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プリンセス・クルセイド

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王子の結婚相手を決めるため、少女たちは剣を取る。剣と魔術で闘うファンタジーです。
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2018年4月の記事一覧

プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 7

プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 7

「ふふ……まずは、うまく狩り場に誘い込めたわね」

 月夜の街道を物見遊山のように闊歩しながら、アレクサンドラは含み笑いをした。屋敷に突入してきたタンザナとプリンセス・クルセイドを始めた彼女は、すでにチャーミング・フィールドにはいなかった。しかし、闘いが終わって現実世界に戻ってきたわけではない。むしろ、彼女が勝利を収める闘いはこれから始まるのである。ここは彼女が聖剣の能力を発動して入り込んだ、タン

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プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 6

プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 6

 横倒しになった酒樽の陰にメノウが飛び込んだ直後、宙を飛ぶ刃の破片の塊が、一気に背後の棚へとなだれ込んだ。その衝撃で、棚に陳列されていた酒瓶が次々と破壊され、その中身が棚を伝って流れ出し、強烈に鼻を突く匂いを部屋中に蔓延させる。

「あぁ……もったいない……」

 その惨状を見て嘆きながら、ラリアが手にしていた柄だけの剣を振ると、刃が彼女のもとへと舞い戻っていく。酒樽の陰からその様子を伺っていたメ

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プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 5

プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 5

 牢の柵がカチャリとしまる音を聞いて、アンバーはハッと我に帰った。どうやら、泣き疲れていつの間にか眠ってしまったようだ。

「あらあら、せっかくの可愛いお顔が台無しですわね」

 続けて聞こえてきた声には聞き覚えがあった。薄ぼんやりする視界を数度の瞬きではっきりさせると、そこには見目麗しい茶髪の女性がこちらを見返していた。

「イキシア……」

「目もこんなに腫れて……泣いていましたのね?」

 

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プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 4

プリンセス・クルセイド #8 【決着の刻】 4

 離れていくタンザナの背中に追いつくのは、思いのほか難しかった。イキシアが腕を掴んだ時には、すでに二人は屋敷の反対側に回り込み終えていた。

「ちょっと……いきなりどういうことですの?」

「あら、イキシア」

 腕を掴まれたタンザナは、そのまま足を止めて何事もなかったかのように微笑んだ。

「貴女もこちらから行くんですね?」

「こちらからって……どちらに向かっていますの?」

「さっき言ったじ

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