見出し画像

【#マーケティングトレース】レッドブル

どうもこんすけです。コロナ影響で半年以上、在宅勤務が続く中、マーケターとしてのスキルアップをせにゃいかんと思い、#マーケティングトレース にチャレンジしたいと思います。今回のお題はエナジードリンクの王様的存在「レッドブル」です。

レッドブルについて

まずはレッドブルのご紹介からです。レッドブルは1987年から発売されていうエナジードリンクで2019年時点で累計販売本数75億本、年間売上高65億ユーロ(日本円に換算すると、約8,125億円!)を売り上げるメガヒットブランドです。

もともとはタイの国内ブランドとして販売されていたものを、レッドブル創業者ディートリヒ・マテシッツが目をつけて事業化し、エナジードリンク市場とこの地位を築きました。

ちなみにこちらがディートリヒ・マテシッツさんです。男が欲しい全ての要素が積み込まれたようなハイスペックマンです。

また創業エピソードの一つに、日本企業がまつわる面白いものがあります。当時、バブル絶頂期の日本でひと際売上を伸ばしている企業がありました。それがリポビタンDを販売する大正製薬です。タウリンが含まれる滋養強壮剤で大きく成長するリポビタンDを見て、マテシッツは「この領域、いけるんじゃないか?」と思い、この市場にチャレンジをしたそうです。

マーケティングトレースシートで分析

さてここからが本題です。マーケティング視点でレッドブルの現状を分析します。

①外部環境(PEST分析)
まず政治(Politics)面の状況でいうと、エナジードリンク=健康を害する危険な飲み物というブランディングが強まり逆風が吹き荒れる状況です。
専門家によると、刺激物とカフェインの危険な「相乗効果」があるため、特に若者には飲みすぎないよう注意を働きかけています。

社会(Society)面では、販路が拡大傾向にあり追い風状態です。コンビニがメインでしたが、ドラッグストア、スーパーと徐々に棚を取り始めました。

経済(Economy)面では3年前に比べて市場規模が約1.4倍に拡大。2018年7月~2019年6月においては459億円の市場に成長。主に10~30代男性がメインユーザーとして市場拡大をけん引しています。
また技術(Technology)面では商品の大容量化が進むという特徴もあるようです。

②競合分析(5Forces分析)
業界競合で見ると、若者から絶大な支持を受けるモンスターです。レッドブル185ml缶と同じ価格で250ml缶を出す価格戦略、複数フレーバーを揃えた商品戦略で、若者から指示を得て2018年頃から急成長。今や日本のエナジードリンク市場はモンスターがけん引していると言っても過言ではありません。

注)データ提供:True Data。全国のドラッグストアのPOSデータによる。買物指数とは来店者100万人当たりの売上金額

価値競合で見ると、ULTRA JAPANなどのダンスミュージックフェスが近いと分析します。創業者によると、レッドブルを単なる飲料ではなく「エキサイティングな体験」「スリルや冒険そのもの」と定義しており、レッドブルを手にする価値がフェスなどに近いですね。

なので、この流れで④ポジショニングを整理できます。

従来のレッドブルファンは一定数いるものの、若年層はモンスターを指示するため、ブランドの高齢化が進みつつあります。「レッドブル=かっこいい、イケてる」という価値観を持ったファンをどう増やしていくかがカギのようです。

⑤マーケティングミックス(4P)
マーケティングミックスで特質すべきはPromotionの部分です。「レッドブル=マーケティング会社」と言われるほどマーケティングへの投資は大きく、売上の3分の1をマーケティングに投下しています。ここまで大きくマーケティングコストをかけられるのは、Priceが通常の飲料より高く設定されているためです。一般的にジュース類などの清涼飲料水は原価が20円前後と言われていますので、1本200円以上で販売するレッドブルの利益率は凄まじいですね。
さて、promotionの中身を見ていきます。レッドブルのpromotionの根底にあるのはブランドコンセプト「レッドブル、翼をさずける」の体現です。

このコンセプトを伝える場としてよく使われるのが、スポーツイベント。
イベントオーナーからスポンサーまで幅広い関わり方をしてレッドブルブランドを浸透させています。有名なものでいうと、エアレース、F1、サッカー、E-sportsなどです。

HONDAと組んでるF1。強いです。

エアレース。残念ながら2019年を最後に終了。

いままさに大きく投資をしているE-sports。なんと中野には専用スタジオもあります。

人気があるからと言ってイベントに携わるのではなく、エクストリーム体験に繋がるイメージが持てるもの、つまりレッドブルが持つブランドイメージに通じるものを厳選して取り組んでいるようです。

⑤トレース企業の課題
トレース企業の課題については、競合ブランドの成長・参入です。
エナジードリンク市場は成長領域であり、国内大手飲料メーカーがどんどん参入を始めています。2019年にはコカ・コーラが参入。大きな話題になりました。

そして競合ブランドであるモンスターにどうやって勝つか。価格、フレーバー戦略で見事にシェアを取られた若年層を中心に、どのような戦略をもってポジションを築いていくかが重要です。
またブランディングが根底にあるプロモーションは、商品の購入にプロモーションがどれだけ寄与したかという"売上貢献度"が図りづらく、販促効果が見えづらいという側面もあります。この部分の可視化も重要なテーマではないかと考えます。

もし自分がレッドブルのCMOだったら

この状況を踏まえ、自分がレッドブルのCMOだったら、年代などターゲットを分類してプロモーション戦略を組み立てていきたいと思います。
現状、レッドブルを飲んでいるユーザーは「レッドブルブランドのファンだから」という理由で選んでいるようですが、ファンという言葉はとても抽象的な表現です。生年代ごとにファンである理由も異なるはずです。なので、コミュニケーションの軸(レッドブルを通して得られるブランド価値、体験)はずらさず、ターゲットを理解したコミュニケーションを出し分けていくという形が良いのではと考えます。

ターゲット別プロモーションの事例でいうと、アサヒ飲料のカルピスが秀逸だなと思っています。100年以上の歴史を持ちながらも新しい時代に合わせ、ターゲット別にメッセージをうまく出し分けています。

カルピスにならって、誰に選んでほしいかを明確化する戦略を取れば、新たな活路を見出せるのではと考えます。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また#マーケティングトレース にチャレンジして、腕を磨きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?