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仏教における智慧。マインドフルネス瞑想『自由への旅』(ウ・ジョーティカ・セヤドー)【ヴィパッサナー(観)の瞑想】

 仏教は「智慧の宗教」とも言われています。
超越者への信仰とそれによる救いではなくて、智慧です。

ただこの仏教における智慧についても、上座部の言う智慧と、チベット仏教ゲルク派のあんな難解な顕教ばかりやってるインテリ僧の考える智慧とでは違いがあるのかもしれません。


「釈迦の説いた教えや修行実践が仏教である」とするのなら、仏教における智慧というのは、原型的には、上座部の言う智慧のようなものなのではないだろうかと私には感じられます。


 上座部仏教における智慧とは、徹底的にヴィパッサナー(観)の瞑想による洞察智、厭離、悟り、解脱のことを言うのでしょう。

関連note:>> 実践によって生じる「智慧」の体験・働き

関連参考:十六観智(清浄道論)


上座部の瞑想修行について書かれたもので評価の高い良書の一つには、ウ・ジョーティカ師(Sayadaw U Jotika) の『A Map of the Journey』があります。

ウ・ジョーティカ・セヤドー  自由への旅: 「マインドフルネス瞑想」実践講義

書籍になる前から、無料配布(PDF)されているようです。↓↓(「ミャンマー仏教書ライブラリー ~英緬仏教書の翻訳・公開~」より)


 この『自由への旅』を読んで、すごく興味を駆り立てられた人は、上座部の修行の素質があるのかもしれません。
そこらへんの「マインドフルネス瞑想」のことを、ヴィパッサナー(観)の瞑想だと考えている人にとっては、理解が難しいかもしれません。

まさに智慧の実践であって、超越者への信仰と救いではなくて、実に『智慧』です。

上座部の説く洞察智というのは、人類の瞑想の伝統に花開いた一つの精華だと私には感じられます。