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デジタル読書とポメラで学んだこと 2 思索や対話による多様性を考える

今回は前回に引き続き、思索や対話による多様性 を考えることを続けたいと思います。

前回の記事では、家庭内で思索や対話によって多様性をだすことができたこと について述べました。

今回は、小理屈野郎の職場であった思索や対話によって多様性が出た一例 をあげたいと思います。

職場の接遇委員会

小理屈野郎は職場の委員会で接遇委員会というのに入っています。
スタートは10年ほど前。キックオフのメンバーでした。
職場で顧客に対して丁寧に対応しよう、それによって業績を上げよう 、と言う話で立ち上がった委員会でした。
最初は接遇専門のコンサル会社なんかを使わせてもらって色々とがんばってみました。

その中で気づいたことは、顧客の満足をあげるためにはスタッフの満足度をあげる必要がある と言うことです。スタッフの満足度をあげる、というのは直裁に給料をあげる、と言うことも一つあげあるでしょうが、この委員会で出来ることではありません。
できることは、職場の各部署のコミュニケーションをよくして、相手が何を考えているか、そしてどう行動しているか、と言うことを理解して、お互いに協力していこう 、と言うことでした。
また、顧客に対しての見える形でのやり方として、身だしなみの規定を決めたり、それを守っていけるかどうかみていく 、と言うこともしてみました。
それ以外にも地域に向けてイベント をしたりしてみました。

けど、どうもやらされ感 があって盛り上がりませんでした。
どうしたらやらされ感がなくなるのか、と言うことを考え、テーマややらなければならないと思われることは事務局が提示した上で自発的に委員会ですべてをやってもらおう ということにしました。

このときはまだデジタル読書はもとよりポメラによる思索なんて行っていませんでした。ほぼ窮余の一策と言えば聞こえがいいですが、半分破れかぶれでの施策 でした。

そうしだすと、ちょっと時間がかかるし時折とんでもない方向に行くので方向修正は要りますが、うまく回るようになってきました。参加してくれる委員の人たちも楽しく委員会活動が出来るようにいってきたようです。

そんな中、昨年身だしなみ規定を変えよう 、と言う話が出てきました。
そこで起こったことをお話ししたいと思います。

身だしなみ規定の改訂に着手

最初は、委員会に参加していたスタッフの「せっかく規定があるのに守られていない。守られる規定にしたらいいのに」 という言葉でした。
確かに守られていないのなら改訂した方がいいね、と言うことで、昨年度の委員会のタスクの一つに入りました。

委員会に参加することがまずは対話をする理由になる

今までの制定されている身だしなみ規定に対してその内容の分野でグループ分けをして、それぞれ議論していました。
そこでは、真剣に、その職場に勤めるものとしてどうしていくべきか と言うことが話し合われていました。
そして、一番興味深かったことは、職場の経営層に特に相談無くまずは自分たちでまとめて、提案してみよう、それで可否を経営層に問うてみよう、となった ことでした。
このような方向になったのは、委員会に参加することで、そしてその委員会の雰囲気が結構ざっくばらんで、対話にお互いに引き込むような雰囲気があったからだろうと思います。
また、経営層に提言するわけですから、しっかりと考えて、向こうからの質問に対してはしっかりと理論的に答えられるようなものにしていかなくてはならない 、と言うことです。

小理屈野郎は最古参の委員の一人ですから、発言してしまうと自由な議論や思索が出来ないかも知れないな、と思って今回はファシリテーター役をさせてもらう ことにしました。

ざっくばらんな雰囲気だから気軽に意見が言えることにより多様性が確保できた

半年(月1回開催なので6回、そしてその間は各委員は自分たちで各項目に対して思索していきました)に渡って、職場の方向性、というのはあるけれども、それを理解して仕事をしているという前提に立って、丁寧に議論をしていきました。
そして、その中で、身だしなみ、というのはその人その人の勤務に対する姿勢を見せるものだ 、と言うことにみんなが気づいていきました。
常に、仕事のことを頭の中に入れて生活している人もいるし、仕事は仕事、家に帰ったらまた別のタスクを、と考えている人もいます。それぞれの考え方で職場の身だしなみに対する考え方も変わってくるね 、と言うことをみんなで確認できました。
その上で、どちらの考え方でも基本的に対応できるような今までとは少し違った身だしなみ規定を作っていきました。
また、議論の途中では他の委員会の見解を聞いたりしながらバランス良く議論が進んでいたと思います。たこつぼ化しなかった、と言う意味ではこれは結構画期的ではなかったか と思います。

