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人生

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人生について徒然なることを徒然なるままに書いています。
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#雑記

なんでもないような今を

 ここ最近、いくつかの同窓会的イベントの企画・開催側に関わっている。それにあたり、いろいろな人に久々に連絡を取っているのだが、数年のあいだに進学・転職・結婚・出産・引っ越しなど、それぞれの人生に変化が起きていることにいちいち驚く。時間は確実に流れている。  連絡を取る際に、当時の名簿や写真など記録を見返していると、「ああ、こんなことあったなあ」、「そうそう、この時はああだったんだっけ」と、記憶が次々と蘇ってくる。記録のチカラはすごい。特に写真や直筆の文字には、当時の空気がそ

心の鎮痛剤の処方箋

 数日前から喉が痛くて、思うように声を出したり、ものを食べたりすることができなかった。これが予想以上に心身を消耗する。いろいろとおしゃべりしたいのにできずにフラストレーションがたまるわ、炭酸飲料や酸味の効いた食べ物を摂取したくてもできないわ…。  加えて今日は空腹だったこともあって、夕方過ぎの私は手負いの動物のように神経がささくれだっていた。ここのところずっと曇天が続いているせいもあるかもしれない。病院で漢方を処方してもらい、帰宅してごはんを食べ、薬を飲んで、やっと少し気持

人生は万華鏡のように

 久々に切り絵をした。紙の材質、デザイン選びから始まって、どんな切り絵を作りたいかを選んでいく。切り絵は紙を幾重にも折った上で切り込みを入れていくので、なかなか力がいる。慎重に慎重に、切り落としてしまわないように。  出来上がって紙を広げるまでは、どんな出来かはわからない。少し複雑なデザインに挑戦し、広げてみたときのあのわくわく感。 万華鏡をのぞきこむときと似ている。  そう思った。万華鏡も、同じ素材の集まりでも、見方によってまるで違ったデザインになる。  人生は万華

星に願いを

 今週末は7月7日の七夕。街中でも笹や短冊を見かけることが多くなった。七夕というと私は、仙台の七夕を思い出す。仙台の七夕は旧暦で祝うので8月が七夕祭りの本番という感じだ。  2011年の夏、私は仙台にいた。仙台の市街地だけ見れば、数ヶ月前の大震災の爪痕は影を潜めているように見えた。けれど、美しく飾られ風にたなびく短冊に込められたメッセージには、たくさんの人の切実な願いや思いが込められていた。  今日のトップ画にあるような援助へのお礼の言葉もあれば、「お父さんが早く見つかり

決戦は何曜日?

 ドリカムの『決戦は金曜日』は言わずと知れた名曲。木曜や金曜にこの曲を聴く人も多いのではないだろうか。1992年発表のこの曲は、30年近く経つ今でも全然古びない。 この夜が だんだん 待ち遠しくなる はりつめた気持ち 後押しする この夜を どんどん 好きになってくる 強大な気持ちが 生まれてる  私の友人は木曜や金曜になると『レ・ミゼラブル』の『One Day More』を聴いて士気を高めるのだとか。この曲ではいろんな登場人物が入れ替わり立ち代わり歌っているのだが、印象的

折り返す2019年

 7月の予定がどんどん埋まってきた。そろそろお盆休みの過ごし方も考えなくちゃな、という今日この頃。はたと気づいた。 2019年も半分が終わる。  なんだかものすごくあっという間だ。短かったような気もするし、長かったような気もする。  私はずっとマンスリー・ウィークリーがセットになったHIGHTIDEというメーカーの手帳を愛用している。1年につき1冊、今数えてみたら手元には8冊手帳があった。つまり愛用歴も8年目を迎えることになる。  最初に使い始めた2012年の今日、私

加点方式で行こう。

 「やることリスト」をきちんとクリアしたのに、なんだかスッキリしない。そんなときってありませんか?  私はある。まさに今日。ちゃんと今日の「やることリスト」を大体終わらせたのに、なんだか不十分のような気がして落ち着かない…。 これってなんでなんだろう?  ふと考えてみたら、おそらく私は、「やる」ということに加えて、「上手くやる」ことにこだわっているのかなあと思い至った。ただ「やる」は±0点。「やらない」は先延ばしにするに連れてどんどんマイナススコア。「やる」としても、上

