彼女は人によって態度を変える

フジテレビヤングシナリオコンクールに出すかもしれないあらすじです。

青春恋愛SF。誰にでも優しい完璧美人の同級生・桜井美鈴に恋する花田は、ある日、美鈴の体に触れると、パラレルワールドへ飛んでしまう。
その世界で花田は、美鈴の兄になっていた。

誰にでも優しい完璧美人の同級生・桜井美鈴に恋する花田は不可抗力で美鈴の体に触れた直後、意識を失う。目を覚ますと、自身が美鈴の兄になっており、そこがパラレルワールドだと気付く。行く度に先輩、後輩、彼氏など、美鈴との関係性だけが変わるその世界と元の世界は、美鈴の体に触れることで行き来できる。関係性が変わる毎に美鈴の新たな一面を知り、完璧美人のイメージは崩れていくが、やがて美鈴自身も人によって態度を変える自分を嫌悪しているからこそ、無理して誰にでも優しくしていたとわかる。良くないと思っていながら、そうしてしまう自分を許せず苦しむ美鈴を見て、美鈴のように情けない自分と向き合う事すらせずに目を背けていたことに気付き、そんな自分を変えようと現実世界の美鈴と距離を縮めていく花田。

そんな二人の障害になるのは互いの自己肯定感の低さ。自分の情けなさやズルさに自覚的な花田と美鈴は誰かに好きになってもらえるような人間ではないと互いに思っていた。

美鈴に触れられないことも相まって花田は距離が縮まれば縮まるほど、自分なんかが美鈴に釣り合うのかと悩む。そんな花田の煮え切らない態度に美鈴は片思いであると勘違いし、花田への思いを断ち切ろうとする。

すれ違う美鈴と花田はある日、衝突。勢い余って美鈴の体に触れて飛ばされたパラレルワールドには美鈴がいなかった。美鈴がいないこと以外は元の世界と変わらない。美鈴に触れないと花田は元の世界に戻れないが、このまま美鈴がいないこの世界にいた方がいいのではないかと考え始める。

パラレルワールドでの生活に馴染み始める花田は、自分でも知らぬ間に美鈴のことを忘れていく。だが日常的に喪失感がつきまとい、美鈴を忘れた花田はその理由がわからず、悩む日々。

そんな時、花田は失ったものを取り戻せるという近所の神社の噂を聞く。喪失感を払拭しようと神社にお参りにきた花田は美鈴と再会する。