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ソン・ソック氏 IZE 2022.5.26記事翻訳(大いなるネタバレ含む) +韓国語TIP

記事本文 https://www.ize.co.kr/news/articleView.html?idxno=52245

『私の解放日誌』、ク氏とソンソックは推仰(추앙)を求めてはいなかった

ク氏の職業をホストの社長にしたパクへヨン作家の意図は?

総合編成チャンネルJTBCドラマ『私の解放日誌』(脚本:パクへヨン、演出:キムソクユン)の主人公ク氏(ソンソック)の職業については論争が起こった。 ベールに隠されていた彼の職業は、ホストの社長だった。『私の解放日誌』はフィクションドラマだ。作家が思う通りにあらゆる設定にすることが可能だ。 確かに言えない過去を持った人物のようだったク氏の職業はなんでもよかった。だが、少なくない視聴者が「なぜよりによってホストの社長なのか?」と愚痴を言う人もいた。なぜなのか?

#なぜ大衆はク氏の仕事をなぜ拒否するのか?

『私の解放日誌』の人気はク氏の職業を推測する一種のゲームのような様相を見せていた。 劇中、ヨムミジョン(キムジウォン份)の家族だけでなく、視聴者はやはりク氏の職業に関心を示していた。彼の冷たい外見と目つき、そして身分を隠しているようなニュアンスに「隠れて暮らす暴力団じゃないか」と言う推測があったり、ヨムミジョンの飛んでいった帽子をとてつもない助走をつけて飛んだシーンでは、「幅跳びのオリンピック金メダリストだ」と言う好奇心をそそった。 劇中ではクという苗字の幅跳び選手を検索しているシーンもあった。

「昔何してましたか?」と質問するヨムミジョンと視聴者たちのク氏に向かう関心のもう一つの名前はなんだろうか? これはまさに作家がこのドラマで提示下需要なキーワードである「推仰(추앙)」だ。 推仰、「高く仰ぎ見る」という意味を持つ言葉だ。 ヨムミジョンは「仕事あげましょうか?お酒じゃなくて仕事を?私を敬ってください。私は一度くらい満たされてみたい。だから私を崇めてください。」と「愛ではダメです。仰ぎ見てください。」と強調した。 この日以降、ク氏はヨムミジョンを敬い始め、ヨムミジョンもク氏を敬い始め、お互いにとって意味のある対象になっていく。 その過程で視聴者もク氏を慕い始めた。

ク氏と共に彼を演じる俳優・ソンソックの人気まで急上昇する状況が生まれた。 「暴力団だったらどうする?」という反応も少なくなかった。 その程度は認められるという心構えはあった。 なのでホストの社長という彼の過去も受け入れられるという意見も多かった。 だが、「どうしてよりによってホストの社長でなければいけなかったのか?」という反発も強い。なぜか?

これはホストの社長という職業が大衆に対して与える語感と認識を正確に捉えたパクへヨン作家の「一手」だったと言える。 ク氏は厭世的な人だ。 本心を知ることができず、近寄り難い。 その分簡単に心を開いたり、そばに人を置いたりしないように見える。 しかし、少し近づいて伺ってみると実は周りの人たちをお世話してくれ、隠していた才能も多い。 相手を拘束したりもしないし、適切な距離を維持して黙って側にいる。 自身もやはり雨が降れば雨に当たり、焼酎2本で満足をする。 どんな過去を持っていても、今のク氏はこの町の人たちに無害な存在だ。 このドラマの題名が持っている「解放」にとても合致する人物に見える。

だが、ホストの社長というのはどんな職業なのか?一言にまとめると「人間商売」をしている人だ。 人間を成績としてみる対象化するのと同時に、異性に対して感情を金で売り買いする部類だ。 解放と一番距離があるだけでなく、推仰の対象になり難い。 だから、彼を推仰していた視聴者の立場では、想像もできなかった壁にぶち当たったと同じだ。

#なぜパクへヨン作家はこのような職業を選んだのか?

