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胸ポケットにずっとしまっておきたい作品🎞️

2023.08.30

事前情報は、声優とファンタジーということのみでの鑑賞。絵が綺麗だしジブリのアニメ大好き、圧倒されながら考えながら、あっという間に2時間が経過🕰️
観る前には、早く観て色々な人の考察を読んだり誰かと語らいたいと思っていた作品。
観てみると、自分がこの映画から感じたこと全て(今だけかも知れないけど)自分のものだけにしたくて、大切にしたくなった。自分以外の誰かに、自分が感じたことに関して何も言われたくない汚してほしくない傷つけて欲しくない、自分の感じたものを宝物のように大切に、そのままの形で綺麗にしまっておきたいと思った。どこに?と言われたら胸ポケットに。この作品のことを少し忘れて自分の軸がブレ始めたらすぐさまこの作品を取り出して、感じられるようにしたいから。そうしてずっとそばにこの作品を感じながら、なんならいつかは自分の身体の一部になるように感じながら生涯生きていきたい。

でも今の私に人間としてその強さは無い。
この類の、本当に本当に大切なことって時が経つうちに、日常を過ごしているうちにあっという間に忘れてしまうことを私は知っている。それは自分自身が欲望を捩じ伏せて軸を曲げないほど精神が強くないからだということも分かっている。この作品を見て尚更強くなりたいと思ったからこそ、強くなれるまでこうして感じたことをどこかへ文字で残しておきたいと思う。たまに読んでは自分の軸を立て直したい!

この作品を一言でまとめることはできないし、まとめることができる人がいるのならその人はこの作品の本質を分かっていないだろう。(あくまでも全て私の、個人的な意見)監督がこの作品から伝えたかったこと、この作品をこの世界に残しておきたかった気持ちと、それを彼の才能でこうして形になった事がこの世にとって本当に救いであり偉大な、素晴らしい事だと思った。同時にジブリの最後の作品になるのだろうかという気持ちがザワザワした。そんな気がしてしまう。

それはこの作品のメッセージが、この地球で人間として生きる上でこれ以上ないほど美しく素晴らしいことだから。でもそれだけじゃなく、その美しく素晴らしいことを手に入れるには今の地球、自然、人類は破壊され過ぎている。どこかもう手のつけどころが無いようにも感じるこの作品は、宮崎駿監督がこの世を諦めているような寂しさも感じ取れた。

大叔父さんが積み木を組み建てて1日1日を少しずつ一生懸命に繋いでいたあの世の中(悪意のある世の中)はきっと2023年、今の世の中〜この地球の未来に違いない。今、人類の利便性や娯楽、技術の発展、人間の進化により、言ってしまえば様々な場面での欲望のせいで地球は壊れ始めている。自然界で生きていた、人類以外の生き物たちはただ自然に生きていただけなのに、人間の手で、食べるものがない(生きていけない)世の中に生きなきゃならなくなってしまっているのは、2023年現在の世の中も大叔父さんが創り上げている世の中も同じである。現実である。ファンタジーの世界ではない、2023年の“今”である。ここからは未来予想も入ってくるが、次第に人類以外の生き物たちは、人間の命や生活を脅かす存在にな(ってきてしまってい)るのだ。本来なら美しい生き物たちに対しても、自分たちを脅かす存在にもなると醜い生き物に見えるようになっていくのかもしれない。これは作品の中で言うと、生き物達が悪意のある世の中から現実に戻ると、醜い見た目から美しい姿へ変わっていく描写からそう感じられた。食物連鎖の悪循環によって命が途絶えていってしまうことも、更に更に先の未来にはあるのかもしれない。そんな、今もうすでに傾き始まっているこの世の行く末を示唆しているように思えた。

また先代から伝わる、多くの人達の犠牲の上にある命懸けで守られてきた、私達の命の尊さ、重さ。先祖は戦争時代を生き抜き、新しい命の誕生が繰り返し紡がれ、今の自分の命があるということ。必ず先祖のどこかの時代では、自分に繋がる命が守られるために、犠牲になった命があるのだと感じた。沢山の人たちに守られてきた命が今、自分に繋がっているんだと想うと涙が出てきた。自分が今年は親になったこともあり、わらわらたちが命懸けで人間の世界へ飛んでいくシーンでまた涙、自分もだけど、自分の娘もまたこうして命懸けで自分のところへ来てくれたんだと思うと本当に生き物って、人間って奇跡だと感じた。

それから、裏切りや嘘がある世の中も捨てたもんじゃない、友や仲間を作ることが大切で、綺麗で豊かで美しいだけの世の中じゃなくていいと宮崎駿は言っている気がした。それはきっと暴力や戦争がある世の中をさしているんではなくて、便利でなんでも思い通りにいく世の中がいいわけじゃ無いということなんじゃないかと思った。もっと人間らしく泥臭い世の中でいいんじゃないかと、なんでも便利に快適に綺麗に可愛くある事が、皮肉にも豊かだというわけではないんだと言われている気がした。似たようなメッセージで、大叔父さんがお屋敷の隣に降ってきた塔が綺麗だったので建物で囲ったが、そのせいで多くの人達が亡くなってしまったのは、私達発展国で需要のある衣類を、安い賃金で労働させられていた発展途上国の市民達が、ビルの杜撰な安全管理のせいで大勢亡くなってしまった事件(ラナプラザの悲劇)と重なった。あの悲劇では杜撰な安全管理があった事が悪とされているかも知れないけれどきっとこの問題の本当のところは、我々発展国の人々の為に安い賃金で労働していた人達がいることだと私は思う。見た目を飾る為に、綺麗にする為に必要な衣類(=塔)を守る為に犠牲になる人達(周りに囲いを作ったことで亡くなった人達)がいることがおかしい。そうやって今の私達が身に纏っている綺麗な飾りにも、人や動物や自然の犠牲がかかっているのだ。綺麗な物に巻かれる危険性を感じた。

要するに、簡単にまとめたくはないのだけれど私達の今の生活は、自分達と同じ人間を始め地球を犠牲にしている。犠牲にして破壊しながら快楽や欲望を満たしているのだ。大切なことはシンプルで、命があるということ。見た目じゃない、周りからの承認じゃない、人間の価値は命があること。いくら飾ったって価値が上がるわけではない、命があることだけに向き合って生きていけば、地球や自然を破壊する犠牲は生まれないんじゃないのか?色々なものを着飾るよりも、欲望を満たすよりも仲間達や大切な人達と顔を合わせ、時間を過ごすことの方が満たされる、素晴らしいことじゃないか。命を持って我々の欲望のために地球を破壊し生き物を殺していることに気づいて欲しい。この課題にどう向き合っていくのか?もう遅い。さて君たちはどう生きていく?そうやって私は偉大なる宮崎駿に問われているように感じた。

命あることだけを感謝して、そのことだけを何よりも大切にして強く生きていきたい。欲望は何にもならない、地球を殺していくなら欲望は捨てていきたい。自分が死ぬ時に、地球は殺していないと感じたい。その為に、自分の為に、軸を持って強く生きていきたい。
それが今の私の答えですと監督に伝えたい!

何度も見たい、DVD買います📀
そしてしばらくしたらいろんな人達の考察を読みます、仲間と語らいます。今はそっと大切にしまう。私が映画を観ている間娘を預かってくれた家族に本当に感謝しています。そして長い時間この作品を創り上げてくれた宮崎駿監督に敬意を表したい!(偉そう)美しい映像と愛すべきキャラクターと共に、自分の脳みそで考えさせる、ジブリ作品はほんとに素晴らしい!完❗️

#君たちはどう生きるか #ジブリ #宮崎駿

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