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青山ブックセンター的なるもの

用事があり原宿に行った。原宿に行くのは久しぶりだった。1年以上行っていないかもしれない。

用事が思ったより早く済んでしまったので時間を持て余してしまった。今使っている箸がくたってきたのでFound MUJIで新しい竹箸を買い、KEENで新しいスニーカーを見たが時間が余ったので青山ブックセンターに行った。

エスカレーターで地下に降りて青山ブックセンターに着くとある特異な感覚、記憶が想起された。

大学のサークルの1、2年目のころ、仲間うちでは青山ブックセンターがおしゃれでサブカルチャー的な場所の代名詞的存在であり、特に本を買いはしないのだが、よく青山ブックセンターに通っている者が多かった。いま思うと梶井基次郎の檸檬に出てくる丸善のようだなと思う。

自分も暇があれば青山ブックセンターや、近くの古本屋を覗いたりして、金があれば適当に安い本を買ったりすることでささやかにサブカル的な自己充足を得ていたが、そんな退屈で無為な日々のなか、こんな浅薄でだらだらとした生活をしていてはだめだということを思った、ということをなぜか青山ブックセンターを見たら思い出した。誰か先輩か友人に言われたのか、誰に何を言われたのかなど明確なことは何一つ覚えてはいないのだが。何となくそんなことを思ったことの感覚が青山ブックセンターという場所から、記憶から想起された。

洋書の写真雑誌を少し立ち読みし、グレイス・ペイリー「その日の後刻に」が文庫化されていたので買った。他は店内はあまり見ずに帰った。

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