ここで気になることは、パクへヨン作家の心の内だ。 数多くの職業がある中、なぜよりによってホストの社長だったのか? 今まで彼女の作品の世界と『私の解放日誌』の洞察力を噛み砕いてみた時、ク氏の職業が公開されて大きな反響があった。 これは確実に意図されたものだと読める。 もう一度問う、ではなぜこのような職業にしたのか?

これは、結局ヨムミジョンを始めとする視聴者たちが、解放を望みながらも自身を拘束してしまう道を選んでしまう傾向にあることに対する警告であるといえる。 劇中、ク氏は何もしていない。 誰かとの肯定的な関係づくりのために努力したこともなく、自身を着飾ろうとしたこともない。 適度な距離を置いて、むしろ相手が近寄ってくることを避けた。 簡単に言えば、一種の「神秘主義」だった。

であれば、彼の神秘性は誰が作ったのか? 少なくともク氏本人ではない。 外見だ。 彼のくたびれたハーフパンツとTシャツの外に見える健康な身体。 とてつもない幅跳びの実力。 口数は少ないが、愚直に見える姿を見ながら、勝手に彼をいい人だと思い込んでしまった。 これは大衆も同じだ。 ク氏は、彼を演じたソンソックは「人気を、愛をくれ」とは言っていない。

結局、解放とは真逆の拘束は外部からの要因によって作られるが、自ら作った罠である時もある。 他人に期待しなければ失望することもないが、多くの人はこの期待という感情をもって、他人に近づいていく。 ヨムミジョンが「仕事をあげる」として「私を推仰して」と言ったこともやはり、先に関心を持ったといえる。 ク氏はこれに従っただけだ。

結局、視聴者たちはホストの社長というク氏の職業に対し、失望感を感じた。 自ら作った期待が崩れるという経験をした事になる。 また、何人かは「ホストの社長だったらなんだっていうんだ」として「それでも良い」と言う。 どうせク氏はドラマの中の人物だから。 しかし、もし自分が現実世界で好感を抱いていた人が、過去にホストやホストの社長だったりしたら、どうだろうか?

多くの人は、自分自身が作ったファンタジーの中に生きている。 いつもそのファンタジーを崩されながらも、また夢想する。 そうすれば少しは幸せだから。 『私の解放日誌』も同じだ。 ク氏へのファンタジーが崩れ、このドラマが終われば、多くの人がまた他のドラマと役柄に対して光に集まる蛾のように集ってくるだろう。 本当に「解放」されたいか? それならば、「自ら作りあげた拘束」から抜け出すことが最初ではないだろうか?


ーこの記事で出会った単語たちー

마담:  얼굴마담 푸념을 늘어놓다: 愚痴を言う。泣き言を言う。 도움닫기: 助走。 받들다: 敬う。尊ぶ。 우러러보다: 仰ぐ。尊敬する。 천정부지를 솟다:  うなぎのぼり。 주변부: 周辺部。外側のこと。 지례짐작: 何かが起こる前にまたは何かの機会が訪れる前に、確実ではない状況ことを性急に前もってしてしまう予想のこと。 판판이: ことごとく。しょっちゅう。いつも。

☝️オタク用語

호스토 바: ホストバー。韓国のホストのこと。そこに出勤している人のことを
호빠・선수・제비などと言います。たまに事件に関連してニュースに出てきたりします。

그: 彼。韓国の記事では、性別の区別なく「彼」と表現されていることが多いです。最近の風潮に乗っていて良い傾向だと思います。

후폭풍: 後暴風。何かの事象が起こった後にその後に波及して起こることを指す。彼のソロステージはファンだけでなく他のグループのファンたちにも후폭풍がすごかったね!みたいに使われます。

포장하다: 装う。アイドルが何か不祥事を起こした時に、ファンが포장して何も悪いことをしていないようにしてくれる時もあります。また、オブラートに包むと同じ意味でも使えます🎁



このドラマを通して、推仰(추앙)という言葉が新たに流行しているそうです👍

もっとソンソックさんに関する記事かと思いきや、哲学的な記事でした;;

以上です'ㅅ'

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