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4章④【生きる意味】 異様な日常 12/29/2017

生きる意味[平成29年12月29日(金)] 

どうして生きているのだろう。
生きている、その後はどうなるのだろう。
輪廻転生は本当にあるのか。
それとも、灰になって、無になるのか。
天国や地獄があるのか。
ボクは、いろんな本を読み、文献を調べて、哲学に行き着いて、哲学を勉強したが、結局、結論は出ない。

神様はいるのか、いないのか。
ボクの存在は、他人の存在は、毎日、毎日、ずっと考えた。

こんなことを考えるきっかけが、3年前にあった。

引きこもり気味で、マイペースだから、あまり友達がいないんだけど、
たった一人だけ、なんでも話せて、一緒にいても気を使わなくて、居て当たり前のような存在の友達がいた。
何ヶ月も何年も会わなくても、昨日会ったように話せる友達。
暇なときに、都合ついたら会おう、っていう気楽な友達。

ある日、ボクにだけしか言えないと、体調が変なことを打ち明けられた。
その時、ボクは、病院で検査したほうがいいと言った。
でも、友達は
「お金かかるしね」と渋っていたので、
「早めの診断がいいよ」って笑って軽く答えた。

それから、ボクは忙しくて、携帯を壊してしまい、そうこうしているうちに何ヶ月、1年、1年半経ち。
ある休日、ちょっと考える時間が取れて、友達の誰にも携帯番号を変えたことを言ってないと思い出した。
友達の中でも、彼女には真っ先に連絡先が変わったとメールした。
真っ先と言っても既に1年以上経っていた。

そうしたら、間も無くして、彼女から、連絡がある。
「いいね、久しぶりに会おう」
「随分会ってないものね」
「じゃ、いつものところで」
待ち合わせ場所に現れた彼女は、ニット帽をかぶって微笑んで手を振っていた。

1年半前、彼女は、あれから、すぐに病院に行かったという。
誰にも相談できないから、ボクに相談しようとしたけど、携帯繋がらなくて、病院に行くのを渋っていた。
何ヶ月か経ってから、体調が悪くなって、辛くなってきて、さすがに診てもらわないとまずいかなと、勇気を振り絞って、病院に行ったと言う。
病院に行った時は既に。

今は入退院繰り返していると明るく楽しく話してくれた。
いつもの前向きな元気な彼女は、誰の悪口も言わない。
ボクの愚痴をいつも笑顔で聞いてくれて、アドバイスしてくれる。
神様みたいにいい人だと知り合った頃から思っていた。
周りのみんなを笑顔にする天才なのだ。

最後に会った時、一緒に近所をお散歩した。
カフェでコーヒー飲みながら、
「よくまだ生きているなって思うでしょ」
と彼女は戯けて言った。
「何バカなこと言っているの」
と笑ったつもりだったけど、頬が引きつって、笑顔にならなかった。
それ以上何も言葉が出てこなかった。
何て言えばいいかわからなかった。
会話が途切れて、空気がキーンとなって、その時間だけが、今でも続いている。

それから、また忙しくなって、いろんなことがあって連絡の取れない日が何ヶ月も続いて、
「家族から、大変よ、大変!!」

彼女は突然逝ってしまった。
あんなに元気で明るかったから、回復するとばかり思っていたのに。
だから、そのうち、そのうちって、忙しいことを理由に連絡を取っていなかった。
彼女が逝って二日目くらいの夜に泣いていたら、いきなり、こちょこちょってくすぐられた。
「わー、くすぐったい!」
と笑ったら、頭をコツンとされた。
「あれ?え?」
何かが落ちてきたわけでもなく、当たったわけでもないのに、ゲンコツの軽いのが来たのだ。
しばらく、泣いてたのも忘れて、呆気に取られていた。
きっと、彼女が、
「泣いてばかりいるな、前にススメ」
ってくすぐったんだ、って思った。
いつも、冗談が好きで、明るくて笑っている彼女からの、最後の明るいメッセージだったのかもしれない。

その時までは、人間も動物も生き物全部、死んだら消えるって思っていた。
けれど、その時から、死んでも、死んでなくて、どこかにいるに違いない、どこかで暮らしているに違いないって思うようになった。

彼女は、まだまだ、若くて生きたくって、やりたいこともたくさんあった。
ボクみたいに、やりたいこともなく、うまく出来ないとこんな世の中無くなれ、とか消えてやる、なんて自暴自棄にならない。
人生の見本を見せてくれていた、大事な友達。
そんな見本の人が、いなくなるわけがない。

今日も、難しくて、投げ出したくなる哲学の本を読んでいる。
古代の哲学者から、現代の哲学者まで、何千年経っても解明できない「死んだらどうなるのか」を解明できるだろうか?
いつか、「死んだらどうなるか」が解明される日が来る、と信じるしかない。


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半世紀以上前の世界に来てしまった。どうすれば、元の世界に戻れるんだろう。

2018年の夏。 幽霊や宇宙人は相変わらず見えないけれど、ある日、世界が変わってしまった。 ある日から、ボクの周りが変わってしまった。 ど…

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