委員会、と言う中でみんな一人一人が「身だしなみ規定とは何か」と言うことを考え(=思索)、そしてその考えた内容を話し合い(=対話)、それにより多様性のある結論が出た 、と考えられました。

その後の顛末

身だしなみ規定

身だしなみ規定についてはしばらくの周知期間をおいた後、この4月から本式採用 となっています。
みんなで相談して多様性を確保したものだからうまく回るだろう、と思っていましたが、やはり完全に趣旨を理解してもらえない場合も出てきている ようです。
対処法として、どのような経緯で制定したか、と言うようなことを丁寧に説明した冊子で対応していく必要があるかも ね、と言う話になっています。今回の制定に当たってこのようなことは問題になりそうと言う話になっていたのですが、最初から細かく解説した分厚い冊子を渡しても誰も読まないだろう 、と言うことで、概略をある程度説明するだけにしましょう、と言う話になっていたのでした。
今までなら、作ってしまったら終わりですが、皆がしっかり思索をして対話をし、多様性も確保されたので愛着もあります。そしてうまく回っているのをみたいと言うこともあるのだと思います。それに向かって継続的な改善が続けられている ので非常にいい感じです。

コミュニケーション(=対話)がとれるようになったか

コミュニケーションは徐々にとれるようになってきていると思います。委員会活動では今まで職場で話をすることのない人と直接話をして仕事を進めていくことになりますので、普段あまり付き合いのない人の人となりを知ったり、そこから始まる各部署の話があったり、普通ではあまりないつながりが増えてきているようです。
職場の飲み会(全社的なもの)でも、結局部署ごとに島をつくってその中でわいわいやっているのがオチ です。仕事の中であえて色々な部署と交流することによって仕事や人の多様性に触れる、と言うことは非常に大事なことなのかも知れません。

前回の話では、個人的な範囲で思索・対話・多様性が確保で来たことをお話ししました。それらを確保するのに自分の知識などが非常に役に立ったと考えました。

今回は、思索・対話・多様性が集団という中である種自然にできている ことに気づきました。
ほかのメンバーはそれほど意識していなかったようなのですが、なんだか充実感があったし、楽しく活動できた、と言う人が多かったようです。
その楽しい理由は上記のようなことではないでしょうか?とお話をしてみたのですが、そうかも知れないね、と言うことでした。
参加していて、自分の知識と照らし合わせたところ、おそらく上記のようなことが起こりそうだから、自分もある程度コミットしつつどのようになるか楽しんでいたところはあります。そしていい意味で思った通りの方向に行ったのが非常に個人的には楽しかったです。

企業の中で多様性を保っているところはやはり元気だったりある種ちょっととがっていたりして、いい感じの所が多いようです。

小理屈野郎が勤めている職場は中小企業ですが元気な中小企業になってくれたらいいなと思っています。

まとめ

今回は思索・対話から多様性が出てくる例として小理屈野郎の職場での話を提示しました。
前回の例の場合は、小理屈野郎が積極的に思索・対話を行うことによって多様性を確保できるように仕向けていった例ですが、今回の例は小理屈野郎がそういう方向に話を持っていったのではなく、自由な雰囲気でみんなで話ができる雰囲気ができていたので、対話・思索から多様性が出てきたと考えました。
思索と対話は、どちらが先に必ず来なければならないと言うものではなさそうです。適宜その場にあった方が先に勝手に来るのではないかと考えました。
今回の例は、デジタル読書で知識を得ていなければ単に職場の楽しい一コマ、と言うことだけだったのかも知れませんが、それに個人的に意味づけをすることができ、納得感が増した、と言うことでは非常にいいことだったと考えています。

デジタル読書から始まる、思索からもう一つ、学んだ大きなことは、文系の偉人のすごさに気づけた ことです。

次の記事では文系の偉人のすごさについて記事にしてみたいと思います。

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