続・風になれ/ダンスする episode2
前述の話から
もう少し踏み込んで話せば
こうだ。
ダラマン(私の師匠でマリ人、伝統音楽継承者)
が側にいたとき
小さな鍵穴の中からマリの風景が見えていた。
自分がなんとかその鍵穴を覗いて
マリの風を感じていることで
自分を媒体として
みんなにもそれを感じてもらいたい
と思っていた。
ところが
師匠ダラマンは
昨年10月
突然母国マリへ帰ってしまい
状況は一変。
私は
ある意味では心の拠り所を失ったけれども
そのときにスッと
鍵穴を覗くのをやめた。
アフリカの断片を
自分の外側に求めるのをやめた。
それからは
たくさん学んだように思う。
まず
私の根底に流れていた
ワンマンなトップダウンスタイル、
自分を中心にダンスクラスを運営したい願望や
強いエゴみたいなものは
気がついたらどこかへ消えていた。
これは
強烈な独裁者であった父ゆずりだと思っていたが
遺伝子のせいではなかったようだ。笑
そして
"自分の内側にある"アフリカの方を
育てる作業に一生懸命になった。
いくつかの可能な形でレッスンを受けて
苦手な練習も日々続けて
みんなと太鼓を叩く時間も
演奏の話をする時間も
前よりも大切に思うようになった。
そうしているうちに
みんなと踊っているときの感覚というのが
前よりもっと横の繋がりになって
一方通行ではなくなって
1人1人が確実に
演奏と繋がってきてくれてることに
気がついた。
だからなんというか
みんながそこに来て
演奏したり踊ったりしている姿が全て、
ごちゃごちゃ考えなくてよくて
行動の結果だけがリアル、
という気がしている。
まだそんなこともわからなかったのか、と
新しいスタート地点に立った感じなのかもしれない。
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