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デートをした後にブロックされた日のこと

待ち合わせ場所。

私はアプリの写真を頼りにマサルを探した。

いない。

何人か男性は立っているがマサルっぽい人がいなかった。

キョロキョロしていると、向こうから近づいてくる一人の男性がいた。


!?


(これが・・・・・・マサル?!)


よく、「会う約束をした人← →実際に来た人」みたいなツイートが流れてくるが、そんなこと私の婚活史上(約1年)の中でなかったので、信じていなかったが、本当にそれが起こってしまった。


言うなれば、小栗旬とジョイマンくらい違った。



※この記事は全体的に口が悪いですが事実と乖離しないための記録のため御了承ください。

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数時間前。


私はイライラしていた。


うまく行っていると思っていたデート相手といろいろあり、もう一生会わないだろうくらいの出来事が起こって絶望していたのだ。


そう。

マルチである。

マルチに勧誘してきた。


本当に、婚活がうまくっていると思ったら、どん底に落とされるようなそんな出来事はもう幾度と乗り越えてきたからある程度免疫力がついてきた。

多少のことでは動じない。


しかしどん底に落とされた当日はきつい。頭にきた心を鎮めることができないし、刻一刻と私は歳をとり、結婚適齢期から離れていくことに焦りを感じる。


ああまた手札が0に戻った・・。


きっと婚活している人ならわかるだろう。この気持ち。

また結婚から遠ざかってしまった。そんな焦燥感でモヤモヤしているうち、つい、いつもはしない、「今日の夜会えますか?」というアポをとって引っかかったのがマサルだった。


後から後悔するが、「今日会えますか?」という問いに軽々しくきてくれるやつは大抵地雷だとおもう。


自分が誘っておきながら改めて思うが絶対に来る人はみな地雷。


わたしもマサルの一件後は自分を安売りしないためにもどんなに暇でも、「今日はちょっと・・」と断るようにしているし、今日会えますか系の男子には近づかないようにしている。


マサルは、マッチングアプリで出会ってやりとりしていた一人なのだが、見た目はうーん、かっこいいとは言いにくいがいい人そうという印象ではあった。

そして、じゃっかん前頭部分が後退しているがハゲまではいかないアラサー男子であった。

マサルはアプリの中で話している印象としてはちょっと陽キャ、仕事を頑張っている風だった。

ちょうど、いつご飯いきましょうという流れだったので「今日とかどうですか?笑」とノリで聞いてしまった。

たぶん15時くらいだったと思う。

マサルは即答で「いいですよ!」という流れになった。


「え、軽いノリだなおい、今日は土曜日だぞ、土曜日暇な男子か〜」と誘ったくせにそんな上から目線で返信を考えていた。(まったく、自分も暇なくせに、これだからこじらせ婚活女もいい加減にして欲しいと言う声が聞こえてきそうである。)


マサルに住んでる場所などを確認すると地下鉄で4駅くらいしか離れていなかったのでまあまあ近いねえ!という話になった。


しかし、ここから不穏な空気になる。

ゆ「場所はどこにしますか?」

マ「○○駅におすすめの居酒屋があるんですがそことかどうですか?」

ゆ「・・・」


○○駅!?

!?

私は思った。


なぜなら、○○駅=マサルん家の最寄り駅 であったから。

なぜ、私が交通費を払い、あなたは0円で、あなたの、男性側の最寄駅までいかないといけないんですか!?

と、頭の中でいろいろ思ったが、なんせ誘ったのは私。応じてくれたのはマサル。

きっとマサルの中で私は、「自分のことを気になってくれている女子」の一人なのであろう。ちょっと優越感に浸っている可能性もある。


しかたねえ。これはマサルの言うことを聞くしかねえ。


そして、18時に待ち合わせをし、初対面のマサルにあうのにドキドキしながら家を出た。


(そして冒頭部分に戻るわけだが・・)


出会ったマサルはイメージと大幅に違っていた。

何が違うか、うまく言えないが、

白いピチピチパンツの7分丈をはいていた。


ちょっとがんばってお洒落しました、って感じがちょっと無理・・って感じだった。


なんかどっかでみたことあるファッション・・



うーんんんんんなんだっけええええええ





考えていたらパッと思いついた。



お笑い芸人の意識高い系IT社長やん!



