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【カフェ・バー開業】蕎麦を毎日打てるのか?

結論:継続できるか試してから始める

VOL.57

コマッチです。
Twitter : @komatchi77

東京の中野という街で、カフェバー「ミートコ」というお店を経営・運営しています。出店未経験の素人、かつ計画や情報不十分なままオープンして今年で7年になります。

過去の体験をもとに、小さなお店の開業・運営について綴っています。よろしければお付き合いください。

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40代〜50代にさしかかった男性の何割かが、

蕎麦打ち

これに憧れるようになります。

またそのうち何割かが、

実際に蕎麦打ちを始める

そして道具をひと通り揃え、

すぐに飽きる。

しかしその中から何割かが残って、
蕎麦打ちを趣味または特技にし始めることに成功します。

彼らのモチベーションは、

「旨い蕎麦が食べたい」
「自分で作ってみたい」

などですが、
人に振る舞ううちに、

「旨い蕎麦を人に食べさせたい」

と変わっていきます。

これは正確に言うと、

「人に振る舞って『旨い』と褒められたい」

というものが正体だと思っています。
そしてこれは強いモチベーションになる。

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趣味で作った蕎麦を家族や友人に振る舞う。

喜ばれると思います。

旨いと言われる。

絶賛されるかもしれない。

そしてこんな褒め言葉が出てくるかもしれない。

「お店出せるんじゃない?」

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これがまずは第1の罠。

まわりの言う「旨い・美味しい」には段階があります。

①本職の蕎麦屋と比較しても美味しい(プロレベル)
②「素人にしては」美味しい(特技)
③「無料なら」美味しい(趣味)

③(趣味)のレベルでもまわりは褒めてくれます。

そしてその褒め言葉は「美味しい」となる。
わざわざ「無料なら」と添えるひとはいない。

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おだてでも何でも、
分析・修正して継続するとレベルアップする。

すると②(特技)のレベルになる。

道具もプロ用のものを揃えて、
頻繁に蕎麦打ちに勤しむ。
つゆも自作して凝りだすかもしれない。

このへんでまわりから

「お店だせるんじゃない?」

という発言が出始める。

自宅で振る舞ったり、
頼まれて友人宅で蕎麦を打つ。
そうなるとギャラも発生したりする。

そしてこう思う。

「俺、お店だせるんじゃない?」

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他者からの承認欲求が目的であれば、
この②の段階で充分に満足できると思います。

「特技は蕎麦打ちです」と自信持って言える。

そしてそのうち何割かがさらなる研鑽を積んで、

③(プロレベル)

ここに到達する。

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なんだか皮肉みたいな文章になってしまいましたが、
このステップは素晴らしいことだと思っています。

「好きを仕事に」

というのもこの道のりをたどるのではないでしょうか。

好きで始めたことが、趣味になり特技になる。
他者を喜ばせ、サービスの対価としてお金を得られるレベルに到達する。

素晴らしいことです。

しかし。

ここに第2の罠が存在します。

「その作業、毎日継続できるのか?」

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蕎麦打ちが趣味になり特技になり、
本当にプロレベル、本職の蕎麦屋さんと比較しても遜色ない、本当に美味しい蕎麦が打てるようになるかもしれない。

しかし。

毎日できる?

そして

毎日やりたい?

ここを事前に確かめる必要がある。

なんの事前かというと、

本当に蕎麦屋を開業する

この前にです。

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趣味特技で蕎麦を打っているときには気づかないこと。

それは、

・身体の持続性
・気持ちの持続性

言い換えれば、

肉体的に毎日続けられるのか。
毎日続けても飽きないのか。

専門店の開業を考えているのであれば、
これを確かめておく必要があると思います。

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小さなお店でも1日例えば50食、
営業時間だと8時間ほどの稼働。

50食〜を作る。
3〜4時間は蕎麦を打つ。

それを毎日、定休あっても週6日続ける。

手首を痛めるかもしれない。
腰をやられるかもしれない。

そして開業したお店が「蕎麦屋」だったら。

蕎麦屋は蕎麦を出さなきゃいけない。

蕎麦屋の看板出しておいて、
この店のウリは親子丼です、というのも微妙。

手打ちをやめる、という手段もあります。
・製麺機を導入する
・麺を仕入れて調理する

もともとの目的が

「蕎麦屋を営業する」

であるならOKだと思います。

ただ、もともとの目的が

自分で打った蕎麦で喜ばせる

だったとしたら。

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毎日やっても飽きないか。

これも確認したほうがよいポイントです。

蕎麦打ちの作業そのものも好き、
食べてもらって喜んでもらって嬉しい。

これが揃っているといい。

作業そのもののみの愛着でもプロたり得ますが、
個人店には向かない気がします。

専門店で職人さんを目指す、
もしくは運営パートナーを見つけて作業に専念する。
これがいいと思います。

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好きな趣味だからこそ、仕事にしない。
そんな選択肢もあります。

開業したら先は長い。
応援しています。

次回VOL.58
お店での修行は必要なのか

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カフェ&バー『ミートコ』
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中野の裏通りでこっそり営業しているカフェバーです。カウンター中心の小さいお店なので、おひとり様でもお気軽に。 貸し切りは4~6名様より承ります。パーティーや誕生会、女子会など、メニューリクエストも含めて対応致します。ご相談ください。
food 300yen〜/drink 400yen〜
03-5318-9517

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