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【ライターの裏側】 「読まれる文章」は目指していない

ライターのみなさんはおそらく“読まれる文章”を目標に日々精進していらっしゃると思います。そして多くの方が、ライターさんはたくさんの人に読まれる文章を書ける方だ、と思っていらっしゃると思います。
実は私はそうではないタイプのライターです。読まれる文章を意識して書くことはない……とは言わないけど、まぁそんなにないです。

なぜなら、“人は基本的に文章を読まない”というベースが頭の中にあるからです。

写真や映像は、なにもせず黙って座ってても、目さえ開けていれば向こうから勝手に飛び込んできます。脳が自動的にそれを処理してくれるので、心に響いたりするわけですよね。
でも文章って、タイトルや大見出しくらいなら向こうから勝手に飛び込んできてくれますが、まぁ2行以上の文章になると、こちらが意識的に読もうと思わなければ読みませんし、そこに書かれていることも理解できないでしょう。

ということから、そもそも“読まれる文章”というのは非常に難しいもの。「この人のファンだから読みたい」「この人の書くものは読みたい」と思ってもらえるようなネームバリューのある方でない限り文章を読んでもらう、読み進めてもらう、ということは難しく、そうでない人の文章は相手の目に入ったときに引っかかるような見出しや書き方などのテクニックを駆使して無理やりなんとか読み進めてもらっているのです。
WEB上の記事ならまだしも、私がメインでやっているホームページのライティングなんてまさにそう。ネームバリューのある会社さんであれば、ファンの方やこれから入社したいと考えている就活生や転職活動中の方に、隅から隅までみっちり読んでもらえるかもしれませんが、さほど興味もなく何気なくホームページに訪れたような人は、サービスの概要や商品ラインナップ、価格をチェックされるくらいで、コンセプトや企業の思いまではじっくり読んでくださらないだろうということをいつも念頭に置いています。

ほんなら適当に書いてんのか?
というとそういうことではなく、私が仕事で文章を書くときに重点を置いているのは “読まれたときに恥ずかしくない文章”を書くことです。
ほとんどの方がホームページに書かれている文章なんてじっくり読まないです。でも、万が一じっくり読まれたとして、そのときに変ちくりんな文章を載せていたら、クライアントさんの信用にも関わります。
ホームページに載せている文章をじっくり読むということは、その人はきっとクライアントさんのコアなファンかもしれないし、少なくとも強く興味を抱いていて将来固い客になる可能性も高い。アクセス数を稼ぐためのページでない限りね。
そんなコアなお客さんがせっかく読みに来てくれてるときのために、失礼のないように、恥ずかしくないように、きちっとした文章を書く必要があるのだといつも自分に言い聞かせています。

だから、私は多くの人に読まれる文章を意識していません。でも、1人でも2人でも、クライアントさんのページに足を運び、そこに書かれている想いやコンセプトにじっくり目を通してくれる方のために、今日も全力を込めて文章を書くのです。


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