読書録「予想通りに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」ダンアリエリー(ハヤカワノンフィクション文庫)
2月に、ベトナムに旅行しながら読んだ本。
バイクと人で道路が溢れていて、これから経済をぱあっと、どんどん大きくするぞっという勢いを感じる町を見ながら読むのにぴったりでした。
マーケティングって何?
マーケティングの勉強を…となると、広告の話とか、最先端のマーケティング事例とか、ある企業のストーリーとか、そういうものがマーケティングだと思っていた私にとって、行動経済学とのはじめての出会い。
痩せたいのに食べてしまう、人にバレないからこっそりちょこっと嘘をついてしまう…など、合理性を求めていけば絶対しない判断を、多くの人がすることが実験結果で書かれていて、リアル。
不合理が前提と思うと楽しい
なるほど、全ては不合理が前提なのかーと思うと、一人スッキリしたのでした。だから、不合理なことを見つけると、それ以来嬉しくなってしまいます。あっ、不合理だ、みたいな感じです。
ベトナムと日本、マーケティングするならどちらが楽しいか?
渋滞の中バイクに乗って、旧正月の同じような土産物を持って故郷に帰っていく人を見て、今はきっとマーケティングしやすそうなタイミングの国なんだなぁとぼんやり思ってました。
日本と比べると、とてもシンプル。もっと綺麗なバイクが欲しいかもしれないし、服がたくさん欲しいかもしれない。日本はそのピークを過ぎて、商売の仕方が違う。マーケティングは今の日本の方がある意味やりがいがあるのかも?
マーケティングはなんだか算数っぽくて、方式とフレームワーク、戦略(とても重要!でもときどき退屈)とばかりでと思ってましたが、そうは言ってもね、という不合理の掛け合わせを推理して戦略を立てるのは楽しい。マーケティングの仕事を長くしていたつもりなのに、何にも知らなんだ。
人それぞれが持つ、考えの輪の大きさと場所を知るともっと理解できるはず(たぶん)
あと、いいなぁと思ったのが、相対に関する章。人によって相対の対象と大きさが違うから、ある人はこういっている、でも違う人は全く反対のことをいっている。よくあることだけど、本を読んでからこの人はどれくらいの相対の大きさの輪をどこに持っているのかな、と考えるように。考えるというよりも、観察しないとその人の輪は分からないから、いろんな人の話を聞くのも楽しくなり。それぞれ大事にしていることはなんなのか、趣味の悪い研究をこっそりしています。相対の輪を広く、明るく持てると可能性は広がるなと。
いい本に出会いました。
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4150503915/ref=cm_sw_r_cp_api_i_Q9z6Bb37RAJ48
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※写真はベトナムの市場に陳列されていた躍動感あふれるバナナ
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