見出し画像

不眠症に関する漢方的アプローチ

〜漢方指導士が
眠り」に悩んでいる人に送る〜

暑かったり寒かったり、今年は夏に向けて気温が定まらない日々が続いてます。
気づくと、何だか今日は疲れてるなあと思ってる自分がいませんか? 毎日の寒暖差に、体が自分が意識している以上に頑張ってしまっている結果の、その疲れなんですけど、思ったより人はその疲れを気のせいや年のせいにして、まあいいや気にしないでおこう!と頭で考え気にしない様にして過ごしています。
これを“第1段階の状態”としましょうか。
 
でも、頭と体は連動しないことが多々あります。
体が大丈夫だからと疲れた状態のまま過ごしていくとどんどん疲労が蓄積されて、気づいた時には寝付きが悪くなって(不具合)、そこでやっと自分は調子が悪いのかも?と気づく人が出てきますね。これが“第2段階の状態”。
 
そして、せっかく出てきてくれたその不具合ですら気の持ちようでなんとかなる!と思い込ませて、忙しいから時間がないからという理由で無視し続けてしまう人がいます。
そしてある日、意識せずに急な怪我をしたり、何か他の病気――
例えば自律神経を乱したり、睡眠障害を引き起こして憂鬱な気分(鬱病)になってしまったりという心の問題で動けなくなったり、またはもっと重症な病気を発症してしまうが出てきます。
人それぞれ体の不調として現れる症状は様々ですが、ここまでになるともはや自分1人でその症状を直せる段階ではありません。病院との長いお付き合いの始まりになりますね。
 
 
1300年の昔から「春眠暁を覚えず」と言われるように、本来、春という季節は眠いものです。冬は寒くてなかなか寝付けなかったり途中で覚醒することも多いですが、春になると気温が上がり、体内温度を保つためのエネルギーが使われることがないため体が楽になり、眠りが深くなるものです。
一般的に疲れは寝ている間に取れるものです。脳や体を適度に休ませて生命を維持させるために必要なんですね。普通、自律神経のコントロールは無意識に行われますが、なんかのきっかけで交感神経が動きっぱなしの状態になると、急には止まれない状態になってますのでなかなか副交感神経という、体を休ませる状態に切り替わらず、それが眠気を妨げる要因になります。
 
そして春は常に新しいことが始まることが多い季節であり、環境の変化が激しいので元々神経バランスが崩れやすくなる季節でもあり、倦怠感や不眠などの不調に現れることが増えてきてしまいがちです。
 
それでなくても人間は25時間周期で生きていますから、日の出が早くなったり日照時間が伸びたりすると自然と時差ボケになってしまう傾向があります。そうなると体内時計が狂うのでいつまでも眠かったり、夜起きたままいられたりしてしまい、生活リズムが乱れていってしまうんですね。春は体にも心にも大変な季節だということです。
 
ということで今回は第1段階〜第2段階にいる方へ実践していただきたい眠りへのアプローチ方をお教えしてまいります。
 
不眠症の改善方法
〜入浴〜
なんか最近なかなかすぐに寝付けないのが気になるなあ、よく寝た気がしないなあと思っている方にまず試していただきたいのが、寝る1時間半前メドの入浴です。
 
人の大腿部には大きな血管が通ってます。
太ももを触ってみていただけるとわかるように、結構冷たいこと多いです。ということは、そこを通る血管も冷えてしまい(血行が悪くなる)、足先にたどり着くまでにはーすっかり冷え冷えですね。なので足を温めるといいのですが、この季節になるともうカイロや足を温める物など使うと直ぐに暑くなってしまって無理❗️となります。
そうなるとどうやって足を温めればいいか、それには入浴が1番ということになります。足湯(足浴)もアリですね。これは交感神経と副交感神経のオン・オフをはっきりさせる効果が大です。
 
先にご飯を食べたい気持ちはわかりますが、寝る前の入浴は体が温まり、体の中の余分な熱を睡眠に適温な状態に下げるまで時間がかかってなかなか副交感神経が機能してくれません。そのため寝付きが悪くなってしまいます。反対に早すぎれば寝るまでに体が冷え切ってしまって熱を上げるのが難しくなって冷えて寝られないと。なので寝る1時間〜2時間前をお風呂目標にするとちょうどいいという話になるわけです。

〜呼吸法〜
また、寝る前に呼吸を整えるのもいいですね。仰向けに寝て、まずは自然に呼吸をして自分の呼吸を観察しましょう。今の呼吸状態がわかったら、次に少しだけゆっくりと呼吸するように意識してみます。ゆっくり息を吐いて〜、吐ききったらその力をすこし緩めるくらいで息を吸う。それを繰り返します。無理に息を吸わなくてもゆっくり吐くことを意識すれば大丈夫です。難しいと感じる方もいると思いますが、呼吸だけに意識を向けてみて下さい。だんだん落ち着いてきて体もなんとなく温まってきたような気になり、ゆっくり眠りに誘われていくはずですよ。

 時々、私はどんな状態でも寝られないことがない!と豪語する方がいますが、そんな幸せそうに思える方にあえて申し上げれば、直ぐに寝られてしまうのではなく、それはある意味「気絶」しているんですよね。入眠で間違えないでいただきたいのは、ベッドに入って寝付くまで20分くらいかかるのが平均的で普通なんです。枕に頭乗せた❗️いびきが聞こえる‼️という状態は体的にはギリギリのギリの状態なので、それは相当体が我慢しているということです。いつでもそんな感じで寝られるのはいつでも体を酷使しすぎているということなので、体に一切余裕がないことになりますから、続けていると後々体に不具合が出てきます。反対に気をつけられた方がいいですよ。もう少し余裕が持てるように心がけてみるのがよろしいかと思います。 

早めに食事をとり、早めに入浴まで済ませてしまった方がお腹が空きすぎて寝られないというのも、エネルギーがなくなって発熱できず体が冷えてますから、我慢して寝てみてもなかなか寝つけません。無理はしないで、少し体をあたためてほっこりリラックスしてから気分よくベッドに入りましょうか。 

〜ホットミルク〜
そういう時はホットミルクです。牛乳は漢方的にも心を落ち着ける作用があるため、昔からよく使われてきました。牛乳を受け付けない人も温めると案外いけてしまう人が多いです。ホットミルクをゆっくり飲んでみて下さいね。それだけでは物足りないの、という方はもうひとつ追加して、バターの入っていないビスケットを2〜3枚つまみながらのホットミルクをどうぞ。やはり小麦も昔から心を落ち着ける薬効があります。

日本は元々雑穀の国です。なので日本人と小麦との相性はとてもいいです。お米はもう少し後で日本に渡来してきた民族と共にやってきました。そして昔のお米と今のお米はまたちょっと違いますね。今の主流は白米になってしまってますから。 

ホットミルクとビスケット、これ案外いけますよ。なぜか食べてしばらくするとほんとに眠くなります。ぜひお試しあれ☺️

ここから先は

2,719字 / 1画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?