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人生

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人生について徒然なることを徒然なるままに書いています。
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#生き方

「距離」の取り方

移動という行為・事象に興味があるせいか、距離というものについてよく考える。物理的・心理的距離のこと。 物理的にも心理的にも、遠くにいると対象の全体が見える。細部は見えないけれど。近くにいると細部がよく見える。全体は見えないけれど。森を見るか、木を見るか。 心理的距離はおもしろい。例えば、何かが猛烈に「すき」だとして、それが対象に「近い」ということだとする。この場合、対象から「遠い」とはどういうことか。それは対象を「きらう」状態ではなく、「興味がない」ということだと思う。

あなたはブレーキ派?アクセル派?

「疲れてる?」 ここ数日、何人かにそう聞かれた。わたしとしてはそれほど疲れている自覚はなかったのだが、そう聞かれて、ふっと五感全体を自分自身に集中させたとき気がついた。 「あ、わたし、割と疲れてるな」 昔からそうなのだが、わたしは自分の疲れに無自覚だったり気がつくのが遅かったりする。一度集中し始めると、なかなか止まらない。学生時代も、レポートや卒論が波に乗り始めると、文字通り寝食を忘れて12時間くらいぶっ続けで平気で没頭していた。 社会人になっても然り。何かに集中し始

「最高の贅沢」は何ですか?

ああ、贅沢だなあ。  最近、ふとそう思う機会が増えた。  自分の食材を自分の好きな味付けで調理して、ゆっくり食べているとき。  部屋で好きな音楽を聴きながら、ひとダメソファに身を埋めるとき。  何の予定もなく、ごろごろとマンガを読んでいるとき。  ゆる〜く集まって、ゆる〜くしゃべって、ゆる〜く解散していくとき。 ***  社会人になって数年は、週に何度も外食したり、社内外の人と会って刺激を受けたり、国内外に旅行に行ったり、そういうことが「大切」で、その時間が「貴

【イベントレポート】ハフポスト主催・ニュースが速すぎる時代に、じっくり考える「視点」を手に入れる。大人と学生30人が夜にお酒を飲みながら…。

出会いは偶然に  ハフポスト主催の「ニュースが速すぎる時代に、じっくり考える『視点』を手に入れる。大人と学生30人が夜にお酒を飲みながら…。」というイベントに参加してきた。折角なので私なりのイベントレポートを書こうと思う。  このイベントを知ったきっかけは、大学時代の後輩のFacebook上のポスト。同じ文化人類学専攻の後輩だ。たまたまFacebookを眺めていて流れてきたそのポスト。「これは!」と思って即応募。それがこのイベントとの出会いだった。  結論から言

「善意」という名の暴力について

 今日は、「善意」が暴力になりうる、善意「だからこそ」暴力になることに相手も自分も気づかないことがある、ということについて書こうと思う。  とある飲み会の席。私がそれなりに面識のあるAさんと、今まであまり接点のなかったBさん、そして私の3人での会話になった。最初は雑談だったものの、会話が進むうちになんだか風向きが変わってきた。Aさんは私についてBさんに紹介しようと思ったのか、やたら私のことをBさんに語り始めた。 「季世ちゃんって、XX出身で、こんなことやってて」 「こうい

自主練→交流試合→自主練→・・・

 ここ最近、将来のことだとか、今何をするか・できるか・するべきかだとか、もろもろについてずーっと自問自答していた。  そして、「あー、もう限界!」というところまで来たので、会う人会う人にいろいろと話を聞いてもらったり、意見をもらうことにした。  「ほほう!そういう風な考えもあるか!」という新鮮な意見もあれば、「あぁ〜、だよねえ」と、再認識させられるような意見もあり。そしてまた、「あー、もう十分!」というところまで来たので、またちょっと自分で咀嚼して考えてみることにした。

ボーダーの上で生きる

 白か黒か、YESかNOか、マルかバツか。  選択肢を2つに絞って、どちらかを選ぶのは勇気がいる。けれど、一旦どちらかに属してしまえば、あとはもう楽かもしれない。どちらか片方の目線だけで考えればよくなるから。  じゃあ、どちらでもないとき、もしくは、どちらも選びたい・選ばざるをえないときは?例えば、「日本人か日本人でないか」。この2択を国籍を持っているかいないかだけで考えれば、物事は至極簡単だ。でも、現実はそうじゃない。国籍は違うけどずっと日本で生まれ育ったとか、日本国籍

