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シードラウンド1.1億円の資金調達-振り返り

AnyReach代表取締役の中島です。
この度、AnyReach株式会社はシードラウンドにてCoral Capital、XTech Ventures、グローバル・ブレインを引受先とした1.1億円の資金調達を実施しました。


有難いことに多くのメディアにも掲載をいただき、PRtimesでもおかげさまで「旬速」・「いま話題」で両方2位になるなど、多くのviewをいただきました。

創業してから約1年間、
人はおらず、お金もなく、信頼も実績もないところからはじめて、なんとかやってきました..!

毎日自分の実力不足には悔しいことばかりですが、
その都度いろんな人に助けていただき、少しずつ前に進んできました。

お客さま、エンドユーザーの方々、メンバー、VCの方々、その他多くの皆様に大変感謝しております。
お世話になりっぱなしで、少しでも自分も、何か役立つ情報を発信できればと思い、シードのタイミングですが、noteを書いております。
(採用頑張りたいという思いもあります)


創業から1年間、資金調達を我慢していた理由

自分は起業1社目であり、信頼や実績が多くあるわけではないため、
資金調達時期はなるべく後ろにしたいと考えていました。

5年、10年かけて1,000億円、1兆円の会社にしていくために、
株式は命の切り売りであり、株式調達は相当の準備を持って臨むべきという考え方は、ナナメウエ(Yay!)の石濱さんに、創業前から多くを学ばせていただいたのが大きいです。

限られた自己資金と、少しばかりの銀行借り入れを元に、なんとしても事業を形にしてから調達する。それまでの資金体力は気合でなんとかして、残りは事業へ全集中。
というのが創業からのスタンスでした。

創業初期は、政策金融公庫の創業融資、その借入確定後にすぐにきらぼし銀行の創業融資の両方で進めていました(獲得のためのTipsが結構あって別途また書きます)


エクイティでの資金調達に動き始めた背景

自己資金と借り入れのみで採用を進め、少しずつ事業を創り、そしてリリースしたAnyGiftが初期からトラクションが出て、一定の兆しが見えてきました。


また事業をやっていく中で、この"ギフト"や"Eコマース"の領域で、10年・20年と挑戦を続けたいと思えたこと。これにより資金調達に動こうと思い至りました。

また以下の10X矢本さんの質問回答も、相当刺さりました。

シードの資金調達について質問です。プロダクトがない状態で調達した資金を溶かしてしまったスタートアップをみたりして、独立するなら最初は自己資本で小さくやってプロダクトが伸びそうになったら資金調達をする。とした方が良いのかなと思うのですが、ヤモティーさんはどのように考えますか?タベリーがまだ見通し不明の状態で資金調達していたように思いますが、当時はどのように考えて資金調達していたのでしょうか?|新たな発想を生み出す質問箱 Querie.me シードの資金調達について質問です。プロダクトがない状態で調達した資金を溶かしてしまったスタートアップをみたりして、独立する querie.me

「自分はこの仕事を何年やるか、どんな大きさの器を作ることを目指すのか」について肚を決めましょう。それによってとるべきリスクのサイズが逆算で決まります。正解は自分にしかありません。私はタベリーがダメだったとしても世に非連続なプロダクトを生涯をかけて創ると決めていたので自己資本でいつでも辞めれて、誰かにコミットを求められず、代わりに人も巻き込めず、速度も出ないという道はすぐ切り捨てました。

AnyReachとして大きなことを成し遂げるために、後戻りが出来ないぐらい、周りの人達を巻き込んで、速度を最大にしてやっていく。
そう思ってからは一気にVCの方々にお会いしに動き始めました。


初のエクイティでの資金調達

VCの方々に資金調達の話をし始めて、完了まではだいたい3ヶ月ぐらいでした。
創業時から事業相談や、壁打ちという体裁で何度も会ってる方々がいたことは、スムーズに色んな方と話せた要因でもありました。

人生初のエクイティラウンドに対して相当慎重になっていたこと、単純に資金調達を通じてVCの方々からいただくフィードバックを聞くのが面白く、事業の糧になっていたというのが、3ヶ月という期間を要した理由でした。

