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【カフェ・バー開業】箱ワイン戦法

結論:素人でも戦える

VOL.43

コマッチです。
Twitter : @komatchi77

東京の中野という街で、カフェバー「ミートコ」というお店を経営・運営しています。出店未経験の素人、かつ計画や情報不十分なままオープンして今年で7年になります。

過去の体験をもとに、小さなお店の開業・運営について綴っています。よろしければお付き合いください。

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今回は、素人ならではの戦い方について。

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箱のワイン。
ご覧になったこともあると思います。

こういうの。

箱のワイン、オーストラリアで発明されたそうです。

-Wikipedia(ボックスワイン)

ボトルワインに比べて利点が多い。
・開栓後の保存期間がより長い
・ガラス瓶より軽いため輸送コストが低くなる
・コルクの開栓と違い、道具や技術を必要としない

オーストラリアのワイン文化がヨーロッパより後発であり、またオーストラリア人が合理的であったために生まれた。と言われています。

つまりは、

文化や常識を元にした
「先入観」に縛られなかった

ということだと思っています。

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他にも、オーストラリアでは
ワインボトルもスクリューキャップのものが多い。

こういうの。
(画像横向きでスミマセン)

保存期間や輸送コストは普通のボトルと変わりませんが、道具や技術は要りません。

上記のような利点があるのに、
全てのワインが箱づめにならないのはなぜか。

多くのワインが瓶のボトルでコルク栓なのはなぜか。

「ボトルとコルクがワインの文化」

だからです。

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高級なレストランで食前にワインを頼む。

ソムリエの選んだワインが運ばれて来て、
流れるような所作でコルクを抜栓しグラスに注がれる。

もしこのシーンに登場するのが箱ワインだったら。

興は削がれると思います。
雰囲気が出ない。

こういうシーンではたしかに、
箱ワインは安っぽく見える。

ソムリエが手でスクリューをカショッと開けても、
なんか違うわけです。

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これはおそらく、
高級なレストランでのワインの提供が

「こうあるべき」

という相互理解が店側にもお客様側にもあるからです。

ソムリエが優雅に開栓して注ぐ

これを含めての「高級レストラン」である、と。

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もちろんオーストラリアでも、
高級レストランの高級なワインは、
ソムリエによってコルク開栓されています。

しかし、宅飲みを想定したスーパーマーケット売りのワインは箱やスクリューキャップのものが多い。

今回のお話のテーマはこの箱ワイン側です。

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ワインボトルが「こうあるべき」という先入観が薄かったため、新しい箱ワインという発明がされた。

この記事を読んで頂いている方、
そして飲食店開業に興味があるかたの中で、

専門学校や飲食店での修行経験が多くない方

イコール、7年まえのぼく自身。

ベテランの料理人や店舗経営者に

勝てる

と言うのはムリでも

「差別化できる」

という点では、
選ぶべきは箱ワイン側だと思うんです。

料理の腕ではプロの料理人にはかなわない。
ドリンクではプロのバーテンダーにかなわない。

本職、本業のひとでは出ないアイデア、
というのはあんまり無いと思います。

それでも、
本職、本業のひとでは「選ばない」アイデア
というのはまだまだあると思っています。

キーワードは

「付加価値」

箱ワインの合理性
コラボカフェメニューの世界観
ウーバーイーツの利便性
ミートコの流しそうめんのエンタメ性

箱ワインの味はともかく、
他の3つは高級店には「味では」かなわない。

しかし味と同じくらい、
ときには味を犠牲にしてでも、
お客様が付加価値を求めることもある。

「味」の優先順位を下げる

料理人には、やりづらい選択だと思います。

来店よりも、ぜひ出前で食べて欲しい
なんていう老舗のお蕎麦屋さんはあまりない。

素人にも出来ること。
味の優先順位を、付加価値と同じように考えること。

味をおろそかにするわけではない。
しかし同じくらい付加価値を優先する。

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プロの職人さんの技術は素晴らしい。
その価値は本物であり、習得に時間もお金も才能も要る。

地道に磨いていくことも必要。
後発でも、その道を走ることは美しい。

しかしぼくは邪道も取り入れることを決めました。

美しく勝つことよりも、
とにかく勝つこと。

それはそれで厳しいんですけどね。
応援しています。

次回VOL.44
包丁のお話

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カフェ&バー『ミートコ』
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中野の裏通りでこっそり営業しているカフェバーです。カウンター中心の小さいお店なので、おひとり様でもお気軽に。 貸し切りは4~6名様より承ります。パーティーや誕生会、女子会など、メニューリクエストも含めて対応致します。ご相談ください。
food 300yen〜/drink 400yen〜
03-5318-9517

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