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サイボウズ流「テレワークの教科書」から学ぶオンラインコミュニケーションの工夫

本を読もうと思ったきっかけ

今の現場が週5テレワークで、現状テレワークが原因でチーム内のコミュニケーションや仕事が上手くいってないということはないのですが、今の働き方をもう少し何か工夫できないかと考えているので、ヒントが得られればと思い読みました。

どんな本か

2020年にコロナウィルスの感染が拡大してからテレワークという働き方が注目され始めましたが、サイボウズはコロナ以前から10年近くテレワークを実践している企業です。サイボウズが10年もの期間試行錯誤の末作り上げてきたテレワークについてのノウハウを紹介するのが本書です。

もともとサイボウズは働き方改革をした会社として、いろいろユニークな工夫をされていることを知っていたので、サイボウズの本!というだけで読みたいと思いました。

オンラインでコミュニケーションを確保する

改めてですが、テレワークとオフィスワークのコミュニケーションには下記のような違いがあります。

第一に、テレワークでは、対面での会話ができなくなるため、オフィスに集まって働く場合のように、気軽に話しかけることが難しくなります。そのため、どうしてもコミュニケーションの頻度が減りがちです。
第二に、オンラインでのやり取りでは、実際に面と向かって話す場合と比べて、一度に交わされる情報量が減ります
実際に対面する場合は、話している言葉の内容だけではなく、相手の表情を見たり、声の調子を聴いたりすることで様々な情報を得ています。
しかし、オンラインのやり取りでは、チャットやメールのように文字を送受信するツールを使った、テキストコミュニケーションが多くなります。テキストコミュニケーションで得られる情報は、言葉による情報に限られます。
テレワークを継続していくためには、こうしたオンラインコミュニケーションの難点を補って、コミュニケーションが不足しないよう工夫することが大切です。

確かに出社している時に質問したいと思った場合、質問したい相手はすぐ隣の席や後ろの席にいればすぐ声をかけられるし、多少つたない言い回しでも対面なら伝わるのですが、テレワークの場合聞きたいことについて文章だけで理解できるように言語化しなければならないので、「その手間を踏んでまで聞く質問か」と考えて質問するのをやめてしまうことがあります。

またslackで面白いやり取りを見つけた、現場の企業のホームページで関わっている社員の方のインタビュー記事を読んだ、普段どんなこと勉強しているのだろうなど、とりとめもない話で雑談したいと思っても、slackやMeetで話すほどのことかなと思うとやめてしまったり、テレワークだと質問や雑談のハードルが勝手に上がってしまっていることを感じます

疑問を解決することはもちろん業務の質や速度を上げることにつながるので、わからないことは気軽に手間なく解決できた方が良いし、雑談も適度にあった方が一緒に働いているメンバーの考えの共有にもつながるので、気軽に仕事と関係ないことも話し合える仕組みはあった方が良いと思います

また、文章でのやり取りが多くなるからこそ、表情の見えない相手を気遣った言葉選びや表現が必要になりますし、何か伝える際も表情が相手に見えない分、自分の考えや感じていることなどをなるべく言語化するなど、目の前にいなくてもまるで目の前にいるかの如く、自分の意見や感情を相手に伝えようと意識することが大切だと思います。

チームワークを高めるコミュニケーション

チーム内のコミュニケーションは、業務上の情報伝達が効率的に行われさえすればいいというものではありません。メンバーが満足して仕事をするためには、お互いのことをよく知り、良好な人間関係を築くことも大切です
そのために必要なのが、「チームワークを高めるためのコミュニケーション」です。それこそが重要だとサイボウズは考えています。
サイボウズでは、「チームのメンバーが、目標(理想)を達成するために役割を分担し協働すること」と定義しています。さらに、チームワークが良い状態とは、単に効率的に高い効果をあげられるだけではなく、メンバーの満足度が高く、仕事を通じて成長できている状態だと考えています。
テレワークでチームワークというと、チームで協力して働くことによる効率や効果ばかりに目がいきがちです。しかし、それだけではなく、チームメンバーの満足や成長を重視するのがサイボウズの考え方です。

私はこの、「チームメンバーの満足や成長を重視する」という考え方に感動しました。

仕事なので、当然定められた期日までに求められる質の成果物を作り上げるなどやらなくてはいけないことがあるのですが、業務上のやり取りを効率的に行うことだけではなく、一緒に働くメンバーが何を目指していてどんな目標を持っているのかなどまずはお互いのことをまずは知る、そして知ったことをもとにどうすれば一緒に成長できるのか考えてコミュニケーションをとることによって、良好な人間関係を築けるのかもしれないと思いました。

周りの方がどういう想いで働いているのか、どういうことを大切にしていてどのような人間を目指しているのかなど何も知りませんし、互いのどのようなことを知れば良好な人間関係を築くことができるのだろうかについは最近ずっとモヤモヤ考えていることです。

