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固定費の2年分をキャッシュで持ちたい

当社・Gerbera Music Agencyの財務における目標は「固定費の2年分をキャッシュで持つこと」です。借入金アリで良いので 、2年分。
理由は2つあります。ひとつは、予期せぬ危機にも対応できる財務的な余裕を持ち続けることが会社経営において大事だと考えを、コロナ禍を経て強めたから。もうひとつは、私自身のメンタルを守るためです。この2つの理由について以下で具体的に書いていきます。

Gerbera Music Agencyは音楽業界特化型のインターネット広告代理店です。主にレコード会社や音楽事務所に所属するアーティストの新譜を、YouTube広告やInstagram広告などを配信・運用することでプロモーションしています。
当社のような広告代理店は広告費実費を広告主の代わりに立て替えることが一般的です。クライアントからの入金よりもGoogleやMetaといった広告プラットフォームへの支払いの方が早いため、相応の運転資金が必要です。会社で抱える案件数が増えていくに伴って、持っておくべき運転資金も増えていきます。こうした事情があるため、キャッシュを多めに持っておかないといけないという認識は以前から持っていました。

会社経営におけるキャッシュの重要性を強く意識するようになったのはコロナがきっかけでした。飲食業や宿泊業を中心に、売上を立てる手段を失って急速に業績が悪化する企業をたくさん見ました。多くの企業がゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)を利用するなどして当座の安全を確保したわけですが、もしゼロゼロ融資が使えなければそのまま倒産していた会社も相当数あったと推察します。

私は会社を経営するうえで資金繰りの苦しみを味わうことを非常に恐れています。外注費が払えなくて多くの方に迷惑をかけたり、給与が遅配して社員の生活を苦しめたりするような状況は絶対に避けたい。そのため、仮にコロナのような緊急事態が起きて固定費が1年間まるまる吹っ飛んだとしても、まだ1年立て直しの余裕を持てる状況でいたい。だから固定費2年分をキャッシュで持っておきたいと考えます。

こうしたスタンスをビビりすぎだと捉える方もいると思います。借入を含めても良いとはいえ、法人税を差っ引かれながら2年分の固定費を貯めるには相応の時間がかかります。得られた利益の多くを再投資して攻め続ければ、より早く会社を成長させられるかもしれません。しかし、私はそれをしません。金が回らなくて迷惑をかけることが大嫌いであり、怖いからです。
資金繰りの恐怖に晒されると自身の心の健康を害すことが分かりきっているので、常に余裕を持って会社の舵取りを行うために守りに重きを置くスタンスで良いと思っています。

ただ最近は、守り重視すぎて会社の成長につながるようなお金の使い方ができないのもいけないと考えていて、生産性向上につながると期待できる投資についてはできるだけチャレンジするようにもしています。「良い金の使い方」を身に着けられればいいなと思っています。

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