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『ゴッドファーザー(上)(下)』(マリオ・プーヅォ著・一ノ瀬直二訳)を読んで…あらすじ・映画との比較・疑問  -第9回-

   小説『ゴッドファーザー』は、“新しい発見の宝庫”だった!

第7部(下)
〇25~28
〇シシリーからニューヨークに戻ったマイケルは、父親の仕事を引き継ぎ、ケイとも再会する。~マイケルは、ファミリーの拠点を、ニューヨークからラスベガスへ移す準備を始める。

           (P243~P345:Netflix=P133~P145分/177分)

〇ラスベガスのモー・グリーネとはどんな人物?


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 ケイ・アダムスは、ニューハンプシャーの小学校で教職についた。マイケルが姿を消してから、時々母親に電話をして消息を尋ねていた。ニューヨークに来たので久しぶりに電話をしてみた。「マイケルから何か便りがありまして?」「マイキーは家にいますよ。あの子、あなたに電話しなかった?会ってないの?」「お宅にもどってからどれくらいになりますの?」「6ヵ月よ」ミセス・コルレオーネが言った。そして、運転手に2倍の料金を払うから、マイケルではなく、自分に会いに来るように言った。ケイはタクシーでロングビーチに出かけた。
 到着すると、マイケルの母親は、すでにキッチンに料理とコーヒーの用意をしてあった。「マイケルはじきにもどってきますよ。あなたを見たらびっくりするわ」
 ケイは先に、キッチンの窓をとおして彼を見つけた。マイケルが家の中に入り、玄関からキッチンに近づいてきた。次の瞬間、ぽっかり開いた空間の中にマイケルが立ち、彼女と母を見つめていた。気がついてみると、彼女は椅子からすべりおり、マイケルの腕の中に飛びこんでその肩に顔を埋めていた。
 マイケルとケイは、車でニューヨークに出かけた。「街に家があるんだ。そこに行ってもいいし、それともレストランへ行って夕食や飲み物にするかい?」「わたしお腹は空いていないわ」ケイは答えた。
 マイケルは赤色砂岩の建物のほうへケイを連れていった。広々とした邸宅のような居間と大きなキッチンのある二階へと彼女を案内した。マイケルは二人の飲み物を作った。ケイには二年ぶりに愛し合うことが、きわめて自然なもののように思われた。
 ベッドの上で、ケイはマイケルが殺人をしたのかどうかを尋ねたが、マイケルは、はっきりとは答えなかった。彼はケイとの結婚を考えていた。ケイに、愛情を感じているただ一人の人間だということ、家族や子どもが欲しいこと、ファミリーのために戦わなければならなかったこと、ケイには子ども
たちをアメリカ人として育ててほしいことを語った。マイケルにとってケイは、アポロニアが死んでからベッドを共にした最初の女だった。
 
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 そのけばけばしく飾り立てた部屋は、ホテルの背後にあるお伽の国のそれめいた庭を見おろす位置にあった。地平線の上では、砂と岩だらけの山並みが、渓谷に抱かれたネオンの輝くラスベガスを取り巻いている。ジョニー・フォンティーンは、派手に刺繍をほどこした重いグレーのカーテンをおろすと、部屋のほうへもどっていった。ニノ・バレンティはブラックジャックにジョニーを誘ったが、彼は断った。
 ニノ・バレンティが倒れたのは、それから1時間もしないうちだった。15分ほどしてから、ジュールズ・シーガルが部屋に入ってきた。鞄から注射器を取り出すと、ニノの腕に無造作に突き刺し、ブランジャーを押した。眠っているニノの顔から蝋のような青白さが消え、血液がポンプで汲み上げられだしたみたいに、頬に赤味がさしてきた。
 ドアにノックの音がし、ジョニーはドアを開けた。ルーシー・マンチニだった。「夜中にニノの部屋に来るとはどういうことだい、ええ?」ルーシーは彼の肩にパンチをくらわせた。「ニノが病気になって、ジュールズがここに来ているって聞いたのよ。…。ニノは大丈夫なんでしょうね?」
「ああ」とジョニーは言った。「すぐによくなるさ」
 ジュールズは、もう一度ニノを診察した。「今夜は、看護婦をこの部屋に呼んでおくことにしよう。2日間は絶対に寝ていなくちゃいけない。冗談じゃないんだよ」ニノは微笑んだ。「わかったよ、先生。ただ、看護婦をあまり別嬪にしないでくれよな」
 ホテルの看護婦が、沢山の薬をのせたワゴンを押しながら部屋に入ってきた。ジョニーは立ち上がり、ニノをじっと見つめた。彼にはようやく理解できた。ニノ・バレンティは何ひとつとして生きがいを持っていないのであった。
                 
