腑に落ちないパグ

ネットの診断で、最も顔が似ている動物は「パグ」だと言われた時、
少しホッとした自分がいた。
パグは「ブサカワ」と言われていて、
かろうじて「カワ」が付いているからである。


冒頭からトンデモナイが、どうか聞いておくれ。

そんな私ではあるが、第三者から「可愛い」と言われたら、
例えお世辞だろうが嬉しい。
それは私自身が、可愛いものが好きだから他ならない。

では、女性に可愛いと言うのが正解なのか、と問われると
首を縦には振れない。
私にも、【不服の可愛い】はあるからだ。

とっても生意気である。
言われることを幸せに思え。
脳内の自分がデモ行進してもおかしくない内容だが、
密かに私が抱えている不服を、どうか吐き出させて欲しい。
これはマイノリティーとは少し違う。
あくまで個人的な感覚の話なので、
エッセイとして読んで貰えれば幸いである。


私は可愛いものが大好きだ。
身に付ける物だってそういった類を好むし、
それを可愛いと言って貰えるのは尻尾を振って喜ぶ。
自分が求めている結果だからである。
結果としてその雰囲気から、可愛いと褒めて貰えるならば
その日は1日ご機嫌である。

ただ、そんな私にも「格好良い女」への憧れがある。
それは内面的な話であって、
創作についそういったキャラクターを出してしまうのも
潜在的な憧れがあるからだろうし、
そしてそれが私の手に届かない物だから
つい言葉で具現化してしまうのだと思う。

即ち私には、克服出来ないコンプレックスが幾つかある。

・ホラー映画が見れないこと
・強いお酒が呑めないこと
・絶叫マシーンに乗れないこと

他にもあるが、今回は割愛させて頂く。

20歳になる頃、赤ワインを飲む自分を想像してワクワクしていたものだ。
その年の誕生日、
晩ご飯に出てきたスパークリングワインは苦くて1口しか飲めなかった。
今でも酎ハイ位しか得意げに飲めず、酒の種類も片手程しか挙げられない。

ホラー映画が見れないことは、本当に悔しい。
私はどんな映画も見れる強い女になりたいのだ。
唯一の武勇伝は『地獄でなぜ悪い』を最後まで見れたことくらいである。
私はこれからも、この1本を武器に戦っていくしか無いのだ。

上記に挙げたものは、
性別問わず「可愛い」と言われやすいテーマでは無いだろうか。
この「可愛い」の正体はなんなのか。
「か弱い」に掛かったそれである。
これはもう元来人々に植え付けられたもので、仕方ないのだが
「か弱い」は「可愛い」のである。

どうやら私の不服は、ここにあるようだ。
強い女に思われたいのに、その壁はどうしても乗り越えられない。
そのコンプレックスを「か弱い」と突かれる。
だから私は、その悪気の無い言葉に唇を尖らせてしまうのだ。

「可愛い」という言葉は「素敵」と同じくらい便利な言葉で、
ついついオールマイティに使ってしまう。
だけどその「可愛い」は、言い換えるとなんという言葉になるのだろう。
もしかするとそのニュアンスは、
褒め言葉で無い時もあるかもしれない。

「可愛い」は性別面のみならず、
日本語学面からしても興味深い。

なんだか可愛い反対派みたいになってしまったが、
勘違いしないで欲しい。
繰り返すが、私は可愛い物が大好きだ。
そんな私から、助言として言えるのは1つだけ。
どうか今から言うことだけは、心の片隅に置いていておくれ。

好きな人の『カワ良い』部分を褒めれば、
「大抵」の場合は上手くいくのである!

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