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自然栽培4つの段取り④ 美味しいお米の育てかた#029

見立てと環境整備を終えて、いよいよ栽培を開始します。


栽培の過程においても

植物の様子を見て

常に圃場環境や土壌の影響を観察し

必要に応じてアイディアを実施していきます。


前回までの見立てと環境整備は

常にルーティンワークであると考えても良いと思います。

アプローチした結果どうなるかも短期的、長期的に検証していきます。


4th Stage「栽培と因果関係の追究」


まず、栽培においての圃場でのトラブルのほとんどは人災と覚えておくといいでしょう。

自然界は人為によって起こったことに素直に応えてくれるだけであり

そこに悪意がないのは明白です。



例えば、圃場の植物にとって致命的な土砂降りが降ったからといって

空に向かって大声で文句を言っている栽培者がいたとしたら。

その人が素晴らしいクオリティの農産物を育てられると思える人は

うーん、いないですよね。。


虫や病気はもちろんのこと、自然界では必要なこと以外は起こりません。


日々の天候でさえ地球全体のバランスの一部として起こります。


そういった点で、特に日本人は自然災害をも

自然の恩恵として受け入れ順応し暮らしてきた歴史があります。

先人たちにとって自然は

畏敬の念と感謝の念をもって接する対象とされてきました。


そのダイナミックに動き続ける自然の中において

自分たちにできることは

①地の利を活かしベストを尽くす。

②流れを読むこと、感じること。

③それによって策を実践することが出来たか。


④それによってどのような変化があったか。


これらを常に観察し検証することが

結果としてスキルアップに直結します。



栽培とはまるで自然との会話のようでもあり

こういった感覚の成長も自然栽培の大きな魅力の一つだと思います。



実際の栽培に向けて


ここまで自然栽培4つの段取りをご覧いただきました。


ちょっと長い道のりでしたね。

無肥料だったり無農薬だったり

一見何もしなければいいように見えて

実はそれなりのメソッドがあるということが

お分かりいただけたかと思います。


完璧にあたまに入れるというよりも

実践していく中でたまに読み返していただければ

解釈の奥行きが違ってくるかと思いますので

都度ご活用ください。

まだの方は以下のリンクからご覧いただけます。


これまでの4つのステージを経たことで

圃場においてどのような環境をつくる必要があるのかが

分かってきたと思います。


気づいた点で、今やることが難しいものは

長めの時間軸の計画のなかで整理します。


自然栽培は5年計画、10年計画です。

ゆっくり着実な変化を念頭に進めていきましょう。


その変化は栽培する植物や風景が

味覚を通して、視覚や雰囲気を通して

必ず伝えてきます。


「味が変わった」

「育ち方が変わった」

「圃場に行くと気持ちいい」


というポジティブなことや

過去の残肥や土壌性質の影響で


「虫だらけになった」

「全滅した」


という ネガティブなことも起こり得ます。


それまで農薬などで抑えていたあらゆる事象が露呈すると思います。

そのすべての変化は起こるべくして起こります。


自然のバランスを獲得するプロセスを

じっくりと見つめて体験していただきたく思います。



もし、農薬を使用して営農している中で自然栽培を実施したいのであれば

出来る限り予防のための農薬の使用ではなく

症状が出たら農薬を使用するようにし

その量を減らす方針で観察することを提案しています。



転換する際の捉え方


自分のアクションの何が原因で土壌の変化が起こっているのか

分かるようになっていたほうが因果関係に気付きやすくなります。


自然栽培は農薬を無理に使わない方法ではなく

農薬が無くても虫も病気も発動しにくい

自然本来のバランスに戻す栽培方法

であることを思い出してください。



もちろんこれ以外にも必要な着眼点はあるかもしれません。

その場合も自分の感性を信じて観察を続けていただき

その成果は、出来れば生産者同士で共有してほしいと思います。


新しい発見においてオープンに共有して研鑽できるのも自然栽培の特徴です。

なぜなら自然は無限であり予想を超えたことが起こり得るからです。


自然栽培の栽培者は半永久的に

そこに答えを探求し続ける旅人のようなものかもしれません。



自然から学ぶ構造の応用


今風に言えば

自然栽培はどんな人の自然観でも必要としている

オープンプラットフォー ムということもできます。


従来のアカデミックな権威を中心とした

ピラミッド型のトップダウンは

あくまで参考の一つという役割とし

球型による一人一人の横の共有を中心とした構造は

自然界の役割によって成り立っている世界に通じます。


こういった考え方は次世代の産業や

社会構造の創造に広く応用できるものです。


私はこういった観点からの社会構造を

自然生理型社会と命名し

自然栽培のビジョンの研究と応用を研究しています。


それに関してはまた別稿にてご紹介するとして

そこから見える社会を共有し新しい時代を

自然栽培を筆頭に皆さんと作っていきたいと思っています!



さて、次回は田んぼの整備のプロセスから

田植え、除草、収穫というステップを追っていこうと思います!

続く

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