メディアの自由と責任・後編(金明秀)
■新潮社を事例として
【事実上の虚偽報道】
メディアの自由と責任・前編で見たように、ハッチンス委員会の『自由で責任あるプレス』は、メディアの社会的責任として上述の5項目を提案した。なかでも筆頭に挙げているのが「ウソをつかない」ということだ。とりわけ外交にかかわる報道が不正確だと、戦争などの重大な問題にもつながりかねないためだ。また、単に事実を報道するだけでも十分ではない。文脈から離れて断片的な事実をつなぎ合わせただけでは、真実とはまるで異なる理解へと読者をミスリードすることが