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子供が塾を3ヶ月で辞めた話ーその5:塾に通って最初の1ヶ月

前回までのあらすじ

突然塾に通いたいと言い出した子供。私立中学受験に全く興味がなく、何も知らない状態でまずは友達の親に色々と聞いてみることに。小学校高学年になってくると定員がいっぱいで入れなくなるから、辞めるのは後でできるからとりあえず入ってみたら、というアドバイスをもらう。次はいよいよ塾選び。入塾試験なる不思議な関門を乗り越え、体験授業で感激した子供はついに塾を選んで通うことに。塾のシステムに不慣れは親は、最初の難関、宿題の多さに四苦八苦する。

最初の1ヶ月の様子

最初の2、3週間は混乱の極みでしたが、ようやくリズムが掴めるようになってきました。

分かってきたのは、中学受験は算数、国語、理科、社会の4科目なので、それ以外はやらないということ。クラスは週に2回あって、それぞれ2科目ずつ授業があること。授業が終わると翌週までにやらないといけない復習の宿題があること。次の授業には前回の授業に基づいた復習の小テストがあること。1ヶ月の終わりに総集編のような具合で全科目の試験があり、塾の全国チェーンで行われるので順位などが出ること。さらにその試験結果でクラス分けが変わること。

慣れてくると、このように整理ができるのですが、それまでは突然宿題が始まったり、宿題の締め切りも複数あって分からなかったり、なぜか毎週クラスがあるわけではない日曜日に塾に行く日がある(試験日)、など、本当に辛かったです。でもこれはだんだん慣れるものなのだと思いました。

そして信じられない、と思ったのが残業と呼べば良いのか、居残り学習です。毎週のクラスは8時半ぐらいに終わっていたのですが、その後9時すぎぐらいまで希望する子供は塾の教室に残って自習ができるのだそうです。自習が始まるまでの間に10分ぐらいの休憩時間があるので、その間に弁当などを食べるのだそうです。しかもその弁当は親が用意して持っていって、置くところがあるのだそうです。二月の勝者で見たやつで、と思いながらまさか自分もその立場に追いやられるとは思いませんでした。が、親(つまり私)が弁当作るのが面倒すぎたこと、加えて子供もそんなに勉強をしたくて入ったわけではなかったこと(友達が行っているから行きたくなっただけ)もあり、自習は勘弁してもらいました。

通って1ヶ月で感じたこと

宿題の量多過ぎ

塾によるのだとは思いますが、子供が通った大手塾は宿題が非常に多かったです。各クラスの後に授業の復習を兼ねた自宅でやるテストがあり、これを翌週のクラスまでにやる必要がありました。火曜と木曜に授業があったのですが、その日は塾があるので宿題をやる時間はありません。とすると宿題ができるのが水曜、金曜、土曜、日曜、月曜日で、そのうち土曜、日曜は他の習い事もあったりするので、平日の夜など、夜10時すぎぐらいまで宿題をやることがありました。特に最初は慣れていないので、子供の睡眠時間が短くなっていきました。

最近知人に聞いたところ、その人の子供が通っていた塾はあまり宿題が多くなく、そんなに大変ではなかったようです。これは塾の選び方を間違えただけだったのかもしれません。

親の介入必須

宿題に関連しますが、子供だけで計画的に宿題をやるのは少なくとも我が家の場合は不可能でした。最初はある程度任せていましたが、どうも何をやったら良いのかも理解できていない、そしてそれをいつどれぐらいの時間をかけてやったら良いのか、子供だけでコントロールするのは非常に難しいと思いました。最初の頃はそれで宿題が終わらず、子供がイライラし出して週に2、3回は夜になると疲れて機嫌が悪くなる、ということが起きました。

結局妻が計画を立てました。週によって宿題の量が変わるのですが、おおよそ1科目3つぐらいの宿題が出るということがわかってきました。なので例えば火曜日に授業があったら、水曜日にそのうちの一つ、金曜日にさらに1つ、週末に残りの1つ、というように決めました。子供にもこれぐらいのスピードでやっていかないと、終わらないよね、と確認をとって納得してもらった上で始めました。もう少し慣れてきたら、授業が終わると宿題を確認して、個別に算数のテキスト何章の問題1 - 2を金曜日、問題3を土曜日、みたいな形でさらに細かく決めました。

もう一つは塾の送り迎えです。幸い私の場合は一駅隣の駅にある塾だったので、行く時は一人で行って、帰りも塾の先生が駅までは送ってくれたので、一人で帰ってくることができました。ですがたまには塾まで迎えに行って、その日に習ったことなどを聞くようにしました。また、もし自習をやる場合は弁当を準備しないといけないので、これは共働き家庭ではまず無理だろうと思いました。最悪送り迎えは共働きでもできるとしても、弁当は共働きでは朝のうちに準備しておくなど、かなりの時間を毎週取られることになるので、専業主婦家庭でないと厳しいと思いました。