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こんな感じのファッションをインキャがしていて、無理に陽キャぶっているような印象のマサルだった。


インキャは私も同じなので、別にいいのだが、無理に、自分を高見せしている感じがなんかしんどい・・・という感じだった。


アプリの写真もおそらく5割増しくらいに見えるような写真を載せていた。さわやかそうな写真を載せていたが、実際はすごくオドオドしていて見た目もイマイチだった。


会った瞬間その感じなのだから長い夜になるぜ・・と思い、わたしはマサルとのアポイントに挑んだ。





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その日は初夏。すこし歩くと汗が滲むくらいの暑さだった。


はやくクーラーの効いた店にはいってハイボールを飲みたい・・


マサルはすぐソコ、と行っていたが多分体感で5分以上は歩いた。


マサルは

あれ、確かこの辺にあるはずなんですが・・いつもお客さんがたくさん店に入ってて、行ってみたかったんですよねえ」と場所があやふやな感じだった。


あれ?


わたしはマサルと約束をした時の会話を遡った。




マ「○○駅におすすめの居酒屋があるんですがそことかどうですか?」(回想)


わたしはてっきりマサルが行ったことあるおすすめの店に誘われたのだと思っていた。そんな、お店だし、わざわざマサルの最寄駅まできて楽しみにしてたのに、マサルてめえ、行ったことない店に私を釣って誘ってきたんか?


非常にイライラした。


でも初対面の相手、そんなことを見せてはいけないので、おしとやかにお上品に会話をかわした。


やっとのことで店に着き、いざ、店に入ってみると・・・


めっちゃ狭い・・


店内はカウンター席と立ち飲み席だがほとんどお客さんが座っていて歩くのも一苦労というような狭さ、密集具合だった(これは1年以上過去の話です)



なにこれ、めっちゃ狭いし暑いやん。


ほとんど満席だったので、座りたかったが空いているところがなく、マサルと立ち飲み席についた。

マサルは汗をかいていて、わたしも汗だくだった。


なんで立ち飲みなん。

もうハイボールも飲んでないのに帰りたい気分だった。





マサルと初回アポあるあるな婚活定番の話をした。


趣味、休みの日の過ごし方、仕事のこと・・・


もうこの店に着くまでにマサルへの脈はとっくに尽きていたので、全てどうでもいい〜と思いながら話していた。マサルは人事系の仕事をして新卒を扱っていると言う割に、とても喋らない人であった。


たぶん、喋る人には喋るのであろうが、こういう私のような初めましての人と、話題を広げていくのが苦手なのであろう。

わたしは大して興味もないマサルについて質問をしていた。


しかし、ここで私は思った。


あれ?めっちゃ話続かなくない?

なんでこんなに会話が早く終わるの?


ずっと考えていた。



いつもの相手なら、1時間2時間くらいゆうに話せるような内容のことを同じようにしているのに、マサルと話したら30分もしないうちに話題が尽きてしまった。


そして私は気づいた。

あれ?マサル・・全然質問してこなくね?


一つの話題に対して、私が聞いてばかりで、ある程度聴き終わると、マサルは黙るのである。


は?自分が喋って終わり?

わたしについては興味ないのか?


もう、非常にイライラした。

こんな人が新卒なんて扱えるわけがないし、仕事もきっとできないんのであろう。頭の中でぐるぐると悪口が次々でてきた。


わたしは貴重な土曜日をマサルに使ってしまったこと、とても後悔し、もうだんだん喋らなくなっていた。


しかしまだまだ頼んだ料理は来ない。気まずいので、もう興味本位に恋愛系の話をすることにした。


ゆ「いつから彼女いないんですか?」

マ「3ヶ月まえくらいですかね?」

ゆ「!?」


驚いた。その当時のわたしより恋人いない歴が短かったのである。

しかも、こんなに女慣れしていなくて、段取りがわるい人、きっと失礼だがか彼女いない歴=年齢だろって思いながら話を振ったので、そんな最近まで恋愛していたのか、と思わずつい「!?」となった。


そして興味本意にもう少し質問をした。

ゆ「長かったんですか?」

マ「いや・・そんなに・・

ゆ「アプリで知り合ったんですか?」

マ「いちおう仕事の後輩でなんたらかんたら・・

ゆ「どうして別れたんですか?」

マ「・・よくわからないです


わたしはマサルの恋愛を事情聴取(←)していてハテナしか残らなかった。こんなにハテナしか残らないのは初めてだった。


仕事関係の人と付き合ったけど長く付き合わずに別れた理由もわからない!?


え、それって・・・・



付き合ってたん?