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 マイケル・コルレオーネは、その日の夕方遅く到着したが、彼自身の指示により、空港への出迎えはなかった。フレディは弟を温かく抱いて迎えた。フレディは前よりもでっぷりとして、さらに善良そうな顔立ちになり、陽気そうで、そしてはるかにおしゃれになっていた。        
 マイケルは兄に微笑みかけた。「兄さんも元気そうだな。…フレディ、ぼくは明日の晩か次の日の朝にすぐに帰らなきゃならないんだよ」マイケルは、ジョニー・フォンティーンやニノ・バレンティ、ルーシーと友人の医師との食事を提案した。彼は言った。「モー・グリーネは最後にとっておこう」

 マイケルは、彼ら全員に話しかけた。「コルレオーネ・ファミリーはベガスに移ることを考えている。…事態をうまく軌道に乗せるには、2年か3年、あるいは4年ぐらいかかるかもしれない。…」フレディの丸い顔は心配そうだった。「マイク、モー・グリーネが売ると本当に思う会かい?」マイケルは静かに言った。「私は、彼が断わりきれないような申し出をするつもりだ」彼はジョニーのほうを向いた。「ドンは、ことを始めるにあたって、君が援助してくれるものと当てにしているんだ。…」「ぼくはゴッドファーザーのためならなんでもするよ、わかっているだろうに、マイク」マイケルは医師のジュールズにも、ラスベガスに立てる病院の医師になってもらいたい旨の話をした。ジュールズは、マイケルとドンに感謝していることを伝えた。

ゴッドファーザー81ジョニー


 マイケルがジョニーにニノの様子を聞いていると、部屋のドアにノックの音がした。モー・グリーネが二人のボディガードを従え、大股に部屋へ入ってきた。モー・グリーネは、ブルックリンで殺人組織の殺し屋として名を高めた。モー・グリーネは、マイケル、フレディ、トムを残し、他の者を部屋から退出させた。グリーネは酒をテーブルに置くと、怒りをかろうじて抑えながら言った。「コルレオーネ・ファミリーが俺を買収する気だと聞いたが、これはいったいどういうことなんだ?…」
 マイケルはおもむろに言った。「君のカジノは、奇妙なほど損をしている。君の経営方法に何かまずいところがあるんだな。たぶん私達たちならもっとうまくやれるだろう」グリーネは荒々しい笑い声をたてた。「何をしゃらくさい、俺はお前たちがえらい目に遭っている時に、おまえたちのためを思ってフレディを引き取ってやったんだぜ。…」マイケルは、穏やかで理性的だった。「君がフレディを引き取ったのは、コルレオーネ・ファミリーが君のホテルに、設備資金として莫大な金を渡したからだ。…つまり、コルレオーネ・ファミリーと君とは貸し借りなしなんだぜ。…」グリーネは首を振った。「コルレオーネ・ファミリーは、もうそれほど大きな力を持っちゃいないぜ。…お前に忠告してやるぜ、むだなことはやるな」マイケルは静かに言った。「それで君は、人前でフレディの顔を平手打ちできるってわけか?」フレディが言った。「いや、マイク、あれはなんでもなかったんだよ。…」グリーネはフレディの愚行を改めたのだと、したたかに言った。マイケルは憮然とした表情で言った。
 「私は明日ニューヨークに戻らなければならない。売値を考えておいてくれ」
 グリーネは猛反発した。「頓痴気め、俺をそんなふうに簡単に片づけられるとでも思ってるのかい?俺は餓鬼の頃から、おまえよりたくさんの人間をばらしているんだぜ。…」フレディはおろおろとトムに言った。「ドンに話して忠告してくれよ」

