【カフェ・バー開業】蕎麦を毎日打てるのか?
結論:継続できるか試してから始める
VOL.57
コマッチです。
Twitter : @komatchi77
東京の中野という街で、カフェバー「ミートコ」というお店を経営・運営しています。出店未経験の素人、かつ計画や情報不十分なままオープンして今年で7年になります。
過去の体験をもとに、小さなお店の開業・運営について綴っています。よろしければお付き合いください。
*******
40代〜50代にさしかかった男性の何割かが、
蕎麦打ち
これに憧れるようになります。
またそのうち何割かが、
実際に蕎麦打ちを始める
そして道具をひと通り揃え、
すぐに飽きる。
しかしその中から何割かが残って、
蕎麦打ちを趣味または特技にし始めることに成功します。
彼らのモチベーションは、
「旨い蕎麦が食べたい」
「自分で作ってみたい」
などですが、
人に振る舞ううちに、
「旨い蕎麦を人に食べさせたい」
と変わっていきます。
これは正確に言うと、
「人に振る舞って『旨い』と褒められたい」
というものが正体だと思っています。
そしてこれは強いモチベーションになる。
*******
趣味で作った蕎麦を家族や友人に振る舞う。
喜ばれると思います。
旨いと言われる。
絶賛されるかもしれない。
そしてこんな褒め言葉が出てくるかもしれない。
「お店出せるんじゃない?」
-----
これがまずは第1の罠。
まわりの言う「旨い・美味しい」には段階があります。
①本職の蕎麦屋と比較しても美味しい(プロレベル)
②「素人にしては」美味しい(特技)
③「無料なら」美味しい(趣味)
③(趣味)のレベルでもまわりは褒めてくれます。
そしてその褒め言葉は「美味しい」となる。
わざわざ「無料なら」と添えるひとはいない。
-----
おだてでも何でも、
分析・修正して継続するとレベルアップする。
すると②(特技)のレベルになる。
道具もプロ用のものを揃えて、
頻繁に蕎麦打ちに勤しむ。
つゆも自作して凝りだすかもしれない。
このへんでまわりから
「お店だせるんじゃない?」
という発言が出始める。
自宅で振る舞ったり、
頼まれて友人宅で蕎麦を打つ。
そうなるとギャラも発生したりする。
そしてこう思う。
「俺、お店だせるんじゃない?」
*******
他者からの承認欲求が目的であれば、
この②の段階で充分に満足できると思います。
「特技は蕎麦打ちです」と自信持って言える。
そしてそのうち何割かがさらなる研鑽を積んで、
③(プロレベル)
ここに到達する。
*******
なんだか皮肉みたいな文章になってしまいましたが、
このステップは素晴らしいことだと思っています。
「好きを仕事に」
というのもこの道のりをたどるのではないでしょうか。
好きで始めたことが、趣味になり特技になる。
他者を喜ばせ、サービスの対価としてお金を得られるレベルに到達する。
素晴らしいことです。
しかし。
ここに第2の罠が存在します。
「その作業、毎日継続できるのか?」
*******
蕎麦打ちが趣味になり特技になり、
本当にプロレベル、本職の蕎麦屋さんと比較しても遜色ない、本当に美味しい蕎麦が打てるようになるかもしれない。
しかし。
毎日できる?
そして
毎日やりたい?
ここを事前に確かめる必要がある。
なんの事前かというと、
本当に蕎麦屋を開業する
この前にです。
-----
趣味特技で蕎麦を打っているときには気づかないこと。
それは、
・身体の持続性
・気持ちの持続性
言い換えれば、
肉体的に毎日続けられるのか。
毎日続けても飽きないのか。
専門店の開業を考えているのであれば、
これを確かめておく必要があると思います。
*******
小さなお店でも1日例えば50食、
営業時間だと8時間ほどの稼働。
50食〜を作る。
3〜4時間は蕎麦を打つ。
それを毎日、定休あっても週6日続ける。
手首を痛めるかもしれない。
腰をやられるかもしれない。
そして開業したお店が「蕎麦屋」だったら。
蕎麦屋は蕎麦を出さなきゃいけない。
蕎麦屋の看板出しておいて、
この店のウリは親子丼です、というのも微妙。
手打ちをやめる、という手段もあります。
・製麺機を導入する
・麺を仕入れて調理する
もともとの目的が
「蕎麦屋を営業する」
であるならOKだと思います。
ただ、もともとの目的が
自分で打った蕎麦で喜ばせる
だったとしたら。
*******
毎日やっても飽きないか。
これも確認したほうがよいポイントです。
蕎麦打ちの作業そのものも好き、
食べてもらって喜んでもらって嬉しい。
これが揃っているといい。
作業そのもののみの愛着でもプロたり得ますが、
個人店には向かない気がします。
専門店で職人さんを目指す、
もしくは運営パートナーを見つけて作業に専念する。
これがいいと思います。
*******
好きな趣味だからこそ、仕事にしない。
そんな選択肢もあります。
開業したら先は長い。
応援しています。
次回VOL.58
お店での修行は必要なのか
*******
カフェ&バー『ミートコ』
Twitter
https://twitter.com/meatoco?s=09
Instagram
https://www.instagram.com/invites/contact/?i=1smsmgblqrkbd&utm_content=2xngh7c
中野の裏通りでこっそり営業しているカフェバーです。カウンター中心の小さいお店なので、おひとり様でもお気軽に。 貸し切りは4~6名様より承ります。パーティーや誕生会、女子会など、メニューリクエストも含めて対応致します。ご相談ください。
food 300yen〜/drink 400yen〜
03-5318-9517
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?