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これからのシニアの仕事と役割を考える

車を運転していると、駐禁は何歳になっても気になる。先日、うっかりしていて10年ぶりぐらいに駐禁を取られた。
早朝、車をちょっとだけ止めて、地下駐車場がオープンしたら入れようと思っていたが、仕事ですっかり車を止めたことを忘れてしまった。
気づいたのは10時頃。時すでに遅し。駐禁の張物がしてあった。
最近は、駐禁の取締りは警察が直接は行っていない。今、街中で、駐禁をチェックしているのは大抵はシニアの方だ。
正確に言うと、制度が変わったのである。

概ね駐禁の見回りは都市部であり、考えてみたら、シニアの仕事として理にかなっていると思う。
相手が警察官だったら、文句のひとつでも言おうとういう若者でも、シニアの方のフレンドリーな対応で、穏やかになる人もいるのではないか。
シニアの方の仕事というのは、今の世の中、沢山あるようでまだ不十分だ。
この駐禁の見回りの様な仕事が他にもあるのではないかと思う。

実は、当社では、シニア活用については半分以上社会貢献として行ってきた。
6年前に“もし波平が77歳だったら”を上梓して以来、そういう活動も本格化しているが、それに先立って、今から10年前、多くのシニアの方々にお世話になった仕事がある。

その業務の名前が、免許更新時講習案件である。
大阪府警からの委託を受けた。もっとも、これは入札なので、当社が札を入れないと成り立たない話ではあるが、色々ないきさつがあって、教育ビジネスの一環と捉えてチャレンジしたのである。
この仕事自体は、とても大変な仕事になったが、その後、滋賀、京都も手掛けた。
実はこの仕事の主たる戦力がシニアの方だった。
シニアと言っても60代中心ではあるが、当時は、この年齢層の仕事の機会と言うのは、今よりも少なかった。
主な役割は2つあった。
一つは、実際に免許更新の講習を担当する仕事。もう一つが受付などの事務方仕事。
それまで、警察関係で行ってきた仕事なので、民間に経験者がいるはずがない。したがって、仕様書も、教育の経験者であればOKとなっていた。

でなれば、私たちが参入は出来なかったわけだが、ハローワーク中心に募集をかけたら応募者が殺到した。講師約100人を短期間に用意する必要があった。募集を始めたのは、1月。本番は、4月1日の年度替わり。
こんな短期間で、集まるのかといった不安があったが、想像を超えて集まった。しかも60代の応募が多かった。
というよりも、考えてみたら、この層しか、こんな短期間で応募がくるはずもなかった。完全フルタイムでもない仕事で、報酬もそれほど高くはなかったからだ。

実際に面接を始めてから知ったことがある。
シニアの方々の経歴を見て驚いた。
有名メーカーの部長だったり、学校の先生だったり、現役の経営者もいた。多くの方が口にした。

今の歳になると、駐輪場の整備や掃除の仕事ばっかり。教育の仕事ができるのはとてもありがたいと。
シニアの仕事と言えば、シニア本人の意向も含めて偏っていると思う。その一つが企業のアドバイスである。顧問と言う立場で言えば分かり易いか。
もちろん、いまでも需要はあるが、今のように経営環境の変化が激しい時代に、アドバイザー仕事はなりたたない、まして昔の経験がどこまで役に立つかは疑問だ。
シニアが生計を立てるため、生きがいのため、充実した人生のために、働きたい人はそういう機会が必要だが今のところミスマッチである。

こんなことを考えていると、駐禁の取締り仕事などは、シニアのスキルにとてもマッチしていると思うし、こういう仕事を増やしていければよいと思う。要するにPDCAのCの仕事である。社会貢献の意識も役に立つと思う。

もし波平が77歳だったらに書いた事でもあるが、仕事の知恵であれば、近いうちにビッグデータに代替えされる。そうではなくて、生きた知恵、経験をもっと役立つ仕組みを構築しようと思っている。

以上

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