000年に入ってから半導体不況に襲われ、予定された半導体プラント建設が次々と頓挫していった。それが一番の要因だった。
また、中韓のこの分野での台頭も要因だ。

 私はそれから流浪の旅にはいる。
プラント屋からインターネット事業部、プロバイダー事業部の新規立ち上げに参加する。

 しかし、激しいプロバイダーの事業拡大競争の中、資本を注ぎ込まないで、頑張れとしか言わない会社、当然顧客獲得出来ず沈没する。

 その後、私はITインフラの営業を担当する。営業なんて初めてだった。
その時、サリーマン生活20年目だった。
 大手の総合電機メーカーを親会社とするエンジニアリング会社において、私は6度目の転籍だった。
この時点で、出世は望めない消耗品になっていた。

 既に44才(2001年当時)、子育て真っ最中、私は子供の教育と教育費絡みのライフプランを考えていたが、手詰まりであった。

 会社の上層部は新しい時代の流れについていけず、思いつきで組織をいじり回していた。仕事の内容が変わらないのに、1年間に3度も部署名が変わる始末。これでは自分の将来が安定しない。

 ライフプランのお金と仕事、そのベースがぐらぐらしている状況だ。
子供3人の教育費を稼ぐ方法は他にないか?
そんな切羽詰まった状況だった。

バタフライ・エフェクト2
出会い
 出世も諦めていたので、私はその頃から好きに仕事をしいた。その影響で親会社や下請け会社の友達が増えていた。
そして自分の会社組織の命令系統から離れて独自に営業をした。報告は適当にしていたが、仕事は取っているので、文句は言われなかった。

 そんな不毛な日々をすごしていた頃、何処かの駅において、有楽町で開催される九谷焼の展示会のポスターを見ている時だった。

不思議な出会いだった。
 たまたま電車を一緒に待っていた親会社の総合営業部のT部長が話かけてきた。
「お前、九谷焼に興味あるのか」たまたま、昨日、NHKの特番を観ていた私。
「五彩の色づけが難しいのでしょう?」と知ったかぶりを答える。
「そうか、よく知っているなぁ、お前、今から見にいくか」と話が弾み、その後、やたらと仕事で呼び出されるようになった。まるでT部長の部下のような扱いをされていた。

 面倒だったが、それでも珍しいタイプおっさんなので、私も新しい仕事に興味もあり、断ることもせずに出張、食事会、飲み会に顔をだした。

 そして、親会社の費用でアメリカ、フロリダへ出張し、フロリダ大学などの情報システムを視察した。全く自分の会社業務の指揮系統から外れた視察だった。

 そこでは普段、滅多に会えないような人達を紹介された。また新しい情報システムも知る事も出来た。

 何であんな破天荒な事が出来たのか、それは親会社の威光、社外においての私の人脈によるものだった。
給料は主任だが、態度は部長。それが当時の私だった。

バタフライ・エフェクト3
ベンチャー企業の立ち上げ 
 そんなことをやっていた時、会社は利益が上がらないので、次はリストラ策にでた。まだ余裕があったのか優遇処置のある早期退職者を募集し始めた。

 当然、私は早期退職を考えた。
そして、偶然化必然かT部長が私をリクルートした。
「お前、とにかくやってみろ、上手くいったら会社にする」

 最初なにを言っているかよく分からなかった。実はT部長は自分の将来のため、または自分の持っている医療法人の税金対策のためか、株式会社を作っていた。
しかし実行部隊がいない状態だった。この会社を一人前にしたい。

 そこで私に声をかけたようだ。私は言われた言葉を信じた。どのみち今の会社に未練はなかったこともあり、その話に乗った。
早速、早期退職の手続きをした。自己都合でないので、失業保険は直ぐにでた。

 それでも状況としては、子供3人、家も東京郊外に購入し、ローン35年、失業中。端から見れば破滅への道を歩んでいるようだった。

 当時、これでも勝算ありというラフプランを作っていた。
平成の教育と教育費 (ライフプランの第1章が終わった)

 この状況を正直にT部長に話すと、通勤に便利な神保町のビルに小さな事務所を用意してくれた。何もない空っぽの事務所、電話やネットを引き、中古の什器も買い、事務所を作り始めた。

 私はそこで1人、約7ヶ月、無給で、会社組織をサーバ・クライアントとインターネットを駆使して構築した。
今で言うIT企業だ。それもIoT(設備システム)向けのITインフラ会社で、元々設備技術屋である私には合っている分野だった。

 同時にT部長と一緒に営業も進めた。専門書へ広告、御用記事、技術文書も投稿し、とにかく認知度を高めた。ホームページも開設した。

 まだ大手電気メーカーの威光もあり、T部長の力から大きな仕事を一つ受注した。
受注後、親会社や協力会社、友人達の協力もあり仕事は大きな利益を生み。会社を軌道に乗せた。

