是住久美子(これずみくみこ)

愛知県田原市図書館 館長。同志社大学卒、SEや京都府立図書館での勤務を経て2018年か…

是住久美子(これずみくみこ)

愛知県田原市図書館 館長。同志社大学卒、SEや京都府立図書館での勤務を経て2018年から田原市中央図書館に勤務。毎日新聞東海ワイド面に2019年4月から翌年3月にかけて連載していたコラム「是住久美子の図書館これくしょん」の続編などをこちらで投稿します。

マガジン

  • 是住久美子の図書館これくしょん続編

    毎日新聞に執筆していたコラムの続編です。図書館や読書に関することなどを2020年4月から順次更新していきます。

  • 非正規司書のサバイバル術

    主に図書館で働く非正規司書に役に立つかもしれないサバイバル術(生活・お金・キャリア・メンタル)を書いていきます。

  • 是住久美子の図書館これくしょん

    毎日新聞東海ワイド面に2019年4月から2020年3月まで連載していたコラムです。今月の一冊部分は大林正智さんが書きました。

最近の記事

図書館のエコシステム

最近、地域のまちづくりに関わる若手コミュニティ団体との協働で、図書館のリソース(場、職員、資料)を利用して、地域の人口減少問題を考えるワークショップや、中高生の未来応援イベントなどを実施している。 そうしたところ、このコミュニティのメンバーから、図書館の雑誌スポンサーになってくれる人達が出てきた。 コミュニティとの協働によって、雑誌スポンサーの獲得という思わぬ副産物が発生したという感じがした。 雑誌スポンサーとは、一年間の雑誌購読料相当額を支援することで、特定の雑誌のスポン

    • 非正規司書、手取り15万円でどうやって暮らしていく?

      第一回目の話題がいきなり「お金」の話です。というか、このマガジンはお金の話ばかりになってしまうかもしれません。非正規の司書で、特にシングルで1人暮らしで実家にも頼れないっていう人を前提に話をしていきます。 1人暮らしで働いていく(将来のために貯金もちょっとはする)のに月額の手取りが15万円がボーダーラインだと私は思います。実際にはもう少し少なくても何とかやりくりしている人もいるかもしれませんが。 私が会社員を辞めて、滋賀県の草津市の図書館で臨時職員をやっていた時の給与の手

      • 稼ぐ図書館員(『人物図書館』)

        公共図書館に勤めて15年になります。はじめは滋賀県の草津市立図書館の臨時職員としてスタートしました。その時、私に図書館のことを一から教えてくれたのは同い年の嘱託職員の人でした。その後、幸運なことに採用試験に受かり、京都府立図書館で働くことになりました。 京都府立図書館でも嘱託職員が図書館運営に欠かせない存在です。歳が近い職員も多く、一緒によく遊んだり、飲みに行ったりしています。私が入った当時の京都府立図書館は、正職員・非正規職員に限らず、日々の業務について何かを提案するとい

        • 普段選ばない本 読んでは(毎日新聞2019年5月4日朝刊東海ワイド面p19掲載)

          本はインターネットで買うので、図書館にはしばらく行ってないという人も多いのではないでしょうか。買って手元に置いておきたい本は、好きな作家や好きなジャンルの本だと思います。ネット書店は「この本に興味を持った人はこんな本もチェックしています」というレコメンド機能もあり、利用者の好みにあった本を推薦してくれます。便利ですが、久しぶりに図書館に行って、普段読まないジャンルや作家の本を手に取ってみませんか。 田原市図書館では、袋を開けるまでどんな本が入っているか分からない「本の福袋」

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        • 是住久美子の図書館これくしょん続編
          1本
        • 非正規司書のサバイバル術
          1本
        • 是住久美子の図書館これくしょん
          2本

        記事

          祖母と通った銭湯

          十年ほど前に亡くなった祖母の家は長岡京の駅近くの西国街道沿いにあり、神足(こうたり)温泉という名前の、温泉ではない銭湯の隣にあった。銭湯が隣にあったためか、祖母の家の風呂は五右衛門風呂のままで、独り暮らしの祖母は家の風呂を焚くことは滅多になく、毎日隣の銭湯へ通い、銭湯が休みの日は、別の銭湯へ行っていた。 私と姉はよく祖母の家に泊まっていた。五右衛門風呂に入るのは恐ろしかったので、当然、隣の神足温泉へ行き、パジャマに着替えて帰るということを幼少期から続けていた。一人で体が洗え

          覚え違いのタイトル(毎日新聞2019年4月6日朝刊東海ワイド面p23掲載)

           図書館で働いていると、あいまいな記憶をもとに本を求められることが少なからずあります。言われたままのタイトルや著者名で検索しても見つからず、「どうやらこのタイトル(著者名)は怪しいぞ」と思ってからが司書の腕の見せどころです。そんな事例を集めてホームページで公開している図書館があります。福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」です。例えば、「生姜(しょうが)みたいな名前の人」の正解は「姜尚中(かんさんじゅん)」、「『桜とお皿』時代物。たぶん畠中恵さん」の正解は「『桜ほうさら』で著

          覚え違いのタイトル(毎日新聞2019年4月6日朝刊東海ワイド面p23掲載)