ネコと子ブタの文通

 私には歳の離れた姉がいる。子どものときはよくケンカしていた。小学生と高校生、中学生と大学生、高校生と社会人では、見えている世界も話の話題も噛み合わず、お互い子どもだったこともあって、なかなか分かり合えなかった。  距離がぐんと縮まったなと思うのは、私が大学に進学してから。地元を離れ一人暮らしを始めた私に、姉はよく連絡をくれた。 「ちゃんと食べてる?」 「実家の猫たちはこんな感じだよ〜。」 「バイトがんばってね。」  姉は時折私の家に遊びに来てくれた。二

根無し草

 「根無し草」という言葉を知ったのはいつだったか。  高校生の時か、はたまた、大学に入ってからか。 「かっこいいな」。  それが「根無し草」という言葉を初めて知ったときの感想。どこにも定まらず、自由に生きている。そんなイメージだった。  昔から、物語に出てくる「旅人」だとか「旅の一座」だとかに憧れを感じていた。見知らぬ土地をめぐって生きていく。そういう人たちに。  実際の自分はといえば、初めて一人だけでバスや電車に乗ったのは、高校生のときで、それも数えるほどしかなかっ

生き金と死に金

 今日は久々に大きな買い物をした。金額で言えば、今までの買い物で人生トップ10に入るくらい(!)。買うかどうか若干迷ったけれど、決断するのは割と早かった。一番の理由は、一目見て「これだ!」と思ったから。  ちなみに買ったものは、着物の帯。懇意にしている着物屋さんにあった一点物の帯。ちょうどその帯を作った着物作家さんもいらしていた。作家さん本人が「やっぱり一点一点、色や柄の出方が違って出来も違うんですけど、これは本当に自信作です」とおっしゃっているだけあって、本当に見事な帯だ

高め合いたい派?落ち着きたい派?

とある飲み会の席で、「交際相手or結婚相手に何を求めるか?」という話になった。その場には、独身、パートナーがいる人、結婚したカップル両名などなど、いろんな立場の人がいた。その中に年内に式を挙げるという人がいて、自ずと話題は恋愛や結婚のことになった。そして、ある人が言った。 「一緒にいることで、お互いを高め合いたい派の人と、落ち着きや癒しを得たい派の人がいるよね」 この言葉にその場にいた一同はうなずいた。カップルでお互い同じ派の人もいれば、違う派の人もいるはず。どちらで

時には靴を履きかえて

英語にこんな表現がある。 Stand in their shoes. 直訳すると「他人の靴で立つ」。その意味するところは「相手の立場に立って考える」。靴は歩くのに欠かせないアイテムで、長時間身につける分、カラダ、ひいてはココロへの影響は多大だ。 思えば、普段の自分の生活の中でも、靴が違えば世界の見え方・感じ方が違うことを実感することは多い。 例えば。去年人生で初めて買った9cm高のピンヒール。ふらりと立ち寄ったお店で、店員さんのすすめで試着してみたのだが、履いてみ

世界は意外とやさしかった

今日は外での用事続きだった。美容院に行ったり、食材の買い出しをしたり、病院に行ったり。 美容院はいつものところのいつもの美容師さん。もう数年来のお付き合い。その時々のわたしの「こうしたい!」をいつもイメージ通りに、そしてけっこうな頻度でイメージ以上にいい感じにしてくれる。 今日も大満足な仕上がりにしてもらった私は、ご機嫌で街を歩いていた。耳にはイヤホンをし、音楽を聴きながら。すると。道端で明らかに道に迷っていそうな男性が声をかけてきた。 「すみません、XXってどこでしょ

雨の消炎作用

 日曜は一日中ベッドの上にいた。  それまでの1週間の疲れが自分が思っていた以上にたまっていたらしい。  腹痛がひどく起き上がるのもやっと。ロキソニンを飲んだらおさまるかと思いきや、腹痛はおさまるどころか頭痛までしてきた。雨が降っているせいかもしれない。  こういうときは、マンガやドラマにも集中できない。本当にじっとしているしかない。観念して、ベッドに横たわったまま、少しだけ開けた窓の隙間から入ってくる雨音に耳をすます。  私の住んでいる部屋は防音性能がよく、近所で工事を