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倚松庵・文豪谷崎潤一郎旧邸

小説を1作書きおえて、変態と知性のありように悩んだ私が、半ばすがるように訪れたのは此処、倚松庵・文豪谷崎潤一郎旧邸。

とはいえ、ここは「細雪」の舞台。
「細雪」は映画で観たけどそんなに面白いとは思わず…。
四女に入れ込んで破滅するボンボン役の桂小米朝(現・桂米團治)がいい芝居をしていた記憶が。
若く上品な面立ちの青年が恋で身を滅ぼす姿がこんなに儚く美しいのだと初めて知りました。

谷崎潤一郎ゆかりの施設は兵庫県内にいくつかあり、そんなに惹かれない「細雪」の舞台であるのになぜここへ行くことを選んだかというと、入場無料だからです…。楽しかったら次は有料のところへ行こかなって思ってね。

おうちの中は、撮影禁止のところもあり、その境界線がよくわからなかったので外の写真だけ。

一階には、ステンドグラスが嵌められた扉、暖炉、クラシカルな棚、五右衛門風呂がありました。

2階は東西南北窓が開いており、通気性抜群!
涼しい!汗だくだったことが嘘のように、着ていた白い麻のシャツを清々しく風が通り抜けて心地良くさせてくれました。
この邸宅はもともと借家だったそうで、戦争中に家主から退去を求められた谷崎氏は、いろいろと粘った模様。
わかるわー。近くに住吉川(水がきれい)もあるし、環境いいもんねー。

職員さんがとても人懐っこい方で、楽しい見学時間となりました。
いただいたうちわで首筋を扇ぎながら、住吉川を歩くと水浴びを楽しむ家族がちらほら。
谷崎氏がいた時代からの風景かもしれません。
次は芦屋にある谷崎潤一郎記念館へ行ってみよう。

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