見出し画像

小さくて狭い

私が初めてバイトしたカフェの店長さん。
貴方は今、私がブライダル業界で働いているなんて
微塵も思ってはいなかったでしょう。
あの時の私は余りにもポンコツで、
今思えば情けないくらい甘い考えを持った若造だったのです。


突然だが、バイトをクビになったことが人生で2回ある。
1度目はカフェで、2度目は和菓子屋。
まあ直接的に「お前はクビだ!!」と言われた訳ではないが、
「君ここの仕事向いてないと思うよ」と言われて辞めたのだから
実質クビに変わりない。

バイトが2回もクビになるなんてエピソードは誰しもが持っているものでは無いし、今でこそ武勇伝のように笑い話にしているが、
当時は自尊心というものを大いに傷付けられて落ち込んだものだった。
私が社会に適合しにくい性質であることは、このハナシ1つ引っ提げていけば
容易に伝わることであろう。

そんな奴が今、ブライダル業界で働いているなんて誰が思っただろうか。
私ですら就職するとき「こんな責任の重たい仕事、2ヶ月で辞めるに決まっている」と思っていたのだから人生何があるか分からない。

何故続けられているかと聞かれれば、
私は飲食店や販売業よりも、偶然ブライダル業界が自分にフィットしただけである。
例えば不特定多数より決まった人を相手する仕事が向いてたとか、
例えばレジをするよりもパソコンを触っている方が性に合っていたとか
たまたま狭くて小さい隙間に、今の仕事がフィットしたのだ。
そういうことは起こるというのを、皆様にも是非伝えたい。

当たり前だが世の中には色々な業種と職種がある。
「楽そうだから事務仕事にした」とか
「この業界なら楽でしょう」とか
世の中には区別というか(強く言えば差別というか)そういう言葉が飛び交っている。
だけど私からすれば、それは大いなる勘違いだ。
私はエンドロールは作れても、未だに事務作業が出来ない。

表を作るとか、数字を入れていくとか、
とにかくそういう『キッチリ正しく細かい作業』が苦手なのだ。
コンピューターが勝手に計算してくれる筈なのに
何故か答えが合わなかったり、
何か大変なものを見落としていたり、
出来る人からすると「誰でも出来る」事務作業も、
苦手な人からすると高く手が届かない領域なのである。
逆に言えば、事務仕事が出来ないからといって
「こんなことも出来ないのか」と言うのは間違っているし、
出来ない自分を同じように「事務仕事でさえ」と思うのも間違っていると思う。

私は今、たまたま続けられる仕事に就いて
たまたま周りの環境に助けられて生きている。
根っからのアウトサイダーなので、
苦手なことは「ミスする可能性があります!」と早めに伝えて、出来ないからといって自分を責めるのは辞めている(身が持たない)
何かの仕事で上手くいかなくて逃げるように辞めた人がいるのなら、
それがどんな職業だったにしても、自分にフィットしていなかっただけ。
今だって私はギリギリで生きていることに変わりない。


あの時のカフェの店長さん。
私は半分飛ぶ形で、逃げるようにバイトを辞めましたね。
皆は当たり前のようにやっているのに同時に幾つもの作業が出来なくて、
何故自分だけ出来ないのか、責めながら逃げました。
当時の私は、どこか自分に期待して何でも出来るような気がしていたのかもしれません。
今は大人になって、ハッキリと宣言出来る強い心を持ちました。
カフェ業務、向いて無いっス!


この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,418件

よろしければサポートをお願い致します!頂いたサポートに関しましては活動を続ける為の熱意と向上心に使わせて頂きます!