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小説|ふたばのクローバー
二本のクローバーに、子どもが生まれました。お母さんクローバーも、お父さんクローバーも、この子を必ず幸せにすると誓います。子どものクローバーには、他のクローバーとは違って、葉が二枚しかありませんでした。
子どものクローバーは、何度も他のクローバーからいじめられました。二枚しか葉っぱがないからです。子どものクローバーは傷つき、悲しみました。「お母さんとお父さんは三つ葉なのに、どうして私だけ双葉なの?」
お母さんクローバーも、お父さんクローバーも質問に答えられません。夜露に濡れた子どものクローバーの寝顔を見ながら、両親は決めました。お互いの葉を一枚ずつ子どものクローバーにあげることにしたのです。
子どものクローバーは四葉になりました。もういじめられることはありません。みんなから羨ましがられて、とても幸せでした。両親はその姿を見ながら抱き合います。両親も抱き合うと、四つ葉のクローバーに見えました。
ショートショート No.57
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