よく使う「不確実性」という言葉について学び直してみた

こんにちは、noteでPMをしている小西です。

プロダクト開発をしていると、「不確実性を削減する」という言葉をよく使うと思うのですが、そもそも不確実性とはなんぞやというところを勉強しなおしたので、学びをまとめようと思います。

不確実性とは何か

不確実性とは、「未来の出来事に存在する予測できない要素」「特定の事象が将来起こるとは限らないこと」というニュアンスの言葉です。

将来のことを考える際には、これまでのトレンドなどを踏まえてある程度予測可能なことすでに起きた未来と予測をできない不確実性の2つを合わせて考慮する必要があります。

仕事でも人生でも将来のことを考える際には、どこまでが予測可能な範囲でどこからが予測不可能なのか、それらをどう事前に把握しその後対処していくかということを考えないといけません。

そして、不確実性にはランダム性とフィードバックという2つの要素で成り立っています。

ランダム性

あらかじめ確率を理解することはできるが実際にどうなるかの正確な結果を前もって予測することはできないというものです。

例えば、サイコロを振って1が出る確率は1/6というのは簡単ですが、実際にサイコロを振った時にどうなるかの予測はできないというのがランダムな事象に該当します。

フィードバック

ある結果が生まれたときに、その結果が原因となって結果が再生産されるという自己循環的なプロセスのことです。

例えば、株価が下落したという結果を受けてみんなが売りに出る「売りが売りを呼ぶ」というのはこれに該当します。これの逆がいわゆるバブルですね。


また、フィードバックの発生によってファットテールという事象が起こることがあります。

これは正規分布で考えると数千年に1度しか発生しないような極端な事象(大恐慌など)が実際にはより高い頻度で起こるというものです。

これらは確率論のみでは説明がつかないので、ランダム性以外の要因、つまりフィードバックが起こることで発生しているということです。

リスク対処のためには、確率論だけでなくこのようなプレイヤーの心理による不確実性もケアする必要があるということですね。

より良い意思決定をできるようになるために

これらを受けて自分が不確実性にどう対処していくのがよさそうかを考えてみました。

予測可能な要素を不確実性のように扱わない

冒頭部分で言及した通り、未来のことは過去からのつながりである程度予測できることと不確実なことに分かれています。

予測できることを活用できないとか不確実性かのように扱って必要以上にコストをかけることはかなりのロスになってしまいます。

こういった事象を回避するためには、明示的に予測可能な要素とそうでないものを言語化したうえでことに臨む、普段からインプットを行い予測できる範囲を広げておくなどをする必要がありました。

特に後者については、物事の本質に近いものを学んでおけると応用が効いて良さそうだなと思いました。

「センスは知識からはじまる」にも載っていたのですが、王道や流行を押さえるというのは鉄板だと思いますね。

他には、他社事例、過去事例、人間の根本(認知心理学など)なんかも押さえておきたいところです。

PMあるあるだと思うんですが、突き詰めていくと「人間とはどういう生き物なのか」という問いに行きつきがちな気がしますね笑

ランダムな事象を予測可能なものとして扱わない

これは上のものの逆ですね。

ランダム性の特徴の通り、ランダム性というものはそもそもどう頑張っても完全な予測をすることができません。

プロダクト開発で言うならば、何でも調べれば解明できると考えていつまでもリサーチをしていてものを出さないのなんかはこれに該当する場合があると思いますね。

全くのあてずっぽうでもいけないけども、ある程度まで考えたならば実際に出してみるということをしないと不確実性は削減されないという度合いを適切にチューニングする必要を感じます。

このように本来ランダムなものに対してもありとあらゆる事象を理解していれば完全に予測できるという姿勢はそもそも対処の仕方として間違っており、そういうことができるのはラプラスの悪魔という超越的な存在ぐらいだろうと言われています。

勝率だけでなくリターンの大きさも意識する

リスクヘッジや「不確実の削減」というと、どうしても損失回避のような失敗を避けるというニュアンスを強く感じてしまうことが多いと思います。

もちろんそれは大事なのですが、勝率だけを意識していても十分なリターンを得られない可能性があることも一方で考える必要があります。

例えば、下記の2つの企画があったとした場合、手堅く勝つことだけを意識するのならば前者を粛々と進めるので良いのですが、非連続の成長や大きなリターンを求めるのならばある程度不確実性が高くても後者を必要も出てきます。
手堅いことだけをやるのがいいとは限らないというのは胸に刻みたいですね。

  • 90%の確率で1の成果が出るもの

  • 20%の確率で10の成果が出るもの


自分の学びのメモは以上です。

プロダクト開発の意思決定において学びの多い本だったので興味のある方は是非読んでみてください!

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