ゴッドファーザー187モーグリーネ②


 この時初めて、マイケルは彼の性格の内にある人を凍りつかせるような一面を、二人のベガスの男に惜しみなく注ぎかけた。「ドンは半ば引退したようなものだ。…だから、言いたいことがあるんなら私に言うんだな」
マイケルは改まった口調で言った。「フレディ、あんたは私の兄貴だ。私はあんたを尊敬している。だが、ファミリーに敵対する者に味方するようなことはもう二度とするな」彼はモー・グリーネのほうを向いて言った。侮辱するのはよした方がいいこと、カジノが損をしている理由を探ったほうがいいこと、救いの手をさしのべているのに唾をかけたいのなら、勝手にすればいいことを。マイケルの言葉は、グリーネとフレディの酔いを吹き飛ばすような効果があった。二人の男は何も言わずに退散した。
 次の朝、マイケルはモーからの伝言を受け取った。どんな値段であろうと、ホテルの株を売るつもりはないという。伝言はフレディが持ってきた。マイケルは肩をすくめてフレディに言った。「戻る前に、ニノに会いたいんだが」
 マイケルはニノの有様にひどい衝撃を受けた。目はぼんやりと、口もとはゆるみ、顔のあらゆる筋肉がたるんでいる。「ニノ、会えてうれしいな。ドンはいつも君のことを気にしているんだぜ」ニノは笑ってみせた。「あの人に言ってくれ、俺は死にかけているって…」「君はよくなるさ」マイケルは言った。 
 マイケルは空港へと出発した。飛行機に乗り込むと、彼はネリに言った。「奴が十分わかったかい?」ネリガが額をポンとたたいてみせた。「ここにモー・グリーネを詰めこんで、番号までつけときましたよ」

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 ニューヨークに戻る飛行機の中で、マイケル・コルレオーネは気を落ち着かせ、眠ろうと努めたが、むだだった。生涯で一番厳しい、死活を決する時が近づきつつあった。先週、ドンが正式に引退を表明した時、マイケルは、父が機が熟したことを自分に告げているのだと知った。
 今では、彼が家にもどってから3年近く、ケイと結婚して2年以上になっていた。その3年間は、ファミリーの仕事を学ぶことに費やされた。
 マイケルはニューイングランドでケイと結婚し、それは彼女の両親と2・3人の友だちだけが出席した静かな式だった。それから二人は、ロングビーチの散歩道にある一軒の家に移った。マイケル夫婦には二人目の子どもが生まれようとしていた。ケイは、ママ・コルレオーネと共に教会へ出かけ、コニー・コルレオーネは、二人の子どもを連れて、ケイとおしゃべりするために散歩道を横切ってくるという毎日を送っていた。
 コニーは、マイケルがカルロを好いているかどうかということに異常なほどの関心を抱いている、そのことにケイは気づいていた。ある晩、ケイはマイケルにそのことを話した。マイケルはしぶしぶ、ソニーが殺された晩の出来事を話して聞かせた。カルロが妻を殴り、コニーから電話を受けたソニーが、怒りに我を忘れて飛び出していったことを。カルロとコニーは間接的にソニーの死を招いたことで非難されるのではないかと気にするようになったが、事実はそうはならず、彼を責める者は誰もいなかった。ケイは、コニーの心配を取り除いてあげるようにマイケルに言ったが、マイケルは言った。「それはできないな。ぼくの家族はあんまりそういったことを話さないんだ」
 マイケルはケイの頼みを受けて、自分の意には反したが頬の手術を行った。何よりも喜んだのは、コニーだった。「さあ、またハンサムな兄さんにもどったわ」ケイは、マイケルに意に反する行動を取らせ得るのは、この世で自分ただ一人だということがわかっていた。

