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百人一首で歌合

はじめに

 百人一首が一定の生徒に人気があり、(主に男子)大半の生徒に人気がないのは、恋愛的内容が多いこともあるが、古典というだけで拒絶反応を起こしているようにも思われる。そこさえ乗り越えてしまえば、生徒に魅力を伝えられるのではないか…。

歌合なら…

 平安時代の雅な遊びに、歌合がある。歌を詠み合い、その優劣を決めるというゲームだ。歌合には様々な役割があるが、今回の授業では以下の役割に留めた。あくまでも目的は百人一首を楽しむこと。いろいろあっても仕方ない。

方人(かたうど)
歌合の歌を提出する者。作者。平安期には身分の低い者に詠ませることがあり、その場合には歌合には方人は出席しないが今日では念人と同一である場合がほとんどである。
念人(おもいびと)
自陣の歌を褒め、敵陣の歌の欠点を指摘して議論を有利に導く。方人と同一視されることも多い。複数が左右に別れて評定(ひょうじょう;ディベート)を行う。
判者(はんざ)
左右の歌の優劣を判定して勝敗を決める。持(じ;引き分け)とする場合もある。主に歌壇の重鎮が務める。新古今時代以降、衆議判と言って、参加者によって優劣が判定されることも多くなった。

授業の流れ

今回は、百人一首から好きな歌を選び、その魅力をアピールするという歌合を行った。

一時間目
まず、四人一組、10グループに分けた。
それぞれ1〜5、6〜10のように五首ずつ割り振り、各班好きな歌を一首選ぶ。
図書室や本を使って、歌の魅力を考える。
二時間目
歌合。
班対班で歌の良さを語る。一分半×2。
二分でお互いに質疑応答。
他のクラスメイトが判者としてどちらの歌が勝利か判断。
これを5回繰り返す。
移動も含めて30分程度。

実践記録

 実際にやってみて、思った以上に生徒が盛り上がって嬉しい限りでした。今回の授業の目標は、百人一首に親しませること。一つでも好きな歌を作ってもらうことでした。感想にも楽しかったとの話があって何より。
 こういうのは、一回で終えるからイベントになってしまうので、もう一度行おうと思っています。次は、歌合の日を早い段階で指示しておくことで、準備をする時間をたっぷり取ろうと思っています。楽しいことであれば、生徒は課題であっても、それが古文であってもやるのです。その勢いの中に言葉の力がつくようにいかにセッティングするか。楽しみながら授業ができるよう明日も頑張ります…。

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