内容しょぼ過ぎ

2、3週間して宿題の中身や習ったことをいくつか自分でも確認するようになりました。これについては次回詳しく書こうと思いますが、まず驚いたのは、学んでいる内容が30年ぐらい前に自分が子供だった頃に学んだことと、ほぼ変わっていなかったことです。なんとなく、昔の詰め込み教育は良くなかった、これからは自ら考える力が必要だ、などと言われる昨今なので、もう少し変わっているのだと思いましたが、ほぼ暗記ものなんだなー、というので少しがっかりしました。4年生で通い出したばかりなので、まずは基礎的な知識を身につけないといけない、ということだったのかもしれないですが、内容しょぼいなー、こんな中学生になったら大体覚えられることができて何か意味があるのかなー、と思ったのが正直なところです。

子供勉強しすぎ

最後に思ったのが、自習の時間など、子供勉強しすぎじゃないか、ということです。授業が終わったらみんな帰るのかと思っていたのですが、実際は帰る人はごく1部で、ほとんどの子供が自習時間まで残っているのだそうです。信じられない、、、こんなのは韓国ドラマでしか見たことがない、と思っていましたが、灯台下暗しでした。
ただし知り合いの親に聞いたところ、家に帰ると宿題をする時間がないので、そのまま塾に残って翌週までの宿題をそこでやってしまったほうが効率的、ということで残っている子供もいたようです。

通って1ヶ月で起きたこと

子供が塾に通い出して、家庭や子供の生活には目に見えた変化がありました。

荒れる家庭

少し触れましたが、最初は宿題のペースが掴めずに、授業がある前日でも宿題が終わっておらず、仕方がないので前日夜の10時をすぎても宿題をやっていることがありました。さすがに眠いですし、日によっては日中は習い事で体を動かしたりと疲れもあって、子供が機嫌が悪くなって怒り出すことが週に2、3回はありました。

最初は親も宥めているのですが、親もだんだんと腹が立ってきて口喧嘩が始まります。家庭内は殺伐としていました。親としては別に塾に行けと言ったわけでもないし、どちらかというと塾に行ってほしくないと思っていた立場なので、自分が行きたいと言って自分の首を絞めておいて、それで大変でこちらに当たらないでほしい、とキツく当たることもありました。何度も「だったら塾なんかやめてしまえ」と言いそうになりました。

喧嘩が起きると、翌日の夜などに妻と二人で話し合いをして、子供がやりたいと言ったことを責めるのは良くないし、やりたいということはなるべく叶えてやりたいのだから、どうやったら機嫌が悪くならずに宿題を終えられるだろうか、ということを相談しました。その結果もあって、宿題のスケジュールを立てたりということを始めました。

なんでこんなに誰もやりたいと思わないことで、家庭内が楽しくなくなって、さらにそれを我慢しているんだろうね、と親の愚痴も増えました。

ちなみに子供が怒り出すというのは良くあることみたいで、知り合いの子供も2、3人同じような状況にあると聞きました。

娯楽時間が減る子供

子供が遊ぶ時間がガクッと減りました。塾以外にも他の習い事などの予定が入っていて、ただでさえ勉強時間の確保が難しかったです。その上、毎月一回テストがあり、テストがある日は午後がまるまる潰れます。さらに時間的に厳しくなってきます。また、学校の宿題もあります。

それまで子供は自分で決めた週に4回、30分ずつゲームをやっていい日としていましたが、ほとんどゲームをする時間はなくなりました。最初の頃はやっていましたが、そうすると宿題が終わらず夜に怒り出すということが何度かあったので、塾の宿題が終わるまではゲームは禁止、としました。すると自然とゲームはできなくなりました。

また、見たいテレビ番組やYouTubeもありましたが、それを見ていると本当に塾の宿題をやる時間がなくなるので、週に1、2回しか見る時間がなくなりました。それまではダラダラとビデオを見ていることもあったので、これはメリハリもできてよかったのではないか、と思いましたが、子供の生活としてはどうなんだろう、とやや疑問でした。

さらに公園に遊びに行くことも少なくなりました。ゲームと同じく、公園に遊びに行くのも宿題が終わるまでは禁止としたのが理由です。

子供が学校から帰ってくると、まず、塾の宿題はいつやるの、と聞くことが増えました。自分がやらせたくないことを子供に強制しているようで、心苦しかったです。

まとめ

塾に通っていた頃を思い出して、少し悲しくなりました。こうして改めて書いてみると、塾に行って良いことはあまりなかったな、という印象です。もちろんそのおかげで良い学校に行けて、良い人生を送ることができた、という未来もあったのかも知れず、あの生活を我慢して続けていたほうが良かったね、と振り返る日があったのかもしれません。

次回は最初の試験(全国模試)と、内容に少しがっかりした、という話を詳しく書こうと思います。

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