見出し画像

茄子 アンダルシアの夏 スポーツの勝ち負けと茄子の教え

茄子(なす)
 「親の意見となすびの花は千に一つも仇(無駄)はない」 
 ナスの花はどれも実をつけ、無駄な花がないことから。 「茄子の花と親の意見は千に一つも仇はない」という諺。

茄子 アンダルシアの夏」 
 自転車ロードレースのアニメだ。ロードレースも好きだけど、ジブリと水曜どうでしょうの大泉洋と藤村D、嬉野Dも絡んでいる。正に私の好みなので何度も観ている。
一方原作の漫画は一度も読んでいなかった。
今回、ブックオフで1巻だけ手に入れたので、読んでみた。
「なるほどねぇ」茄子の絡みがようやく理解できた。

漫画の見開きシーン

「自転車ロードレース」
 自転車ロードレースは欧州で盛んだ。その歴史から独特なルールを持つ。
まず、ロードレースは個人レースである。一斉スタートしてトップでゴールしたライダーが勝者となる。しかしレースの内容を見ると個人の力勝負ではない。

 自分のチームのエースを勝たせる為、他の選手達(アシスト)が動く。そこにはチーム戦が繰り広げられている。
沢山のアシスト達、彼らは進んで捨て駒になっていく。

 そうは言っても、アシストの選手達だって色々な人生を背負ている。
ゲームの駒のように上手くは動かない。
彼らの心には、尊敬、忠誠、欲、敵意、嫉妬、悪意もある。だから面白いとも言える。
長いロードレースの歴史の中で、その人間模様から沢山の物語や伝説が生まれている。
そんな物語の一つを描いたアニメである。
茄子だけどね。

ロードレースとなすびの花(選手)は千に一つもむだはない」」

「勝ち負け」
 スポーツをやっていると常に「勝ち負け」が頭にある。
その気持ちがない人はいないと思う。
そんな気持ちが全く無いと言う人もいるが、それは嘘だ。
おそらく人一倍勝ち負けにこだわっている。
その気持ちを意識するのが怖いから自分を騙している。
そこに意識を向けると辛いことが多いからだ。

 私の場合、10代から勝ち負けこだわって生きてきた。
中学校からサッカー部、その後、モトクロスからトライアスロンまで、40年以上スポーツを続けていた。常に勝ち負けが頭にあった。
それが癖(性格)になっている。ちなみに大学受験では負けた。

妻はその感覚は異常だという。

例1)
 ある日、実家へ自転車で妻と2人で向かった。距離は4キロ位ある。
「私、遅いから先に行く」と出かける妻。
後から出発した私、道の途中でおっさんの自転車に抜かれる。
スイッチ(勝ち負け)が入ってしまい。時速30キロ以上で車道を走り続ける。
車道なので信号で止まる。後ろから怒鳴り声が
「なんで、呼んでも止まらないの!」
妻の自転車も何処かで抜き去っていたようだ。

例2)
 息子が通う中学校の運動会、その学校へ向かって何故か国道20号線を走っていた。学校まで3キロ程度の距離だ。
途中柴崎駅交差点(調布市)で左折するのだが、車や他のバイクと走っていると、ついスイッチが入ってしまい。全力で走り続けた。
「あれ、こんな坂あったか?」
 気づくと環八の交差点が見える。
調布市を過ぎ去り千歳烏山駅の交差点(世田谷区)へ入っていた。曲がるべき交差点を通り過ぎて5キロ以上走っていた。

例3)
 朝一に洗濯ものを干している時、隣の家のベランダを見て、
「***さん、もう洗濯干し終わっている、負けた」と言う私。

「頭おかしくない?」と妻は言う。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
 私は2021年、65才のエンジントラブル(心臓の病気)で、レースとしてのスポーツは引退した。
そんな私だが、長い現役生活で、ほとんど勝ていない。勝つどころか入賞さえほど遠い凡人であった。

 ただ時折、ライバルが落車、他のレースと日程が重なり、主要選手がそちらへ流れる、そんな偶然がまれにある。
そんな日はいい結果がでていた。
「3位入賞!お立ち台、やったー!」

勝ちに不思議の勝ちあり

 24才から5年間続けたモトクロスレース、30才から続けたトライアスロン、スイム、自転車レース、色んなレースで、そんなチャンスがあった。
逆に絶好調で望んだレースで結果が出ないことも多くあった。
「こちらの方が多いなぁ・・」

 前日、エンジンを完璧に仕上げて臨んだモトクロスレース、スタートから100mの所でエンジンブローした。
うなだれる私にコースマーシャルが言う
「危険だから早くバイクをどけて!」

これは前回のレースで入賞していたので、気合いを入れて普段しない改造をした。それが失敗した結果だった。

負けに不思議の負けなし

 この茄子の自転車ロードレースアニメには続編がある。
スーツケースの渡り鳥」、日本の宇都宮でのジャパンカップが舞台だ。

ジャパンカップは面白い

 チームパオパオビールのアシストである主人公のぺぺの言葉。
今日は俺の日だ
この言葉は凄くに腑に落ちた。長く現役を続けていると、ある日のレースで、運が転がりこんでくる。全てが上手くいく日がある。

しかし、世の中では、そんなチャンスにもしくじる人がいる。
しくじり人間」だ。
私は子供達によく言う言葉がある。
人生、ここぞと言う時がある、その時はしくじるな。後はどうでもいいから
「受験でも、スポーツの試合でも、勝てそうな時は勝負を決めろ」

これが、長い間、無駄と思える競技を続けた私の茄子(諺)の意見だ。

10年以上前の写真だ、55才の頃、「俺の日」で何とか手にしたもの


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?