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自己肯定感の低さを、肯定する

自己肯定感が高いことはとても重要らしい。

周りから好かれないのも、仕事で上手くいかないのも、好きな人と両想いになれないのも、なんか生きづらいのも、全部自己肯定感が低いせいだそうだ。

ということで、自己肯定感を上げようと、いろいろ試してみた。

些細なことでも、自分を褒めるようにしてみた。
ご飯食べてえらい!お風呂に入ってえらい!みたいな。
でも、逆に微妙にみじめな気分になって、1日でやめた。

次に、自分の得意なことに、目を向けるようにしてみた。
手先の器用さとか、計算の速さとか。
だけど、苦手なことをする時間が、余計苦痛になった。

苦手な人は、割り切って遠ざけるようにしてみた。
嫌なことをされたら、嫌って思うようにしてみた。
自分は間違っていないと、言い聞かせてみた。

でも、やっぱり、他人を嫌う自分は、好きになれなかった。

知り合いに、本当に自己肯定感が高いなあ、と思う人が1人いる。

人懐っこくて、自然体で、だから友達が多い。私だったら考え込んでしまう場面でも、ノータイムで行動するから、とても生きやすそうだ。優しいし、たまに無神経だけど、引っかからないし、意外と自我が強いけど、伝え方が上手いから気にならないし、一瞬、え?と思うようなことをするけど、当たり前のような顔をしてるから流しちゃうし。

うらやましいと、心底思うけれど。

手放しに、こうなりたいとは、思えないかもしれない。

ぎこちなくても、人の気持ちを慮る人が好きだ。
自分を信じれなさ過ぎて、人の意見を聞きすぎちゃう人も、不器用に悩む人も、コンプレックスまみれの人も、愚直で格好がつかない人も。

むしろ、そういう人が、私は好きだ。

生きづらいのは確かだろう。
それでも私は、自己肯定感が低いことだって、肯定してよいと思う。悩み苦しみながら生きることを、わざわざ否定する必要が、どこにあるだろうか。

楽をするのは悪いことじゃない。
でも、楽をしないことも、悪いことじゃないですよね。

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