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頭の悪い程に無駄な時間を作ろう


私は時間の使い方がとんでもなく下手である。
仕事の時はある程度気も引き締めるが、
プライベートになると、それはもう如実に現れる。

そういう時のことを『効率が悪い』ともいう。

ただ、無駄に過ごした時間が
時として『有益』に繋がることもある。


今でこそ月額を払ってネットで映画を見る私だが、
大学時代はいそいそとレンタルショップへ通い、
月に2回(1本100円のセールを狙って)
3本の映画を借りる習慣があった。

そこは結構な都会だったので、
まあ品揃えが良かった。
マイナーな映画も沢山あった。

私は下調べや予習をせずに、
ぶっつけでレンタルショップへ通っていた。


何も決めず来店すると、
膨大な数に心がやられそうになり、目眩がする。
でもそれが楽しい。
絶対に勝つ!という闘志を胸に
長い戦いが開始する。

私はまず、何度も何度も同じ棚を見ながら
タイトルとパッケージを見ていく。
恐ろしいことに、この時点では
借りるジャンルすら決めていない。

それでもグルグルと棚を回ると、
自分が今日求めているジャンルは、ある程度絞られてくる。

それはミステリーであったり、ファンタジーであったり。
自分の潜在意識に問いかける、と言った表現が正しいだろう。

それからまた、同じジャンル内で
タイトルを1つずつ見ていく。

気になったものがあれば、今度はパッケージ、
そして裏のあらすじを見る。
この3つが私の興味の合格点に達した時、
初めてカゴに入れられるのだ。

だから、私の選定基準は
「知っているか、知らないか」など関係ない。
聞いたことの無い映画も躊躇なく借りる。
勿論ハズレも多いけれど、これで当たった時が勝負に勝った時である。

因みにその一例を聞かれれば、
印象深い映画としてこちらを提示することにしている。


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『カラー・オブ・ハート』

ご存知の方もいるだろうか?
ポップでファンシーな映画だと思ったらとんでもなく裏切られた作品である。
ゴリゴリの風刺映画。
だけど、アメリカの時代背景も捉えられていて
良い意味での裏切りだった。

後味の悪い映画が好きな人には
『みなさん、さようなら』をお勧めする。

画像2


(予告CMを見たことがあるので、知名度はまあまあかと思われる)
濱田岳が主人公の映画である。
主人公が濱田岳なんだから、
ほのぼのコメディ風味の映画だと思ってしまった。
あれは私的には悪い意味での裏切りだった。
ただ、今でもフラッシュバックする程に強烈な印象が残っているので
映画作品からすれば成功とも言えるだろう。


とにかく、私は超独学で1年間程レンタルショップに通った。
結果として、埋もれた作品に出会うことも多かった訳である。
1度の来店に、1時間も2時間もかけて。

時間がある故に出来る楽しみ方だ。
今でも、本屋に行った時だけは
狙いを定めずゆっくりと選ぶことにしている。

面白いと決めつけてはいけない。
作者や知名度など気にせずに、
その場の出会いを大切にする。

知らない何かに出会うということは、
一番に心の余裕が大切だ。
時間に追われれば妥協が生まれる。
無知であれば容易く出会えるものも、
その分野に詳しければ詳しいほど、
忍耐と余裕は必要になる。

有名な作品は面白い。
だけど、自分にとって面白い作品は、
プロが評価しているとは限らない。

無駄な時間を作ろう。
頭の悪い程効率が悪くても、
きっと知識となって、有益に返ってくる筈だ。


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