 マイケルがラスベガスから帰る日の午後、ロッコ・ランボーネは、空港まで夫を出迎えるケイを拾うため、散歩道にリムジンを運転してきた。マイケルは、トムと、新たに雇い入れたネリと共に飛行機から降りてきた。
 ケイは、仕事の内容を決してマイケルに尋ねなかった。「ごめんよ」とマイケルは言った。「明日の晩はニューヨークに行き、ショーを見てディナーをとろう、いいだろう?」彼は妊娠して7ヶ月になる彼女のお腹を軽く叩いた。

 ドン・コルレオーネの家の端にある書斎で開かれたその夜の会議には、ドン自身と、マイケル、トム、カルロ、それに、クレメンツァとテッシオの二人の幹部が出席した。
 ドン・コルレオーネが五ファミリーと停戦協定を結んで以来、コルレオーネ・ファミリーの力は衰えを見せていた。現在では、バルツィーニ・ファミリーがニューヨークで最強であり、コルレオーネファミリーのかつての地位を掌中に収めていた。彼らのマイケルに対する評価は、ソニーよりも聡明ではあるが、父親ほどではないというものだった。凡庸な後継者、それほど恐るるに足りぬ者と見なしていた。
 マイケルは、ベガスの旅とモー・グリーネが買収の申し出を拒絶したことから話し始めた。モー・グリーネが断り切れない申し出をすること、クレメンツァとテッシオには一年間一緒にやってほしいこと、そうすればそれぞれ自分のファミリーを持てることを。
 テッシオが口を開いた。「モー・グリーネがあんたのおやじさんと話したがったのなら、なぜそうさせなかったのかね?…」ドンがこれに直接答えた。「わしは引退したんだ。…それに、そいつはわしが話したくない男でな」テッシオは考えた。そうか、モー・グリーネにはもはや救いがないということか。コルレオーネ・ファミリーは、彼を説き伏せようと望んではいないのだ。カルロが口をはさんだ。「コルレオーネ・ファミリーは、ニューヨークでの商売をすっかりやめてしまううつもりなのかい?」マイケルはうなずいた。「今もオリーブ・オイルの権利を売りに出しているところなんだ。…私たちがそこに移った時には、君は私の右腕になってくれるものと当てにしているんだ」カルロは身を倒し、その顔は満足そうに輝いていた。
 テッシオが穏やかに言った。バルツィーニが縄張りにちょっかいを出していること、ドンがニューヨークを離れれば、バルツィーニとタッタリアは手に負えなくなること、すくなくとも失った地域を取り戻すべきだということを。ドンは首を振った。「わしは停戦協定をしたのだ、覚えているだろう。…」
 テッシオは黙らなかった。「あれ以来、バルツィーニがあなたを挑発していることは誰でも知っています。…あなたのなさった約束は、ぜんぜん奴を拘束していないんです」
 マイケルが鋭く口をはさんだ。「さまざまな件が現在交渉中なんだ、…私の言葉で充分でないのなら、ドンに訊いてみるんだな」テッシオは、自分が言い過ぎてしまったことを理解した。二人の幹部は十分納得せず、不安を抱いていた。カルロは、ついに家族の一員として扱われる時がきたのだと期待していたが、すぐにマイケルがそのつもりでないことを知った。書斎にはドンとトムとマイケルが残り、彼はネリに案内され、書斎から去っていった。
 書斎では、三人の男たちが、酒を注ぎながら、同じ家同じ家族で長らく暮らしてきた人間だけが許されるくつろぎを味わっていた。トムが最初に口を開いた。「マイク、君はなぜ私を活動からはずしたんだい?」
 マイケルは驚いた様子だった。「君はベガスでぼくの腹心になるんだぜ。…君は法律家だ。それより重要なものがほかにあるというのかい?」トムは少し淋しげに微笑して話した。自分や幹部を通さず、ロッコ・ランボーネが秘密の組織を作っていること、直接ネリを動かしていることを。
 マイケルは顔をしかめた。「君に感づかれたとなれば、それ程完璧でもないぜ。どっちにしろ、ドンがランポーネを選んだんだ」「オーケー」トムが言った。「それで、なぜ私は仕事からはずされたんだ?」マイケルが言った。トムが戦闘時のコンシリエーレではないこと、万一に備え、戦線から離れていてほしいことを。「オーケー、だが私は、偶然にもテッシオと同じ意見なんだ。…」とトムは言った。
 とうとうドンが口を開いた。ドン自身がマイケルに助言したこと、やらなければならないことがあるがドンは責任を負わないこと、トムをコンシリエーレとして認めていること、これから起こることにトムが加わってはいけないことを。
トムは、自分が落ち着きを取り戻すのを感じた。「たぶん、手助けぐらいはできると思うよ」マイケルはきっぱりと頭を振った。「君は手出しをするな」
 トムが出ていくと、マイケルはドンに言った。どうしたら、人が気に入るような方法でノーとい言えるのか教えてほしいと。ドンは席を移して言った。