加点方式で行こう。

 「やることリスト」をきちんとクリアしたのに、なんだかスッキリしない。そんなときってありませんか?  私はある。まさに今日。ちゃんと今日の「やることリスト」を大体終わらせたのに、なんだか不十分のような気がして落ち着かない…。 これってなんでなんだろう?  ふと考えてみたら、おそらく私は、「やる」ということに加えて、「上手くやる」ことにこだわっているのかなあと思い至った。ただ「やる」は±0点。「やらない」は先延ばしにするに連れてどんどんマイナススコア。「やる」としても、上

根無し草

 「根無し草」という言葉を知ったのはいつだったか。  高校生の時か、はたまた、大学に入ってからか。 「かっこいいな」。  それが「根無し草」という言葉を初めて知ったときの感想。どこにも定まらず、自由に生きている。そんなイメージだった。  昔から、物語に出てくる「旅人」だとか「旅の一座」だとかに憧れを感じていた。見知らぬ土地をめぐって生きていく。そういう人たちに。  実際の自分はといえば、初めて一人だけでバスや電車に乗ったのは、高校生のときで、それも数えるほどしかなかっ

人生のパートナーを見極めるための三条件

帰宅してからずっと喉が痛い。思い当たる節はある。友人たちとお酒を飲みながら3時間以上も恋バナをしていたのだ。人を好きになる決め手は何か、だとか、今までの恋愛で一番の「事件」について、だとか、それはもう延々と。人それぞれ一家言あるのがおもしろい。 そうして帰って湯船に浸かりながら、私は大学時代、ある人に教えてもらった「人生のパートナーを見つけるための三条件」を思い出した。当時20歳そこそこだった私は、大学の図書館で、知り合いのイラン人の留学生とばったり出くわした。彼は妻子とと

生き金と死に金

 今日は久々に大きな買い物をした。金額で言えば、今までの買い物で人生トップ10に入るくらい(!)。買うかどうか若干迷ったけれど、決断するのは割と早かった。一番の理由は、一目見て「これだ!」と思ったから。  ちなみに買ったものは、着物の帯。懇意にしている着物屋さんにあった一点物の帯。ちょうどその帯を作った着物作家さんもいらしていた。作家さん本人が「やっぱり一点一点、色や柄の出方が違って出来も違うんですけど、これは本当に自信作です」とおっしゃっているだけあって、本当に見事な帯だ

ねがてぃ部活動のご案内

大学のとき、仲のいい先輩と「ねがてぃ部」を作っていた。 由来はその名の通り、「ネガティブ」から。 基本的に先輩も私も、周りからは明るくて社交的な人と思われていた。 それは確かにそうなのだけれど、私は人前で必要以上に明るく元気に(時にうざいほど…)振舞う傾向があった。それは、本来の私が超ネガティブで卑屈な部分を抱えていたからなのだと思う。 ある時、先輩と二人で話す時があった。 「私、実は超ネガティブなんですよ。いっつもいろいろ思い返して、ああすればよかった、こうすればよかっ

「あなた」から「あなた」へ

拝啓 社会人1年目の私へ 【はじめに】「社会人1年目の私へ」というお題を目にした時、社会人になって5年以上経つ私は、正直なところ、あなたにとびっきりの先輩目線で激励のメッセージを送ろうと思っていました。そうして、14歳の時からずっと書いている日記の中で、社会人1年目の私−あなた−の記録を読み返してみた私は、当初の思い込みを深く反省することになったのです。 なぜかって?日記の中のあなたは、「社会人」という人生で初めての立場の中でもがき苦しみながらも、自分なりに悩みつつ、前を

この世にないもの:不変、永遠、完全この3つ

不変なものなんてない。 永遠なものなんてない。 完全なものなんてない。 不変も永遠も似たような概念だけど、あえて並べて書いてみる。 先日、大学時代からお世話になっている人生の先輩お二人と食事した。 一人はおそらくは60代の素敵な女性Aさん。彼女の実年齢は知らない。ただ、私の母と同世代かそれより上の年齢のことは確かだ。私が知る限り最もバイタリティ溢れる方の一人。 もう一人は3つほど年上の女性Bさん。出身も進学先の都市も就職先の都市も同じで、気心の知れた仲。Bさんもパワフルで