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読書感想文〜ティファニーで朝食を〜

こないだ、あんなにもうお酒は飲まないと
何かに誓ったのに、忘却の彼方なので
またしこたま飲んで
まんまと二日酔い。
だって新宿ゲイ大学長圭子ママが楽しすぎたのだもの。

先日「本(読書)は時節」について記事を書きました
そのきっかけになった本の感想文。
不朽の名作です。

トルーマン・カポーティ 『ティファニーで朝食を』 村上春樹訳

まず最初に読んだ感想を言いたい
何コレ、最高カヨ!!!
ああ、神様。こんな素晴らしい小説を読む前に
あの有名な映画を見てこなかった私の人生に感謝します!
ってぐらい良かった。
最後に村上春樹が解説で、表紙にオードリーヘプバーンを使いたくなかったと言っていた。
これわかる。ずっとそのイメージで小説を読むのは本当にもったいない事なのだ。

今のところ、私の経験では、
小説原作の映画が小説に勝ったことがない。
圧倒的に小説のほうが素晴らしいので映画は見ないようにしている。
唯一、グレアムグリーンの「第三の男」という小説はグレアムグリーンが先に映画の脚本を書いてからのちに小説化した作品なので
こちらの映画は見てみたい。
グレアムグリーンの話もまた機会があったら書きます。

「ティファニーで朝食を」は短編である。
この作品集には4つの短編がはいっている。

『ティファニーで朝食を』
いわずもがな
オードリーヘプバーン主演の映画の原作
事前に少しの書評を読んでしまったので
ラストが心配でしたが
私はハッピーエンドに捉えました。
破天荒な生き方しかできない美人女性に
振り回される作家志望の主人公。
素敵な文章が至るところにちりばめられている。
キラキラと宝石が光るように。

「私が言いたいのはね、男たちとセックスをして、金を搾り取っておいて、それでいて相手のことを好きにもならないなんて、少なくとも好きだと思おうともしないなんて、道にはずれた話だってことよ。」

これは売春婦についての心の在り方を話している場面ですが
私はこれは全国の水商売の方にも言いたい。
そしてこれめっちゃわかるーーーーーー!!!のです。
やはり、愛がない女はどんな形であれブスでしかないのです。
いつか「銀座のママが語るブス論」はまとめたい。
不器用にしか生きれない女の素敵な話でした。

『花盛りの家』

これも面白かった。
男相手のBARで働いている売れっ子スターの女の子が
ある日友達と見に行った闘鶏場で
農村から出てきていた
男の子と恋に落ちてしまう。
そのまま荷物をまとめ
農村に嫁いでしまう〜という話。
華やかで不自由のない宿勤めから
農家の嫁という全く違う世界で
奮闘し、信じた愛の行方までラストが良い。
結論の意外性は短編の醍醐味だと思っている。

『ダイアモンドのギター』

これはですねー
もう最後が。
いや、刑務所の話なんですけど。
元々真面目で生きてきた主人公が
不条理な理由の犯罪で終身刑になっているんですよね。
模範囚となり平和な日常に
若く美しく生気に満ちた新人受刑者と出会う
という始まりです。
最後が、私は笑ってしまったんですよ。
でもきっととても悲しいお話です。

『クリスマスの思い出』

私はこの作品が一番好きでした。
もう本当に素敵です。
とても辛く厳しい生活を
おとぎ話のような寓話のような。
そんな雰囲気で描写していくので
不思議と悲しくなく
それどころか
とても心温まる話。
切ないけれど忘れられない素敵な思い出です。

トルーマンの文章を村上春樹の訳で読む。
贅沢なこの一冊をずっと積んだままだった私。
しかし、本は時節、2度出会うのです。
もし映画も小説も手を出していない方は
小説を読んでほしい。


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