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アダプテッド・スポーツの授業でハイフレックス型授業を実践する事例①

 普段は大学にて「アダプテッド・スポーツ」の授業を行っています。しかしながら,このコロナ禍の影響は甚大で,授業の運営方法にも大きな影響がでています。本日、日本大学の学生さんが集まってFDについて考えるという、学生チャミット(オンライン)に参加してきたので、自分自身のことも少しだけ振り返って整理していきたいと思います。

 文部科学省は,「本年度後期や次年度の各授業科目の実施方法に係る留意点について(2020年7月27日付)参照URL」や「本年度後期等における新型コロナウイルス感染症の拡大防止と学生の学修機会の確保の両立のための留意事項について(令和2年9月15日付)参照URL」などの通知において,新型コロナウイルス感染拡大に留意しつつ,対面授業が可能な場合には,対面授業を実施していくことを検討して欲しいとされています。また,状況に応じて遠隔授業(オンライン授業)と対面授業の併用についても検討することが良いでしょう(と直接的には書かれていないですがポジティブに読み取るとそうなります)とされています。

 アダプテッド・スポーツの授業の中では,障がいのある人がスポーツを行うことについて実践的に捉えていく(模擬的に体験していく)ことをテーマの一つにしています。半期15回の授業回のうち,最初の4回は,導入的内容や社会的な背景,障がいのある人がスポーツを行ってきた状況などを理解する回としています。次の7回で,視覚障がいのある人のスポーツ,競技用車いすを用いたスポーツ,体験用の義足を用いたスポーツ,重度障がいのある人のスポーツを実践する回としてきています。ちょうど今週(11/30からの週)が11週目のため,今週で各種障がいのある人のスポーツを実践する回が終了となっていきます。残りの4回の授業では,これまで行った内容を踏まえてグループディスカッションを行ったり,事例等を参照しながら,理解を深めてまとめていく回となっています。それら15回の流れを簡単に表1に示してみました。

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 後期開始前に,授業の実施方法を検討している時に,京都大学さんや大阪大学さんの資料がとても参考になりました。

 まず,京都大学高等教育研究開発推進センターのHPには,ハイブリッド型授業について説明がなされています(こちら)。ここで良いなと思ったのは,下記の記述です。

「教室でも学びたい」という学生に対して選択肢を提供したり、オンラインでは学べない内容を教えるために対面授業を実施する場合、どのようにオンライン授業と組み合わせていけばよいのでしょうか。
ハイフレックス型授業」とは?
ハイフレックス(HyFlex:Hybrid-Flexible)型の授業では、学生が同じ内容の授業を、オンラインでも対面でも受講できます。教員は対面で授業を行い、学生は自身の状況に応じて対面授業を受講するか同期双方向型のオンライン授業を受講するかを選びます。対面で受講する学生を把握する必要があるため、対面かオンラインかはあらかじめ固定することがのぞましいでしょう。

 次に,大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部のHPには,ハイフレックス型授業実践ガイドというページに,Youtubeの動画が配信されていて,どのように配信用の機材を設置し工夫すれば良いのかが分かりやすく説明されています。

 これらの資料を参照した際に,想定されている教場が教室ではありましたが,スポーツの実践を伴う形でアリーナなどの広い場所でもこのハイフレックス型が実施できるような気がしました。アダプテッド・スポーツの授業を展開する際に,模擬的に障がいのある状態を作り出しながらスポーツを実践すること自体が重要な学修になると捉えていることと,どうしても新型コロナウイルス感染防止の観点から通学を控えたい学生がいるということも汲み取り,学修効果を担保するにはどのようにしたら良いのかを考えていた際に,これらの資料は大変有効になりました。上記表1の通り,第5回目から第11回目までを,ハイフレックス型授業(をイメージして)として実施することとしました。

 ハイフレックス型授業といいましても,やったことがない!!ので,準備から実践まで試行錯誤を通してきています。

 授業に関することは,Google Classroomをプラットフォームとし,受講学生には,毎回予習動画(資料)と授業案と授業シートを事前に配信し,授業内容は録画録音し,授業後に配信しています。また,私自身の授業改善のために(1回ずつでも改善しようとし),無記名方式のアンケートをGoogle Formsを使用して毎回実施しています。

 と,このような状況で進めてきている授業ですが,まだ今週の最後のハイフレックス型授業を実施し,残りの授業についても進めていかなければならないので,まだ悪戦苦闘をするわけですが,特別な事情で進めてきたことがもしかしたら将来役に立つかもしれないということと,他にも同じように授業を展開されている方からの貴重な意見が得られるかもしれないということから,備忘録的に事例を示しておきたいと思います。

 事例②につづく。

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