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読書感想文〜2020年6月30日にまたここで会おう〜

今月2冊目の新書です
この本はタイトル買いしました
新書コーナーの売れ本ランキング上位に
平積みされていて目立っていたのもあります
毎月新書は読書の休憩のために
数冊買うので何も考えず
タイトルで選ぶ傾向があります

単純に2020年6月30日って今月だな
と思って買いました
私の本の買い方として
本屋さんに行くとまず
「買う本」リストをみながら小説コーナーを歩き
リストにない本も結局手に取りますが
大抵はあらすじも読まず
中身(出だし)を読むこともありません

なのでこの本がどういった内容なのか
全くわからないまま読みましたが
実は少しの前情報を知っていました

それはこの著者である
滝本哲史氏
去年の夏に亡くなられているのです
その方が今月の30日に
「また会おう」と言っていたのは
なんでだろうと思いました
それゆえにもっと情緒的な切ない本かと
例えば闘病記的な講義かと思ってました

読んでみると
私の想像とは全く違い
2019年の夏になくなることを全く知らない
2012年6月30日に東大で講義された内容が
収録された本でした

これからの日本を嫌でも
支えなければならない
若者に向けての
ビジネス本でした
普段、私はビジネス本や自己啓発本は一切読みません
理由は全ては小説で学べると思っているからです
小説から情緒を抜いて
ロジカルに書き出したものが
ビジネス本だったり
自己啓発本だと思っている節があるのです

しかし、たまたま手にしたこの新書を読むと
2012年にこの講義を受けた300人の若者を
羨ましく思いました
私の20代は日本に対して何かを憂う時間も
あったかも記憶にないし
あったとしても行動に移す事もなかった
けれどもこの講義に参加している300人は
少なくとも滝本氏の講義を聞くという行動に出ている
そして40代の私が
「経験」してきたことで学ぶような
処世術や交渉術をちゃんと伝えている
意識の高さに脱帽する
そして最後に8年後の2020年に
この講義を受けた若者たち300人と滝本氏は
また「ここで会おう」と締めくくっているのです
それはこの講義を受けて
それぞれの若者たちが8年間どう過ごすのか
楽しみであるといった
希望に満ちた内容でした
残念ながらその答えあわせの講義は
叶いませんでしたが
その時の300人の若者や
この本を手にした今の若者や
もう若者ではない我々も
それぞれの立場で具体的に考えることができる本
なのかなと思いました

ロジカル至上主義的な内容なので
私個人としてはどちらかというと
数学者藤原先生の「国家の品格」の方が
共感度が高いのですが
それは中年ゆえかもしれませんね





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鈴原音乃
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