一人の劇場人の願い

この期間に色々な舞台作品をオンラインを通じて見ることができた。大好きなミュージカルを何度もみたり、本当に楽しかった。

もう直ぐ劇場がオープンするのかなと思うと、正直怖い。この状況で万全な感染対策ってなんだろう、もし感染者が出たら、自分が家族に移してしまったら、、お客さん、そして従業員の安全は守られるのかな、そんな不安を拭い去ることができず本当に再開することが正しいのかと疑問を投げかけたくなります。

ただ、それでも私は今だからこそ劇場に実際に足を運ぶことの素晴らしさは伝えていきたいと思います。そこにはどんなに素晴らしい作品をオンラインでみても生み出されることがない世界が待っているはずなんです。

優れた舞台作品は、舞台という世界の中で様々なことが展開されていく。どこに着目するかは見ている人の自由に委ねられています。だからこそ同じ作品を見ていても、お客さんは自分だけの世界を作り出すことができます。美しく翻る衣装のスカートを見る?スポットライトを浴びている俳優さんをみる?音楽を奏でる人をみる?みんなそれぞれ違うはず。

それに劇場に来るってことは作品をみることに限られるわけではないはず。壁にかけられた絵画は文化のつながりを映し出し、劇場自体は建築物としての価値を持つとともに、様々な作品が生みだす場所でもあります。劇場に来ることは多彩な文化が相互に関係し合うことを体感し、発展してきた足跡を辿りつつ、自らもその足跡を紡いでいくことになるはずなんです。

いつか、自信をもってどうぞいらしてくださいと言えるような仕事ができたらいいなと願いつつ。。。

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