ゴッドファーザー198ドンとマイケル

「おまえが好きな人間には、あまりたびたび“ノー”と言わないことだ。それが秘訣だよ。そして、それを言う時には、それが“イエス”のように聞こえなくてはならん。さもなければ、相手に“ノー”と言わせるべきだ。…」マイケルは笑い出した。「わかりました。でも、トムをはずすことには賛成でしょう?」ドンはうなずいた。「彼を巻き込んではいかんな」
 マイケルは静かに言った。「ぼくがやろうとしているのは、単にアポロニアとソニーの復讐のためではないってことを父さんにわかってほしいんです」ドン・コルレオーネはうなずいた。「復讐という料理は、冷えた頃がいちばんうまいものさ。そうしないかぎりおまえが決して生きては帰れないとわかったからこそ、わしはあの停戦協定を結んだのさ。…奴らが狙っていたのがドン・トッマジノではないというのは確かなのかね?」
 マイケルは言った。「そうとしか考えられません。…ぼくは、ファブリッツィオが門を通って逃げていくのを見たんです。…」「その羊飼いを見つけたのだね?」ドンは尋ねた。「一年前に見つけました。奴はバッファローで小さなピザの店を出しています。…」ドンは言った。「それでは、もう待つ意味はないわけだ。おまえはいつ始めるつもりだね?」マイケルは言った。「ケイが子どもを産むまで待っていたいんです。…1年後と考えています」「おまえは、あらゆることを覚悟しているのかね?」ドンは尋ねた。
 マイケルはやさしく言った。「父さんはいっさい関係ないんです。なんの責任もない。…」ドンは、ため息を一つついて言った。「そうするがいい。たぶん、それでこそわしは引退し、たぶんそれでこそ、すべてをおまえにまかせたのだ。…」
 その年、ケイは2番目の子ども―また男の子―を産んだ。同じくその年、ニノ・バレンティが脳出血で死んだ。新聞は、ジョニー・フォンティーンが葬儀をとりしきり、その葬儀は家族と親しい友人だけが出席する内輪のものになることを伝えていた。カリフォルニアで営まれた葬儀には、コルレオーネ・ファミリーではフレディだけが出席した。ドンのかわりにアルベルト・ネリがファミリーの代表として西部に派遣された。
 ニノの葬式の2日後、モー・グリーネはハリウッドにある映画スターの愛人の家で撃たれて死んだ。それから1ヵ月ほど、アルベルト・ネリはニューヨークに姿を見せなかった。彼はカリブ海で休暇を取っており、真っ黒になるほど日焼けして務めにもどってきた。

ゴッドファーザー197モーグリーン

 マイケル・コルレオーネは微笑と収入を含むいくつかの賞賛の言葉で彼を迎えた。ネリは満足し、義務を果たした者が正当に報われる世界に自分がいることを確認したのだった。(続く…次回は9/28投稿予定)


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