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ウルトラセブンの『子役』と『子供達』

『ウルトラQ』、『ウルトラマン』では『ウルトラセブン』と違って、子役のゲストキャラがよく出てきます。
特にウルトラマンではホシノ君の存在もあるため、全39話中半分以上の割合で子役の登場人物が物語に出てくるので、牧歌的な印象を感じやすいです。

反面、ウルトラセブンは大人向けのシリアスな作風故か子役ゲストの登場率がかなり低いです。

次回作の帰ってきたウルトラマンでは主要の子役ゲストとして坂田次郎君が登場しているのですが、セブンにはホシノ君や次郎君のようなマスコット的な少年ゲストが存在しないので、余計にシリアスに感じやすいです。

ウルトラ警備隊が子供達と一緒にいる場面は珍しい

子役が登場するエピソードはリストアップすると、

以上の12話と全49話中、実に1/4の割合でしか登場しません。
ちなみに44話「恐怖の超猿人」もエンディングでウルトラ警備隊と子供が触れ合う場面になってますが、エピソードには関係ありませんので除外してます。

実相寺監督の4作品では必ず子役が登場しているのが興味深いです。実相寺監督作品は他のエピソードと比べると世界観が異色的なのもあるためでしょう。

物語の主軸となる子役ゲストが登場するのは12・16・38・42・45話とさらに少ないです。
しかも45話に至っては、その正体は宇宙人です。

ペロリンガ星人

リストで見ると、子役のゲストは前半第1クールの半ば以降と終盤第4クールで集中的に登場し、第2~第3クールの26話を通して初期のアンノン回で1回しか登場しません。

この子供達の存在から、ウルトラセブンのエピソードの時期ごとの空気や雰囲気がはっきり異なるのが分かるのです。
子役が多く登場する第1・第4クールはウルトラマン以前の牧歌的な雰囲気が滲み出ている印象ですが、子供が登場しない第2~第3クールは子供向けじゃないシリアスなエピソードが集中しています。

16話のアンノン回以降を見てみると、

一つ分かるのは、後半になるにつれてどんどん視聴率が低下していることです。ウルトラセブンは戦闘シーンが全体的に地味と言われるのでその影響もあるかもしれませんが、それだけでは無いように感じられます。

第4クールのリストを見てみると、

子供が登場しているエピソードは前話と比較して視聴率が回復傾向にあります。
もしかしたら子供が登場することで、メイン視聴者の子供達の共感が得られていたのかもしれません。

反面、子供が登場しないことで、大人向けのシリアスな話が子供達に理解されずに敬遠されてしまっていたのかもしれないのです。

ウルトラセブンがあくまで子供向け番組であることを考えれば、ウルトラマン以前のようにそこに子供がいることで、強い没入感があったとも言えます。

やはり、子供の存在は大事なのだというのが見ていてよく分かりました。


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