シードラウンドなので、1週間ぐらいですぐに決めて早く事業に集中したいというタイプもいるかもしれませんが、自分は5年・10年一緒に戦うVCの方々とは、お互い齟齬なくやりたいというのもあります。

とはいえシードでやるべきことは、事業の解像度・顧客の解像度を上げることのみなので、人と話しすぎるのは注意が必要かもしれません)

結果として、Coral Capital 、XTech Venutures、グローバル・ブレインに投資をいただき、大変心強い株主に恵まれました。


シードでのバリュエーションについて

シードでのバリュエーションはが決めづらい問題はよく挙げられる気がします。
確かに何もまだ成し遂げていなくてもこの会社は1億円だ、2億円だと算定されるので、じゃあ3億なら?4億なら?という打診のイメージは想像できます。
こちらの記事を見ていると、一般的には1億、最近だと2~3億ぐらいのバリュエーションが多いらしいですね。

自分たちは、経営チームが揃い、プロダクトがあり、顧客解像度が高く、一定のトラクションもあったことが評価されたところかもと思いつつ、良かった学びは、

シードでの調達ロジックは、シリーズAでの仕上がりからの逆算であるということ
シリーズAをどのような事業状態・組織規模感・バリュエーションにするために、必要な検証項目・検証期間・検証費用のために希望する調達金額が決まり、ダイリューションが決まり、そのためにバリュエーションを決めて交渉するということ。

ここを明確にするために、以下のPodcastにもあるような”出来る努力を徹底的にやる”のが良いと思います。(とにもかくにも、"解像度"が圧倒的に高いことは正だと思ってます)


こんな世界を創りたい、についても徹底的に考えきっているのが良いと思いました。以下の出木場さんのメッセージも刺さります。

そうしたときに、結果としてシードラウンドだろうと、
このバリュエーションで調達をしたいんだということ、そのための合理的な道筋、その価値以上のリターンを出せるという期待を見せれるんじゃないかと思います。


終えてみて反省点

たくさんありすぎて、書ききれないですが、、、
一番は調達のための面談から最終確定には3ヶ月は期間を使いすぎてしまったという点。

対面するVCの担当者によっては、投資委員会を通してくださっていたり、GPコミットをしてくださっていたり、いろいろな「合意」の形式があるなと感じますが、投資委員会を通してくださっている中で、かなりの期間をお待たせしてしまうのは絶対に避けるべきだったなと感じます。。

とはいえ、シード期はほぼ代表が全て、事業の戦略、プロダクトマネジメント、採用、顧客ヒアリング、セールス、サクセス、CS、法務、労務などをやっている中でのプラス、ファイナンス活動なので、短期間でどこまで詰めきれるのかみたいな論点もあると思ってます。。


※ファイナンスは、正解がなく、いろんな意見はあると思うので上記全て、当てはまらないケースもあると思っています。


これからの1年間に向けて

かなりリーンに少人数でやってきて、そろそろ相当人が足りないことに気づいてきました。ここにもっと人がいればアクセルが踏めそうだ、検証が加速できそうだ、という状態になってきています。

不況の時代だからこそ、スタートアップが一気に抜きん出るチャンスだと思いますし、最近周りの大企業勤務の友人がどんどんスタートアップに転じているのを見ると、やっぱりこの熱量や得られる学び・経験は最高に面白いんじゃないかなーと思います!

副業からでもwelcomeなので、このnoteを見た方は、
ぜひその力を貸してください!


ファイナンス関連、書ききれなかったこと

以下は、書ききれなかったけど今回のタイミングでかなり調査したので詳しくなりました。もしこれからシード動く方いればいつでも相談乗ります🙏

  • ストックオプション設計をいつからどのように進めていくべきか(有償,無償,信託型のメリデメ含めて)

  • エクイティまで耐え抜くための創業初期デットファイナンスについて

  • 今から創業するなら絶対に渋谷区に登記したい件

  • シード期からも意外に獲得できる補助金について

  • JKISSを使うべきメリット/デメリットと1.0 / 2.0の注意点

  • 創業者間の持ち分をどうするべきか

  • 投資家周りの順番や紹介 vs 直接連絡の成功確率



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また今年noteたくさん書いていきます📔

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