なんだか怖くなった。


マサルは彼女と思っていたかもしれないけれどこの曖昧具合はもしかすると、付き合っていなかったんじゃないか。マサルが勘違いして一方的に付き合っていたと思っていたのではないか。それとも彼女の話自体が創作なのではないか・・・


いろんな可能性が浮上し、わたしはこれ以上、深堀りをしないことにした。


するとマサルが珍しく、多分その日初めて質問をしてきた。


マ「彼氏欲しいとか思いますか?」



うわ〜〜出たその質問。このタイミングでする?マッチングアプリに登録している相手に聞く質問なん?てかマサルずっと喋ってなかったのに恋愛の話になった途端、急になんなん。


わたしはずっとため込んでいた不満が爆発しそうになった。


ゆ「はい。だからマッチングアプリ登録したんですが。」


マサルは、ちょっとわたしが機嫌がわるくなったのを察したのか少し質問をしてくるようになった。


マ「妹さんは結婚してるんですか?」

ゆ「はい」

マ「先越されたんですね笑」

ゆ「…」

マ「結婚願望ありますか?」

ゆ「ないです(少なくともあなたとは)」

マ「え?なんでですか?結婚願望はない、でも彼氏欲しいとかどういうことですか」

ゆ「…。(黙れウザい)」


このあたりから、マサルの本性なのか。インキャぶりが出てくるようになってわたしは本当に不機嫌になった。

マサルはちょっと面白いかも、と思いながら広げている会話が全て地雷であり不愉快になる要素満載であり上弦の鬼が出てきそうな勢いで不愉快であった。


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ある程度頼んだメニューがきて、そろそろ帰れそう!という雰囲気になった。


ああ、やっと帰れる。わたしはもうご飯に手をつけていないし、ハイボールもこれを飲みきったらキリがいいくらいの量で残している。



さて、帰りますか。。



と言おうとしたらマサルが


マ「天津飯、食べていいですか?」


と聞いてきた。


天津飯?!!



(え、もうだいぶ食べているんですが・・・)

心の声を押さえながら、ああもう好きにして!と思って

「どうぞ」と、マサルの注文を了承した。


天津飯を私は一口も食べなかった。

お腹がいっぱいだし、もうマサルとシェアするなんていや、生理的に無理くらいの領域になってきた。


そしてお会計。約5500円くらいだった。

多分500円はマサルの天津飯が上乗せされている。


マサルは、これくらいの金額なら出すか?と思いきや、自分の財布と私の財布を見比べながらもたもたしている。


わたしはめんどくさくなって3,000円をバン!!と机の上に出して会計はマサルに任せ、先に店を出た。


店員さんは少し驚いた顔をしていた。


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店を出た後、マサルは、私が多めに出したことにも一切ふれず、自分が天津飯を多めに食べていることにも一切引目を感じない印象で歩いていた。


私はこのあと帰る一択で駅を目指しているいているのだが、マサルの足取りがなんだか重い。


まさかこいつ、こんな雰囲気で二軒目とか自分ちとか誘えると思っているわけ??


わたしは、微かな可能性を信じたくなかったが、まっすぐ駅を目指している私に大してマサルはフラフラと左右をきょろきょろしながら歩いていた。


マ「お酒結構飲まれるんですね」

ゆ「はい。(黙れ。何も喋るな。)」


わたしは一切自分からは話題を出さないと決め無言の圧力を出しながら駅を目指す。


マサルが何か喋りかけてきた気もするが、あまり覚えていない。


わたしは早歩きで駅について、「それでは!」と言ってマサルに背を向けて改札に向かった。


マサルのなんとも言えない複雑な表情と、妙に意識の高い服装が最初より一層ミスマッチに思えた。


そして、電車にのる。


マサルについては最悪だったが確かにハイボールと唐揚げはおいしかったからその点だけは○とする。


そんなことを考えつつ、すぐこの不完全燃焼に終わった婚活のロスを取り戻そうと、次の相手を段取りするため、アプリを開いた。


そして、衝撃が走る。



マサルのアイコンがない!


そう。


マサルは解散した途端、私のことをブロックしていたのだ!!


別にブロックの手間が省けて私はいいのだが、かっこ悪い会計の払い方をして、失礼なことを言いまくっていたマサルに先にブロックされたのが許せなかった。


LINEもブロックしよう


そう思って、LINEを開き、ふと、「もしかしてあいつ、、」

と思ってLINEもブロックされていないか調べると、しっかりブロックされていた。


そう。マサルは解散して光の速さでアプリもLINEも自ら先にブロックしていたのだ!


やるじゃねえか。


たぶん、マサルはマッチングアプリで婚活アポをする常習犯である(人のこと言えない)


きっと、相手にブロックされたことも何回もあるのだろう。

傷つく前に防御する作戦か。わかるぜ。


そう思いながらもう2度と、当日アポはしない。しっかりメッセージした相手としか会わないと決めて、マサルとの出来事を婚活の1ページとしてかざった

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