 普段、仕事以外でも遊んでいた社外の仲間達、仕事は筋を通してやり、色々な所に関係を持ち、仲間を大切していた。そんな人的投資が効いていた。今で言う社外活動が効果的だった。

 無給だった期間の給与は、会社が軌道にのった年末に一気に支払ってもらった。年を越えると税金が凄いことになる。お金の管理もその時、基本は学んだ。
その後、いくつかもの危機を乗り越えて20年間会社は存続した。
今思えば「これを失敗したら明日はない!」そんな仕事ばかりだった。

バタフライ・エフェクト4
第二の人生の始まり
 時は経ち2021年夏、コロナ禍の中、65才の誕生日前に、長年高負荷で働き、遊び、子育てしていた心臓が壊れてしまった。しかし趣味のトラアスロンで鍛えた心臓のおかげで生き残った。

 会社は高齢になったワンオーナーのT社長(あの部長)の決断でその年の夏に解散した。すでにIoTのオンプロミスのシステムはオワコンでもあった。
クラウド主体のGAFA時代には抗えない。

死ぬまで自由だ!
 取りあえず、旅行とアウトドア三昧。バンド活動も復活した。
その前から、宮仕えではないので、自分都合で遊びはしていた。
メリハリのある生活で、非常に忙しかった。

シー・カヤックの冒険 クジラの化石が眠る島(沖縄 岡波島)

バタフライ・エフェクト5
シフティング・ベースライン・シンドローム
 リタイヤ後の遊びの日々、楽しいが少し飽きてきた。そこで会社解散前に思いついた事業案を思い出していた。それは環境ビジネス。
ビジネスというより、自然環境がここまで劣化しているとは思わなかった。

 仕事を離れて、地元での地域生活者となった。またアウトドアの旅で、日本の過疎地を歩くと、その劣化の酷さに気づいた。

シフティング・ベースライン・シンドロームの恐怖だった。

CO2削減ビジネスの問題点 
 現在、CO2削減を掲げているビジネス、その多くがモノを作り売ることによるビジネスだ。

 CO2の削減の為に、EV車、太陽光発電、完全空調の建物、それ単体で見れば効果がある。しかしデメリットも多い、工業製品を作ることは行き着くところ環境破壊だ。

 排熱するエアコン、各種電気を使う機器類、廃棄する電池など環境破壊に荷担している。
私達は便利で快適な生活を守りながらCO2削減する。これがマッチポンプだと理解している人は多い。
それでも社会がそのシステムで動いているので、それに流されるしかない。

 木々や土のない街を作る都市計画。太陽光発電パネルはあるが、庭や土のない完全空調の一戸建て建築。
緑化によるCO2固着が一番簡単な対策なのに何故複雑にするのか、それはある一部の人達が儲けるためだ。そんな矛盾を毎日遊びながら感じていた。

散歩のひと 郊外の一戸建ての変化  本当にサステナブルな建物とは

 地方の過疎地でアウトドア遊びをしながら、地元の旬の食材を使った料理を食べる。
そんな私がCO2の固定化の可能性、偉そうな事を考えている。
でも、人は生きていれば美味い物を食べたい。それなくては人ではない。
人生は食だ。スローフードだ。その辺りに思いを馳せていた。

自然から食料を調達する方法

散歩のひと 多摩ニュータウンとスローフード

 現在、食の供給は安価なコンテナ輸送の農作物を使い続けている。
CO2が問題といいつつ遠方から食品を運ぶ矛盾。これも輸送費が高騰する昨今、ビジネスモデルとしては方向転換があるかも知れない。

 これらの打開策は地元で作って食べればいい、そして美味い。
スローライフの実践だ。それがCO2の削減となる。
「でも普及はさせるにはどうする?」
それが難しい。

 その方法が「バタフライ・エフェクト・プロジェクト」となる。ようやくここまで辿り付きました。
「ここまで読んでくれて、ありがとう」

バタフライ・エフェクト6
里山 バタフライ・エフェクト・プロジェクト
 会社解散直前にこの新しい事業を考えていた。社長Tの友人が会社を引き継ぐという案もあったので提案したものだ。

 このCO2固定化プロジェクトの特徴はメルカリ的な運用拡張だ。頭に里山をつけた環境プロジェクトとなる。

里山 バタフライ・エフェクト・プロジェクト
CO2の固定化プロジェクト
 

里山 バタフライ・エフェクト・プロジェクト フロー図

目的:国内の農作物を売ることでCO2を削減する。またはCO2を固定化する緑化なども含む。

方法:その代価として電子コインを発行する。 
このコインで、このビレッジ内の農作物の取引ができる。
コインはCO2削減することで個人でも得られる。メルカリのポイントのようなもの。

