見出し画像

「100年時代を生き抜くには」こいちゃんの読書日記 vol 3

これからは人生100年の時代がくる!

……といわれても正直ピンとこなかった私。

ITやテクノロジーが進んだり、高齢化社会が加速して社会や雇用環境が変わったりすることはなんとなく想定していたけれど、

「自分が思っている以上に長生きするかも?!」という視点を私はもったことがなかったです!

というか、「おばあちゃんになったときの自分」て必ずみんなそうなる!と言われてもなかなかイメージできないですよね?

将来のことも考えるけれど、せいぜい10年後くらいの自分しかイメージが持てていなかった私。

誰もがみんな100歳まで生きるわけではないけれど、もう少し先のことも考えようと思いました!

『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社 2016年

・ステージがいろいろ変わってOK! 3ステージの人生の終了

寿命が長くなることで、今まで基本とされてきた人生の3ステージ(教育期間→働く期間→引退期間)が崩れるといいます。

例えば、大学を卒業したらすぐ就職するのではなく、放浪やボランティア(エクスプローラー)などをして自己理解を深める期間に当てたり、案件ごとに働いたり(インディペンデント・プロデューサー)。

お金を稼ぐためにがっつり働く時期、仕事をセーブもしくは辞めて自己理解や知識のブラッシュアップをする時期、人とのネットワークを増やす時期、今までの経験・スキル・人脈を活用してマルチに活動する時期(ポートフォリオ・ワーカー)を行き来したり、目指したり。

年齢=ステージに結びつかない時代がくるそうです。

いまはちょうどこの狭間にいるなぁとつくづく感じています。

私のように育児中だったり、今後出てくる新しいステージを求めたりする人は、柔軟な働き方を希望します。

でも、現実は勤務時間を短縮、柔軟な働き方を選ぶ→報酬減・キャリア減の烙印を押されてしまう。

いったん列を外れることをよしと評価する社会ではとてもありませんよね。

会社の立場にたったら、個々人の希望をいちいち聞くよりも、効率的で管理しやすい労働の標準化を保持したい。

柔軟な働き方を求める労働者 VS 標準的な管理を保ちたい会社の闘いの最中にいるなぁと思っています。

自分がいまどこの段階にいるか?

今後はどう進んでいきたいか?

プラン通りにいくとは限らないけれど、これからは計画を立てて都度見直していくことが必要なのです。

・人生が長くなると、無形資産が大切になる

この本では、何度も無形資産の重要性を述べられています。

無形資産とは、かたちのない資産、お金や住宅などのかたちのある資産ではなく、人的ネットワーク、健康などのことです。

・やっぱり健康には代えられない

「大きな病気を家族誰もしなかったから、お金に困らなかったのもあるわね。」

60代に入った母親は以前言っていました。

たしかに我が家は祖父母を含めて、長期間入院したり、大病を患ったりした人は見当たりません。

私はお米が大好きなのですが、高校を卒業するまで、家で白米を食べることがほとんどありませんでした。

ご飯は基本的に胚芽米か玄米で、たまーに白米。

白く艶があってピカピカの白米が出てきたときの嬉しさと言ったら笑

母親は家族の体のことを考えて、あえて選んでくれていたんですけどね。おかずはいつも野菜がたっぷりでした。

よく食べて、よく動き、休息もとること。

バランスのとれた生活を!とは耳がタコになるくらい聞いていると思いますが、小さい頃からついている習慣は本当に染みつくものです。 

親には本当に頭が下がりますね……

親は畑を借りて、野菜を育てるようになり、私たちが巣立った後はより粗食になりました。

日々の生活をないがしろにせず、丁寧に積み重ねていくこと。これは親から教わった大事な心得です。

・パートナーシップ

夫婦でそれぞれの夢や目標やキャリアのすり合わせってできてますか?

