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Twitterで人間の「サガ」を垣間見た話

 もしかしたら、私は深淵を覗いてしまった……のかもしれない。

上京した女性、結婚したければコリドー街には絶対に行くな。ここは「性別が女性」というだけでそこそこ地位と年収とコミュ力の高い男達が自らの欲望を短期的に満足させるために経験したことのないようなVIP扱いをしてくる。酒も肉も願うままにご馳走してくれる。でもそれは「あなたに魅力がある」から


こーじせんせ|不動産クラスタ新聞編集長 さんのツイート

 5月30日に見かけたこのツイート。賢明なSNS通(というかツイ廃)の皆様であれば、ツイートの末尾が、「でもそれは【あなたに魅力がある】から」と句読点もなく終わっていることと、同じアカウントのアイコンで続きのツイートが示されていることから、「ははーん。ポジティブに読み手を持ち上げたと思わせて、次以降のツイートで恐怖のズンドコに叩き落そうって狙いがあるのね!」と予想するのはそれほど難しいことではないでしょう。
 続くツイートの流れでは、女性をVIP扱いしてくれる一見ハイクラスな男性たちが何を狙っているのか、将来をも見据えたお付き合いに発展する可能性の低さなどを暴きつつ、賢い女性であればそんな罠に陥ることなく堅実に「分相応な幸せ」を手に入れるために、失ってはいけない「女の子の大切なもの」に気づいてほしい、みすみす将来を棒に振ることなく人生の質を高めてほしいということが切々と語られています。(確かそうだったはず)
 とはいえ、そのツイートが向けられている対象は、「上京した女性」なのです。今年の春、地方から上京したての新大学生や新社会人といううら若き女性たちに向けて放たれているのです。

 一連のツイートを読んでから、また最初のツイートを眺めた私の中に、「余計な事」をしたい欲求が生まれました。
 なんていうのかなー? そう、引用リツイートだ!!
 思いついたが吉日とばかり、こんな言葉を添えていました。後悔はない。

このツイートだけ読んで、自尊心を保ってるアラサーのつもりのアラフォー女性がいそうでこわい。

私(山口小夏)のツイート

 いますよね? いませんか?
 私がツイ廃でなかったのなら間違いなく、最初のツイートを見た時点で「へー、あー、そーなんだぁ。私も気をつけなきゃあ」って気持ちでリツイートしていました。絶対そうしてる。だって私だから!(謎の自信)
 言っておくが、私は対象外なんだ。気づけ!! 自分の年齢を把握しておけ!!
「若々しさ」を、感性や思考能力や行動力といった方向で持ち続けられるのは、決して悪いことではないとは思います。
 それでも、です。重ねてきた自分の年齢が、想定対象よりも10年以上オーバーしてる事実に向き合いましょう。特別なケアの必要も感じないくらいに容色が最高の状態だった「あの頃」はとうに過ぎ去ってしまったのに、「あの頃の自分」に固執する幼稚さや未熟さの言い訳に「若さ」や「か弱さ」を使うのはよした方がいいと思ったのでした。
 自分ですらこう思っちゃったんだから、世の中には同じように身の程知らずなことに気づいてない人もいるのかもしれない。それをインターネットに投石するのが、「余計な事したい!」欲求のすべてでした。
 思った時にやりたいことができたので、私はすがすがしい気分でいます。

 それから数日後、暦は6月になっていました。
 5月31日までにこの記事を公開できていれば、noteの「3か月連続投稿」のバッジがもらえたのに、それはできませんでした。残念。
 そうそう、あの引用リツイートどうなったかな?と、ツイートの詳細を見るまでもなくインプレッション数が千件を超えていました。
 滅多にないことなので、記念にツイートアクティビティのスクショを撮っておきました。

いつもと明らかに客層が違う人が見に来てる!(ちょっとうれしかった)

 普段からリツイート多めのワタクシのツイートですが、自分の投稿にしろ引用リツイートにしろ、通常の閲覧数は10~50件程度ということがほとんどです。そんな泣く子も黙る陰キャオブ陰キャのワタクシのTwitterアカウントでわざわざ「プロフィールへアクセス」する人なんて、情報商材系や出会い系のスパム業者しかいません。共通のフォロワーがいる人がたまにフォローしてくれることもありますが、そんな増え方は1シーズンに2~3人いれば多いくらいです。
 でも、この投稿をしたからといって、特段フォロワーは増えていませんし、毎日のメールチェックでも「スパムメール・フィッシングメール」が急増したということもありませんでした。
 ……ということは……?

「人にケンカ売るような発言をしているこの人間の本性を暴いてやりたい」
「あまつさえ、ドクズであれば見下して論破してやりたい!」
 こういった辺りの心の動きが働いたのだろうと思います。
 うん。多分そうなんじゃないかなあって思いました。
 違ってたらごめんなさい。
 そんな感じで終わります。またね!!(急にフランク)

【追記】

 記事公開してから、YouTubeのショート動画で、ちょっと素敵な名言に出会ったのでリンク張っておきます。

【何を話せるかが知性、何を話さないかが品性】【どう伝えるかが人間性】
「声でかなってもうた」うき本せんせぇが(非実在の)園児たちにぶちかます、名言が素晴らしかったのです。
 でもこれほどの名言だったら、もしかしたら本歌というか元ネタがあるのかも……?と、思い直して検索したところ、しっかり note 記事で取り上げておられる方がいらっしゃいましたので、僭越ながらこちらもリンク張らせていただきますね!

 こちらの記事のおかげで、お笑いコンビ・スピードワゴンの小沢一敬さんがTV番組内で行った発言が元ネタのようだと知ることができました。登場回の番組内では「名言乱発」ということだったのですが、肝心のWeb記事全文が読めなくなったこのタイミングで、素敵な言葉を教えてくれたYouTuber・うき本さんちに深くお礼を申し上げたい気分です。
 実は自分の中でも深淵を覗いた興奮を言葉に表したい欲求を我慢したほうがいいんちゃうかなーという反省、とまではいかずとも、もうちょい我慢できてたら善き人ぶれたのになあという思いは少なからずあって、それを言い表すのに「言わぬが花」という言葉がその感覚に近いなぁと思っていたのですが、それはあまりにも古き良き日本的な感性「お察しください」という要求が高すぎて、今どきの人には伝わらなさそうよねーと思っていたタイミングで出会えたのでした。ありがたいことなのです。


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