 その一連の活動でさらもポイントを得られる。そしてCO2を固定化していく。

1 SY-Coin (里山-Coin)
 SATOYAMA BUTTERFLY EFFECT VILLAGE内で流通するコイン(電子マネー)将来、現金化は可能としない。するとろくな事がない。

2 個人で活動する
 太陽光発電など、新エネルギーなどのインフラを使ったCO2削減方法は除く。基本はこれをやらないためのシステム。

 家庭菜園、庭作り(ビオトープ)、衣料品のリサイクル。ゴミの削減。色々な活動をポイント化して、SY-Coinを発行する。
最近、自分達はサステイナブルだけど、自然環境に優しくない一戸建てが増えているので、家庭緑化計画も進める。

バタフライ・エフェクト7
廃校プロジェクト

 パイロットプラントとして廃校を活用する。地域のホームベースとして利用する。

 リサイクル活動、菜園化、ネットシステムの拠点。
CO2の削減システムの研究サポート、成果に対して  SY-Coinを発行

どこの廃校を使う
 日本で過疎化が特に激しい場所で、自然が素晴らしく、仕事の利便性から飛行機移動が可能な場所。メガソーラーのターゲットとなるような地域がいい。そしてメガを阻止する。緑地や農地とする。

 私の心の故郷の天草がいい。提案時にはそう思っていた。苓北あたりで出来ないかと考えて何度か天草へ行った。
結局シーカヤックをやりにいっただけとなるが、地元に知り合いは出来た。

天草の海 あまりにも良い場所なので、遊んでばかり。

提案の実現について
 実の話、2021年夏、私が倒れて入院、リハビリしている間に会社が解散した。事業を引き継ぐ会社も頓挫してしまった。
それでもパソコンにまだデータが残っていたので、ここで整理してみたのが以上の内容だ。

 リタイヤ後、仕事や世の中を客観的に見続けたここ2年ほど、SNSやネットも盛んに見て、論客らの意見にも耳を傾けたが、本も読んだ。
日本も旅した。やはり、そこには市場主義の思想が入り込んでいる。
それコスパいいの>儲かるの>自然環境を守る こんな優先順位となる。 

付録として
 
東京都の緑化、森林化によるCO2の固定化の可能性を考察
緑化 rewilding(再野生化)の目安にでもなればと思い追記した。

検討考察(参考)ーーーーーーーーーーーーーーー

1.世界のCO2排出量
国際エネルギー機関(IEA)は2月11日、世界のエネルギー部門から排出されるCO2の量が2019年は過去2年続いた増加傾向が停止し、2018年実績とほぼ同レベルの約330億トンだったと発表した。

2.排出されたCO2の行方
大気中に放出された二酸化炭素はどうなるか?
大気中に放出された二酸化炭素は、一部が海洋や陸上の植物(植生)により吸収され、残りが大気中に留まる。

1750年から2011年までの人為起源の累積二酸化炭素排出量(555GtC※)のうち、約40%が大気中に蓄積(240GtC※)し、約30%が海洋で吸収(155GtC)、残り約30%が陸上の生態系に蓄積(160GtC)している。
※GtC(ギガトン炭素)…炭素換算での排出量。1ギガトン炭素(=10億トン炭素)は、二酸化炭素を構成する炭素が10億トンあることを表す。

森林での吸収--------------------どんな程度の削減かを考察
以下地球生物圏における二酸化炭素固定量に関する研究からのCO2の固定量
熱帯雨林 2200g/m2 年間
1トン削減に 455m2 森が必要
常緑樹林 1300g/m2 年間
1トン削減に 770m2 森が必要
落葉樹林 1200g/m2 年間
1トン削減に 833m2 森が必要

東京都の広さ 2,193.96km2
東京都の面積のおよそ4割(わり)は森林。877km2は森とする。
常緑樹林と落葉樹林の割合 50%とすると、833m2の森で年間1トンのCO2を削減 
1日で1トン削減となると 
833m2×356日=2965km2の森が必要となる。

現行東京都の森の面積は 877km2だから
3.2倍の森林があれば、東京都でも自然に1日1トン CO2を固定化出来る。
日本の森林は 約2510万  (ha 1h=0.01km2)
251000km2 だから日本は存在するだけで、
251000km2÷2965km2=88トンCo2削減/日
1年間 88×365日 32, 120トン/年 のCo2を固定化(削減)している。
日本の国土の面積は、378000km2
全部森林でも 48, 300トンCo2削減/年

以上



この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?