一緒に働く人たち、特にコミュニケーションをとる頻度が多い方のことだけでもよく理解して、お互い気持ちよく働ければいいなと思います。

理想のチームワークを築くには

コミュニケーションを通して互いを良く知り、理想を共有して、チームワークを築いていくにはどうすればいいのでしょうか。
そのためには、物事の事実について伝える「情報伝達」だけではなく、自身の意見や感情、解釈を伝える「会話」が大切になります。
テレワークでも、業務上のやり取りだけではなく、チームのメンバーとの会話の機会を作る必要があります。

自分が何を考えているのか、何を感じていてどう解釈したのかについては周りに伝えた方がコミュニケーションがスムーズになると考えているので、普段から仕事をしている時には意見や感情、解釈について自分から発信するようにしています。
しかし、積極的に自分から伝える人の方が少ないように感じているので、誰でも同じように意見や感情を出しやすい仕組みも必要かと思います。

そのためにサイボウズが実践している手段として、チャットでの「分報」と、テレビ会議でお互いの顔を見ながら話す「ザツダン」を紹介します。

 〇分報

サイボウズでは「分報」と呼んでいる、チャットで行う雑談の手法があります。これは日報の「分」版、つまりは分刻みの報告のことです。
報告といっても、ペースは必ずしも業務上の用件を伝える場ではなく、とりとめもない会話を気楽に交わすための場です
オフィスでは、隣の席の人と「疲れたね」など、何気ない会話を交わすこともあると思います。テレワークでは、一緒に働くチームメンバーが離れた場所にいるため、このような会話をすることが難しくなります。
分報のやり取りは、職場での日常会話をオンラインで行う感覚です。

▼分報について分かりやすくマンガで説明してくれています!
サイボウズすごい!

気軽なやり取りで感情を共有することで、気軽に話しかけやすい雰囲気を作り、困っている時やその時も気持ちを書けばそれだけで気分が楽になりますし、チームメンバ同士の相互理解も深まります。

私のチーム内ではチャット内で雑談する文化がなく、チャット上は業務についての会話しかありません。雑談と言えばテレビ会議の時、本題に入る前に少し話す程度ですかね。
思っていることをただつぶやく機会を設けるだけでも今日のコンディションや普段考えていることが把握できるので、分報は良いシステムだと思ったので一部取り入れたいと思いました。

 〇 ザツダン

サイボウズはもともと離職率がかなり高い企業だったのですが、マネージャーとメンバー一対一で対話する機会を設けることで、社員それぞれの状況や社内で起きている問題を良く把握できるようになったそうです

ザツダンはマネージャーとメンバーが業務や家族、心配事や悩みなどについて話し合う場を作ることで、マネージャーがメンバーの状況やチームの雰囲気を知るために効果的だと述べられています。

私の今の仕事の現場では、月1や2~3か月に1回の頻度ででチームの先輩や現場の責任者の方にヒアリングしていただく機会を設けてもらっているので、そこで1対1で仕事の悩みや今後のことなどお話しさせていただいてますが、プライベートなことはあまり話しません。

雑談する機会など設けてお互いのことをよく知るのは大切だと思うのでやってみたいとは思うものの、「何を話すか」など話すテーマで迷いそうです。

本の中ではザツダンをする前に最近の気分やモチベーションについてのアンケートを取るなどの工夫が示されています。
確かにそういう前情報があればその事前アンケートの内容を深堀するだけで相手のことをよく知れそうです。

 〇日報+所感

日報に「今日は働きすぎた!」「明日予定している業務が楽しみ!」など日ごろの業務の所感を書き伝えてもらうことを習慣にすることで、日ごろからメンバの状況を垣間見ることができるため、マネージャーが必要なサポートを把握することができるというものです。

当日の作業予定や作業実績の報告だけでは報告している人がどんな人で日々何を感じているのかわかりませんが、思ったことや感じたことを伝えてもらえると業務やメンタル面などで相手が求めている適切なサポートが出来そうですね

テレワークの工夫によってみんなで成長できる場を作る

本書を読むことで、チャットやテレビ会議システム、日報などでお互いの感情や解釈を伝え合うためのちょっとした仕組みを作るなど、テレワークでの働き方の工夫を得ることができました。

本書では他にも、テレワークをめぐる現在の状況やテレワークの重要性、よく聞く悩みや不安の紹介、その問題を解決する基本の考え方、これからのテレワーク時代の働き方について書かれています。

対面でのコミュニケーションも必要だと感じるため、コロナが落ち着けば出社する日数も増やした方が良いとは思いますが、テレワークでも問題なく働けることやテレワークのメリットも感じているので今後もテレワークは継続してほしいです。

テレワークでもスムーズにコミュニケーションするにはどうするか、本書の内容を参考にしたり、今一緒に働くメンバーとも話し合ったりしながらチームメンバみんなが満足できて、仕事を通じて成長できる働き方を目指したいと思います。

▼まさにオンラインコミュニケーション攻略法ともいえる記事!


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