見出し画像

丁寧食

 私は今、早食いを治したい。友達とご飯を食べると、必ずと言っていいほど先に食べ終わる。その上、友達よりお腹いっぱいになっていないように感じる。
糖質制限ダイエットで、もやしや白滝などのかさ増し食材を普段から食べていた。”この1口が太らない”という安心感から、よく噛まずにすぐに飲み込んでお腹を満たしていたのかもしれない。

 確かにぱくぱくリズム良く食べて口の中に入れていくと、カラカラなお腹になるべく早くご飯を入れられる。
でも、味や香りを感じていないのではないか。
 丁寧な食べ方をすることで、このお米は甘いなとか、この味噌いい香りがするなとか、このニンジンはもっと香ばしい香りをつけて焼きたいなとか、味も食感も今までと異なるレベルで感じられそう。
ゆくゆくは、原田マハさんのエッセイに出てくる食材の描写を思い描けるくらいに食を愉しみたい。
今までと同じ量のご飯を丁寧に食べていたら日が暮れちゃうから、美味しいものを少しずつ食べよう。
 
そう思い立った今、毎日実践しようと決めたことはこれだ。
 まず、今日のランチはこの子達を全力で楽しむぞ!とお盆の上に盛り付けけ、お腹いっぱいに香りを吸い込んで気持ちを満たす。
 次に、箸でゆっくりと口に運ぶ。この時、すぐに噛んではいけない。舌で転がして感覚を味わうのだ。
 最後に噛み締める。噛むのではなく、噛み締める。何回噛むとは決めずに、もう口の中で感じることはない。と思えるくらいに愉しんだら飲み込む。
これが理想の食べ方で、ガツガツした食べ方とは正反対の食べ方だ。今までの自分の食べる姿が恥ずかしくなってくるし、香りも味も関係なく胃に素早く収められた食材がかわいそう。
ごめんね、これからは時間をかけて細かく丁寧に噛んでから飲み込むからね。
習慣化していないことを定着させるには相当の努力が必要だが、丁寧食は絶対に身体にいいし美味しいことが分かっている。
感覚を研ぎ澄ませることで、もっと複雑な味を感じられるようになるかもしれない。
そうなれたら、食のエッセイをいつか書きたいな。

って考えてたら、これからの人生の幸せがまた増えた気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?