私は積極的に考えるタイプなのですが、夫は全くそうではなく、「先のことはわからんしなぁ」とちょっと呑気なタイプです……

同じ土俵に立って意見を交わすのが難しいなぁと思いつつ、私もタイミングやもう少し相手のことを考えて話を持っていかないとなと思うところです。

これからステージを行き来するとなると、どうしても片方の協力がいるので、より強固なパートナーシップが求められます。

もっと夫にガツガツ、スキルアップして仕事してほしい、ネットワークを広げてほしい。

と思っていましたが、ステージ毎に無形資産とは有形資産を分担するという働き方(時期)もあると知って、今は私が期間限定で無形資産を築きまくったらいいのかなと思うようになりました。

夫は日々の仕事をこなして、家計を支えてくれるだけで十分じゃないかなと。(育児も今まで通りやってもらいますが)

もちろん私もやりたい仕事への実績は作っていって、キャリアの実験や検証はしつつも、どうしたって融通があまりにもきかない仕事はいまはできない(したくない)から。

夫婦で育児と家事をもし50%ずつにしたとして、有形資産と日々の生活で必死になって無形資産を我が家で全く築けないよりはいいのかなとも思います。

いまは2人で猛烈に働くステージではない=だから私の中でキャリアのモヤモヤが発生していた、ということで腑に落ちました。

・自己理解、内省

この本では世代の違う3人の人生の歩みを例として挙げていましたが、じゃあ自分の人生を最終的に決めるのはと誰かといえば「私自身」です。

自分の人生をデザインするためには、「自分のことをわかっていること」が大切です。

何が好きなのか、ワクワクするのか、憧れるのか、どういう生活を望むのか、どうなりたいのか、何を成し遂げたいのか、などなど

一人ひとり違う価値観があります。

私は内省が趣味?というのも変ですが、哲学が昔から好きだったので、「自分とは」「どう生きるべきか」という問いについてずっと考えてきました。

やっぱり人は人と関わってこそ「自分」の良さが出てくるものだし、経験して強みや足りないところがわかる。

触れてみて初めて私これが好き!と思うし、やってみてこれは違うなぁとわかる。

だからうちに篭ってるだけじゃ、わからないんです。

「旅に出る」のもそういうことなんだろうなぁと思います。

・子どものためにも

間違いなく、私の子どもたちの世代は生きていくのが大変になると思っています。

環境問題や格差、高齢化などの積み残し問題があるし、ITやテクノロジーの進歩で社会や生活が激変していく。

そんな世の中でも、いまの世の中でも持っていたいのはやっぱり「主体性」とコミュニケーション能力だと思います。

自分で考えて、行動すること。  

どんな人ともコミュニケーションがとれること。

「主体性」がなかったら、自分の人生をプランしていくことはかなり難しいと思いますし、そのプランを実現していくには人と人の関わりが鍵となります。

主体的に生きるように子どもを育てていくには、「問いかけ」「話を聞くこと」「好きなことに寄り添う」ことが大切だと思います。

子どもがどうしたいのか?を問いかけ、聞き、それを認めること。興味・関心のあることに耳を傾けること。シンプルだけれど、忙しい、時間がない!余裕がない!となるとついできないときがあります。親って本当に忍耐がいりますよね。

だから、家事は手抜きしていいと思うけれど、根幹な部分は落とさずにいたいなと思います。

・おわりに

いろいろと感じることが多かったこの本ですが、最後に一番心に残ったことは「異世代間のコミュニケーション」についてです。

工業化されて以降、子ども、働く世代、引退世代という線引きがはっきりして、その間で交流することが極端に減ったとありました。

現代では多世代の同居→親子のみ・単身世帯が多くなり、家族の規模も小さくなっています。

自分の日常を考えても世代を越えて話すことって、仕事や親をのぞいたらほとんどないですね。

最近少し想像したらわかることでも、相手の気持ちを考えるということが希薄な社会になってると感じます。

考えるまでもなく、スマホで何でも調べられちゃう世の中だからかな?

世代分断が原因のすべてではないと思いますが、この融合が進めばもっとあたたかい社会になるんだろうなと思います。

知らない、わからないから変な偏見が生まれたり、「最近の若者は」「年寄りはこれだから」と思ってしまったり。

でも身近に同じような人がいたり、自分が同じ立場を経験したら優しい目で見れる。

子どもを持つようになって、それはかなり感じます。

もう一度世代を繋ぎ直す仕組みが何かできないかなぁと考え始めた私。

お互いが理解できて、学びあえるような。

いろんな価値観にふれて、子どもも大人ものびのび暮らせる社会。

そんな世の中になってなってほしいものです。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?